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二周目の彼女と三周目の彼。  作者: kawa.kei


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第41話 トカゲ狩り

 殴る代わりに脳天に振り下ろして突き刺す。 技量も何もない。 

 ステータスに物を言わせたそれはパラエオフィスの皮膚をあっさりと突き破り装備自体に備わった毒と毒精製スキルによって生み出された毒によってスリップダメージが二重にスタックされる。


 特に頭部はどの生物にとっても急所でダメージ量が増える――要はシステム的にクリティカルが出やすい部位だ。 大抵の生き物は頭か首を狙えば比較的ではあるが楽に処理できる。

 殴り殺した個体よりも早くHPゲージを吹き飛ばして始末。 楽勝だった。


 何発か良いのを貰ったが、上げた防御力のお陰でそこまで大きなダメージはない。

 敵がいない事を確認して歩き出す。 流石に一層は大丈夫だろうと油断したのだろうか?

 いきなり罠にかかるとは運がいいのか悪いのか。 ただ、強くなったという驕りはあったかもしれない。


 それを戒めつつ無言で進む。 持ち込んだ棒はなくしたのでその辺に落ちている石を拾って投げる。

 軽く放り投げて罠がない事を簡単に確認しつつ周囲を見回す。 

 巨大な川とそれによって生み出される湿気。 流れが強く、流れる音は地鳴りのようだ。


 このダンジョンという場所は不思議なもので壁や床がほのかに光っており、視界には不自由しない。

 何もなければ中々お目にかかれない光景という事でそれなり以上に楽しめたのだろうがそうも行かない。

 五分も歩かない内に背後から水音。 何かが自ら上がって来た音だ。


 ベシャリと水を叩く音はさっきの蛇とは違う。 現れたのは巨大なトカゲだった。

 リバーリザード。 レベル44。 かなり低い。 

 ステータスもさっきまで戦っていたパラエオフィスに比べるとかなりの差があった。


 ――だが、数が多い。 


 次々と川から上がって来る。 5、10、15とまだまだ増えていた。

 握ったままの短剣をトカゲの群れに向ける。 蓑鋤は片端から鑑定をかけてやや失望に肩を落とす。

 欲しいスキルを持っていないからだ。 それでも使えそうなのは持っているので殺して奪うべきだろう。


 一斉に口を開くと勢いよく水を噴き出した。 流石に躱せずにまともに喰らう。

 魔法攻撃扱いなのかダメージが大きい。 鬱陶しいと思いながらも走って間合いを詰めに行く。

 遠距離から削られるのも鬱陶しい。 さっさと片付けようと接近したのだが、不意に足に何かが絡みつく。 舌だ。 川から伸びている。


 どうやら目の前の連中は囮で本命は川の中に隠れていたようだ。 狙いは引きずり込む事だろう。

 蓑鋤には水中適応があるので、水中でもそこまでパフォーマンスは落ちないが不利である事には変わりはない。 引かれる前に短剣で舌を切断。 


 そこで一手使わされたのが良くなかったようで前に居たリバーリザードが凄まじい速さで突っ込みそのまま頭突き。 川に突き落とす気だろうが、体当たりした個体に糸を巻き付けてどうにか耐える。

 糸を引いて強引に密着。 そのまま短剣を何度も突き刺す。


 パラエオフィスよりステータスが低い事もあって数度刺すとあっさりと死んだ。

 再度、水を吐いて動きを止めようとしたのだが、それより前に火球を生み出して発射。

 水と接触して爆発。 周囲に水蒸気が撒き散らされて視界が塞がる。


 逃げても良かったが、この手のモンスターは得物に対して執着する傾向にあるので始末した方があとくされがない。 見えてないのかスキルを放ってくるが射線が安定していなかった。

 今度こそ間合いを詰めて一匹目の首を薙ぎ、二匹目の両眼を刺突で貫き、三匹目は飛び乗って首の後ろをめった刺しにした。 水蒸気で視界が塞がるにしても僅か数秒。


 その間に減らせるだけ減らしておきたい。 蓑鋤にも見えていないが鑑定スキルを使うとターゲットに対してのフォーカスが可能なので鑑定可能なモンスターがそこに居るという事が分かる。

