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二周目の彼女と三周目の彼。  作者: kawa.kei


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第10話 彼について①

 「えっとねー。 繰り返しになるんだけどこの世界って完全にステータスシステム依存だから使える物やら機器が凄い限られるのよ」

 「それは聞いた。 車が運転できないんだったな」

 

 その通り。 車両の運転はドライバー系のジョブに就いてないと運転できないわ。

 飛行機とか戦車とかも対応したジョブがないと動かせないのよ。

 

 「電化製品とかはどうなんだ?」

 「スマホとかの通信機器は軒並み駄目ね。 だから情報の伝達速度が滅茶苦茶遅いのよ」

 

 ネットも使えない。 通話もできない。

 スマホの価値の大半が死んでしまうという困った世界なのよねぇ……。

 ちなみに前回も情報収集に苦労したのよ。


 「なら配信は無理なんじゃないのか?」

 「そうでもなかったのよ。 『ストリーマー』っていうジョブがあってね」

 「名称の時点で何ができるのか察せられるな」

 「えっとね。 スキルで特定の場所にディスプレイ設置して遠隔操作で視界を映し出す事で配信ができるのよ」

 「それは何か意味があるのか?」 

 

 地味にあるんだよなぁこれが。 ストリーマーは配信する事で経験値が手に入るのよ。

 細かい点は不明だけど視聴者が多いほど経験値が入るらしくて人気者だと結構なスピードでレベルが上がってたわ。 


 ただ、戦闘に役立つスキルは覚えないから配信系のスキルを覚えたらジョブを変えて戦闘系のスキルを取得するって配信者は多かったわね。

 人気の配信者はシステムの検証などを行ってくれていたから、私もそこで知識を仕入れたのよ。


 「なるほど。 情報伝達の手段が乏しい割にはお前が色々知っているのはそのお陰か」

 「そうなのよ。 あんまり娯楽がないから配信を見るぐらいしか楽しみがないのよねぇ……」


 色々とバイトやって稼いではいたけどスキルのお陰で需要の変動が激しいから私みたいな鑑定しかできないのは割とお払い箱になり易いのよ。 当時は戦闘に関してビビり散らかしていたから頼まれた物品をひたすらに鑑定するバイトばっかりしてたわ。

 

 お陰で碌に戦闘していないのにレベルが上がったけど、最終的には蓑鋤の金魚の糞になってあんなことになっちゃった。 思い返せばよく見捨てられなかったわねぇ。

 だけどそれもここまで、今なら未来知識を利用して有能なブレーンとして蓑鋤を公私に渡って支え、良い感じにできる女と言う事をアピールするのよ! そして蓑鋤と結婚するんだぁ……。


 「治安とかはどうなってたんだ?」

 「あー、悪くはなってたけど世紀末の一歩手前で踏み留まったって感じ。 やっぱり、スキル持って調子に乗っちゃう輩は一定数居たけどね」


 本音を言うなら力こそが正義の完全無法地帯になるんじゃないかとも思ってたけど、そこまで好き勝手する奴ばっかりじゃなかったから日本人のモラルって奴を見直したわ。

 警察とかの公僕も機能が大きく落ちたけど、一部の人が自警団的な物を組織して治安維持に一役買ったのよ。 


 「警官か。 そう言えば銃器の扱いはどうなってるんだ?」

 「そっちもダメ。 専用のジョブを経由しないと持てても撃てない」


 これは聞いた話だけど引き金が引けないらしい。 

 代わりに条件を満たしていませんみたいなエラーメッセージが出るみたいね。

 条件が重いけど威力がステータス依存になるから攻撃力が高い人が使えば拳銃でも大砲みたいな威力になるとかならないとか。


 その後も蓑鋤はいくつかの質問をぶつけて来たので、知っている限り答えていると段々と眠くなってきた。 


 「あふ、じゃあそろそろ寝るから適当な時間になったら交代しよ」 

 「あぁ、ゆっくり寝ろ」

 「おやすみー」

 「おやすみ」


 私はベンチで横になるとそのまま目を閉じた。 

 何だかんだと疲れていたようで視界を閉じるとあっという間に意識が眠りに落ちていった。



 蓑鋤は婀唯が眠った後も彼女の寝顔をじっと見つめ続けた。

 しばらくの間、そうしていたが完全に寝入ったと判断したと同時に上着を抜いて彼女にかけてやる。

 その視線は無機質な物で無言で手を翳すと婀唯の周囲に風のようなものがふわりと起こった。


 現在地は大阪駅三階、連絡橋口の改札近くだ。 改札を越えて無言でホームへと降りる。

 手には消火器。 ホームの柱をガツンと強く殴る。 

 金属がぶつかり合う音が広大な駅構内に響き渡った。


 蓑鋤はしばらく待っているとあちこちからひたひたと素足特有の足音と硬い物が地面を擦る音が無数に近づいて来る。 ぐるりと見回すとゴブリン、ホブゴブリン、コボルトとこの辺りに湧いてきたと思われるモンスターが夜の闇から滲み出るように姿を現す。 


