想像➀
長らくお待たせしました。
異世界…。日本男子が一度はあこがれる存在だな。
これはあれなのか?死をトリガーとして転生するタイプの異世界転生なのかな。
いや、問題にするのはそんなことじゃない。そこじゃないんだ。
………蘇るは
前世における過酷な生活の数々。
クラスメイト、教師、家族、
僕の拘りのある人間なんてこれくらいだ。
まあ、もうちょっとあるかもしれないけど
正直これでもダルかった。
でもまぁ、なんとかやっていけてた。
超エリートなわけじゃあなかったけど、
そこそこだっただろ。
自己評価だがそこそこ頑張った。
けどそこそこしか頑張ってない人間だ。
特段秀でて何かができたわけじゃない特別だったわけじゃない。そんな人間なんだぜ?僕は。
それなのに、こんなよくわからない場所にポンと連れてこられて
僕は、やっていけるのだろうか…?
今までの人生としての経験値も身体能力も価値観も全く活かせないかもしれないこの世界で、
ここから、やっていかないといけない…
ヤベぇよ。マジで。
一歳になった。
どうやらノリで言った転生は本当だったらしい。
あんだけカッコつけといてじゃなかったら最悪だからな。
あのまま死ぬより良かったとは思うが、
異世界も楽じゃないだろう。
ちなみに、しっかり人間に転生したらしい。
生活してるのは木造の家っぽい。
ハイハイ生活卒業くらいの僕には充分大きい立派なお家だ。生活しているのは、
僕と最初に見た女の人だけらしい。
異世界っぽく髪の毛は青。
……デカい。
二歳となった。しっかり歩けるようになったこの世界の言葉も勉強中だ。
割と難しい。英語はあんまり得意じゃなかったんだよなぁ。頑張らないと…。
三歳になった。しっかりものを食べれるようになった。今までは、………お姉さんが、柔らかくしてくれたりしていたが
もう普通に食べれる。
この世界の食べ物は前いた世界と多少違う。こうなんていうんだろう……。まあ
あまり馴染みはないが、おいしい。
あー……強いて言うなら
脂身の乗った系統の味が多い気がする。
四歳になった。
しっかり喋れるようになった。言語習得だ。なかなか時間がかかってしまった。
前世でもっと英語頑張ればよかったのかなぁ。まぁ、英検の経験が…少しでも活かされたらよかったのか?
五歳になった。
このあたりで、この世界のことをようやく理解できた。
この世界の時間感覚は元いた世界と相当似ていて慣れるのに時間はかからなかった。
この世界のことはまだあまり分からないが気候なんかは、日本ほどはっきりした四季という訳では無いが、ある程度温暖で馴染みやすい気候だった。
家はちょっとした丘に建っていて田舎っぽい感じだ。まあ周りに家は何軒かあるんだけど。
名前も分かった。僕の名前は
アディクというらしい。
なかなかかっこよくて悪くない……。
(ちょい恥ずかしい)
あぁ、ちなみに
僕を拾って、世話をしてくれている人は魔人族の女性だ。
この世界にも種族は色々あるっぽい。
耳長族とかあるのかなぁ……。ちょっとわくわく、
まあ、それはともかく
名前をセラフさんというらしい。
最近知った。正式には魔人族にもいろいろあって、セラフさんの種族は代々高身長なんだそうだ。
なんていう種族なのか聞いてみたが
教えてもらえなかった。
高身長で、青い髪の美人さんだ。
この世界の美人基準は知らないけど
前の世界だと絶世クラスの美人だと思う。
最高だ。
僕に色々なことを教えてくれた。
ご飯からトイレから何から
本当にありがたい。
恩人だ。
この人がいなかったら生きてない。
「アディク、悪いが近くの村まで食料をもらっていくれないか?
今年はアイヨンが多いらしいからな。
村の騎士が奮闘しているそうだ。」
「アイヨンですか!?嬉しいな〜!」
この家は近くの村からちょい離れた
木々の多い場所にあるので、
時々食料をもらいに行かないといけない。
大変だがご近所さんとの交流はこの世界にきても大切なことだと思う。
もちろん村にきている商人などから買うこともあるが、村の人が分けてくれることも多い。
ちなみに前世では、朝の挨拶すら無視していた。
厨二心が悔やまれる。
アイヨンというのは、異世界お馴染みの
魔物だ。ここで魔物についてセラフさんから学んだことをちょっと話すが
(セラフさんはこの世界についての本をよく読み聞かせしてくれた。寝る前にね。)
魔物の区別として人間の姿かたちからかけ離れたものというのが一般的で、
つまりは異形の生物だ。とはいっても食用に飼育されていたり(そういう職業があるらしい)
かわいらしい見た目のものもいるので一概に言い切れないが、基準として前世の動物たちと
大幅変わらないだろう。 パンダの代わりに魔物がいました。みたいな感じで、
魔物は本当に前世の動物感覚でその辺にいるが、襲ってくる魔物も多い。
ドラゴンとかの魔物もいるのかということをセラフさんに質問もしてみたが
どうやらいるらしい。竜種とかいうらしく魔物の中でも最強クラスなんだとか。
アイヨンも魔物のうちの一つだが特段狂暴というわけではなく比較的おとなしい。
鹿のような見た目をしているが、腹に羽がついている。ちなみにいうと