 そこを目掛けて突っ込めば確実に居るという訳だ。 


 システムの仕様をある程度理解していれば、こうして戦闘をある程度ではあるが優位に進められる。

 それにこのトカゲは弱い。 短剣を使えば数度刺すだけでスタックした毒で勝手に死ぬ。

 スキルを奪った以上はもう用済みなのだが、多少はレベルを上げて置いて減ったステータスの補填が必要だった。 トカゲを殺す度にステータスを確認してしまう。


 頼むから変わってくれるなと祈れば祈るほどに無情に嫌な数字は増えていく。

 異形度だ。 敵の撃破により確率で上昇といっていたが、思った以上に早い。

 一先ずはこの場を脱したら整理も兼ねてステータスの整理をしよう。


 そんな事を考えながらトカゲの群れを淡々と処理していった。



 ――ふぅ。


 蓑鋤は小さく息を吐いて壁に寄りかかる。 周囲にはトカゲとウミヘビの死骸だらけ。

 あれから何度も何度も襲ってきたのでその都度返り討ちにしていたら文字通り、屍の山が出来てしまっていた。 サソリもそうだったが、ここのモンスター――特に知能が高い個体は一度目を付けた獲物を執拗に追いかける傾向にある。 このフロアであればウミヘビ――パラエオフィスがそれに該当するのだろう。


 とにかくしつこかったが、これだけ殺せば流石に諦めざるを得なかったようだ。

 襲撃が途切れた事でやっと一息が付けそうだった。 ステータスを確認する。

 波食(はじき) 蓑鋤(みのすけ)

 レベル70 生命力:6850 魔力:2500


 ジョブ:バアル・ゼブル(70)

 力:410 物理攻撃:390  

 防御:250 物理防御:245 魔法防御:90 

 知能:90 魔法攻撃:91 


 物理抵抗:41% 魔法抵抗:45% 

 素早さ:150 運:0 異形度210

 

 スキル

 ・ベルゼブブ:MP消費/0(アクティブ) 浸食度:―%

 ・気高き主:MP消費/0(アクティブ)

 暴食がベルゼブブに変化。 浸食度による影響を一切受けない。 運が0で固定。

 ジョブ変更不可。 ジョブによるレベル上限なし。 対象を殺害すると低確率で異形度に+1

 対象を殺害すると低確率で生命力+15

 対象を殺害すると低確率で魔力+10

 対象を殺害すると低確率で力、物理攻撃に+2

 対象を殺害すると低確率で防御、物理防御、魔法防御に+2

 対象を殺害すると低確率で知能、魔法攻撃に+1

 対象を殺害すると低確率で物理抵抗、魔法抵抗に+0.01%

 対象を殺害すると低確率で素早さに+0.1

 対象を殺害時のステータスアップ確率上昇(小)

 対象を殺害時のステータスアップ確率上昇(中)

 対象を殺害時のステータスアップ確率上昇(大)


 ・攻撃力上昇(大):MP消費/0(パッシブ)

 ・防御力上昇(大):MP消費/0(パッシブ)

 ・ダメージ上昇(大):MP消費/0(パッシブ)

 ・狂圧:MP消費/0(アクティブ)

 ・暗視:MP消費/0(アクティブ)

 ・サイレントフィールド:MP消費/15(アクティブ)

 ・水中適応:MP消費/0(パッシブ)

 水中での呼吸が可能になり行動制限を受けない。 

 ・経験値分配:MP消費/0(パッシブ)

 ・欺瞞:MP消費/0(パッシブ)

 ・創糸:MP消費/1~(アクティブ)

 ・鑑定:MP消費/0(アクティブ)

 ・火炎:MP消費/1~(アクティブ)

 ・アース・パイク:MP消費/35(アクティブ)

 ・銃使い:MP消費/0(パッシブ)

 ・剛体化:MP消費/1~(アクティブ)


 ・毒牙:MP消費/1~(アクティブ)

 牙や爪に毒属性を付与できる。 1秒維持にMP1消費。

 

 ・毒精製:MP消費/1~(アクティブ)

 装備や攻撃に毒属性を付与する。 種類はスリップダメージ、麻痺の二種類から選べる。

 

 ・ステータス強化(水中):MP消費/0(パッシブ)

 水中では全ステータスに30%の上昇補正がかかる。


 ・水魔法

  ・ウォーターボール:MP消費/15(アクティブ)

  ・アクアジェット:MP消費/40(アクティブ)


 ・水耐性:MP消費/0(パッシブ)

 水属性攻撃に対してダメージ20%カット。


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