 蓑鋤は首に手を添えてゴキリと鳴らすとそれが合図だと判断したのかホブゴブリンが唸りを上げて突っ込んで来た。 手に持っているのは何処から調達したのか二メートルほどの千切れた鉄骨だ。

 蓑鋤を間合いに捉えたと同時に振り上げると消火器を投げつける。 


 顔面を捉えた事でホブゴブリンの目測が狂い鉄骨がホームの床を叩く。

 その頃には蓑鋤はホブゴブリンの正面。 飛び上がって身長差を補い、その顔面に拳を叩きこんだ。

 人体が発生させたとは到底思えないような衝撃がホブゴブリンの顔面で弾け、拳が顔面を貫通する。


 蓑鋤はちらりと何もない空間を一瞥。 恐らくはステータスウインドウを確認しているのだろう。


 「違う。 お前じゃない」

 

 そう呟くと鉄骨を奪い取って近くにいたゴブリンの密集している場所に投げつけると、数体のゴブリンが鉄骨に潰されて肉塊へと変わる。 ゴブリンが死ぬ度に蓑鋤はウインドウを確認。

 ゴブリンとコボルトが囲もうとするが、蓑鋤が睨むと畏縮したように動きを止める。


 その間にホブゴブリンやコボルトの大型個体を狙って仕留めに行っていた。

 ホブゴブリンを殴り殺し、コボルトの顎を掴んで引き裂き、ついでとばかりに小型個体を蹂躙する。

 その度にウインドウを確認。 50は居たゴブリン、コボルトは全滅し、最後に残ったホブゴブリンの頭を踏み砕くと小さく息を吐いた。 


 「ようやくか」


 表示されたウインドウには婀唯に申告した物とは全く違う内容が記されていた。

 波食(はじき) 蓑鋤(みのすけ)

 レベル40 生命力:2800 魔力:900


 ジョブ:バアル・ゼブル(40)

 力:250 物理攻撃:250  

 防御:100 物理防御:100 魔法防御:50 

 知能:50 魔法攻撃:50 


 物理抵抗:20% 魔法抵抗:20% 

 素早さ:80 運:0 異形度55

 

 スキル

 ・ベルゼブブ:MP消費/0(アクティブ) 浸食度:―%

 対象の殺害成功時、任意でスキルを奪う事ができる。


 ・気高き主:MP消費/0(アクティブ)

 暴食がベルゼブブに変化。 浸食度による影響を一切受けない。 運が0で固定。

 ジョブ変更不可。 ジョブによるレベル上限なし。 対象を殺害すると低確率で異形度に+1

 対象を殺害すると低確率で低確率で生命力+10

 対象を殺害すると低確率で魔力+5

 対象を殺害すると低確率で力、物理攻撃に+1

 対象を殺害すると低確率で防御、物理防御、魔法防御に+1

 対象を殺害すると低確率で知能、魔法攻撃に+1

 対象を殺害すると低確率で物理抵抗、魔法抵抗に+0.01%

 対象を殺害すると低確率で素早さに+0.1

 対象を殺害時のステータスアップ確率上昇(小)

 ――ロック中

 ――ロック中 


 ・攻撃力上昇(大):MP消費/0(パッシブ)

 物理攻撃値に30%の加算。


 ・防御力上昇(大):MP消費/0(パッシブ)

 物理防御値に30%の加算。


 ・ダメージ上昇(大):MP消費/0(パッシブ)

 ダメージの最終値に30%の加算。


 ・狂圧:MP消費/0(アクティブ)

 視界内の任意の対象の状態異常(恐慌)と全ステータスに対して最大1~50%の低下効果を与える。

 対象とのステータス差によって効果は変動。 


 ・暗視:MP消費/0(アクティブ)

 光量の低い場所での視界が明瞭になる。 

  

 ・サイレントフィールド:MP消費/15(アクティブ)

 射程0~10m対象の周囲3m圏内の音を消す。 


 ・水中適性:MP消費/0(パッシブ)

 水中で呼吸と行動のペナルティを無効化する。


 ・経験値分配:MP消費/0(パッシブ)

 獲得経験値の30%を任意の対象に与える事ができる。

 対象:三ノ婀 婀唯。(停止中)

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