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洞窟のヌシ
まさに吐かれんとするブレスをみて、わたしは思わず目を閉じる。
ブレスはわたしの上をかすめて、後ろへと飛んでいった。
振り向く……ことはできないので、バックミラーで確認すると、ブレスは岩と岩の間に隠れていた、巨大なムカデのようなモンスターを黒焦げにしていた。
(ひえぇぇぇ)
凄惨な状況に目を奪われていると、ドスンドスンという振動がタイヤを経て伝わってきた。
もう一度前を見ると、ドラゴンがゆっくりと近づいてきている。
身がすくんで動けないわたしの横を、ドラゴンは歩きすぎると、黒焦げになったムカデを食べ始める。
(もしかしてわたし、生き物として認識されてない?)
三十六計逃げるに如かず。
こんなブレスを吐くドラゴンとは、早々におさらばしないと。
そう思うと、わたしは前進し始めた。
辺りを見回すと、どうやらここは洞窟の中のようだ。しかしかなり広く、わたしやドラゴンも余裕で移動できるスペースがある。
こんな辛気臭いところは早く出て、陽の光が注ぐ外に出たいなあ。
そう思いながら、砂利道をわたしは進んでいった。