めっちゃうまい。
村にいる騎士が頑張って取ってくれているらしい。騎士とかあるあたりヨーロッパ中世って感じだ。
世界観的にはほんとに中世くらいの文明度であることに間違いなさそうだしな。
「セラフさん行ってきます!」
「あぁ、頼んだ。村で少し遊んできてもいいが、夕食までには帰れよ。」
「はーい!」
セラフさんに挨拶をして村まで向かう。
「おっとと……」
たょっと道が急だ。
危ない危ない…。体も前世と同じくらいの成長スピードだもんな。
上も下も立派な五歳。……おほん。
まあ、とはいえ
前世見たく歩道も整備されてないもんなぁ。
あ、村見えてきた。
えぇと、暇だし
ここでちょいと村の説明。
この辺一帯は田舎なので、
アル村と一括りに呼ばれている。
けどまぁこの世界もそんなに狭くはないらしく、
正確には
神精イシュ王国
グラウン都市領ハテ
アハテ村という。
作物がよく収穫できるいい場所だ。
そこまで強い魔物も出ない。さらに、土地はたくさんある。
という、平和なところだ。
王都では王女がどうとかとセラフさんが言っていたが、正直どうでもいい。
僕も成人したらこの村を出ることになるのかもしれないけどその時はその時、、、、
まあそれまでは陰キャらしく
おとなしくしてましょうよ。
レッツスローライフ五歳児、なんつって。
そんなこんなで
村到着。村はそこそこでかくて西洋風の木造の家が40軒くらいずらっと並んでいる。
そこに出店みたいな感じで車輪の付いた屋台みたいなのがポツポツある感じだ。
剣だったり衣服だったりあとは、、気になるけど
とりあえず先に村の人に話をして、アイヨンをもらおう。
アイヨン売り切れでセラフさんに怒られるのは嫌だ。
美人は怒ると怖いんだ。
「カイサさん、お久しぶりです。アイヨンが入ったと聞いたので来ました。できればうまいのが欲しいです!」
「おう!アディク!久しぶり!もう立派にしゃべれるようになって大人みたいだな。」
完璧な異世界言語使いで場を制す…。とわいえまだまだだが、一応この世界における主要となる
言語は習得できた。この地域でもっとも使われているものだ。が、
世界共通ではないらしい。セラフさんいわく、種族や地域によりバリエーション豊富なんだとか。
日本語というより英語に近い感じだ。固定の文法だったりと形が決まっているものも多い。
カイサさんは、村で商人をやっている四十歳くらいのおじさんだ。
これでも昔は腕利きの騎士だったんだとか。いまは騎士を引退しこの村で商人をしている。
「えっと、、じゃあアイヨン二匹ください‼」
「おう!わかった。とってけ!あ、しっかり金はとるぞ。黄銭5枚な。」
「僕もそこまでケチじゃないですよ!しっかりお支払いします。」
この世界においての金銭は色で振り分けられていて緑銭が最低で緑銭百枚で黄銭一枚の換算だ。
「ほんとだといいけどな。セラフにもよろしく頼むぞ。アイツ全然村に来ないもんなあ。」
「あははは、、、。」
セラフさんはあんまり村に来たがらない。
カイサさんとは旧知の仲ってやつらしいが、顔は見せない。
引きこもり体質なのかな。
「いいやつなんだがな。アディクも大変だよな。」
「いやいや、僕はセラフさんに育ててもらって光栄に思ってますよ‼」
「まあ、、、アイツ顔はいいからな。うん。それはそうだよな。」
「うんうん。流石ですカイサさん。」
「、、、つーか、五歳の子供と話しかみ合いたくねえよ‼何言わせるんだ全く!」
おじさんとおじさんトークで盛り上がってしまった。おかしいな?
前世の年齢を合わせてもまだ二十歳になってないはずなのに。
それはともかく、村でやらないといけないことはこれだけじゃない。
帰る時間までまだまだ余裕ありだ。
「あー、カイサさんメティはどこにいるかわかりますか?」
「お前ってやつは、、、セラフもいるのに別の女のとこ行くのか。」
「女って言っても同じ年でしょ。あと女じゃなくて女の子ですよ。」
僕はこういうのには厳しいタイプの人間なんだ。
そこんとこはっきりしてないとな。
「あーはいはい。その女の子ならいつもんとこにいると思うぞ。」
「あそこですか。行ってみます。あ、アイヨンありがとうございます!」
「おう!気をつけろよ!セラフによろしくな!」
いいおじさんだ。前世にいたならモテただろうが、恋人はできないタイプだな。
おじさんに別れを告げ僕は女の子を探しに行っているが、、、、
「いつものとこにいるといいけどなあ。」
自由気ままな女の子だからな。どうだろう。
村人にあいさつしながら村の奥まで進んでいく。
そもそもこの村はそんなに大きいものじゃない。
すぐ近くまで森とだだっ広い草原で
村の規模的には小学校の敷地を二つ
縦に並べたくらいじゃないだろうか。
村の奥の方に崩れてる崖?みたいなのがあって彼女はそこによくいる。
木漏れ日がいい感じに差し込んでいていい感じだ。
いつも思うが神秘的な場所だ。ちょっと苔むした感じなんかがかっこいい。
伝説の剣がささってたら抜きたくなる雰囲気ではある。もちろんだがそんなものはない。
女の子はいたけどね。
苔むした石に座る
赤い髪に短髪の女の子
彼女の名をライア




