転生
にぶいちと一緒にやっていきたいと思います。
ぜひ楽しんでもらえたら幸いです。
別に死にたいほど辛い思いをしてるわけじゃない。普通に学校に通い、普通に友達と遊び、まだ中学生ゆえ色恋沙汰は少ないがたまに女の子とも遊びに行ったり、部活で、エースにはなれやしないけど、それでもできる限り努力して。
至って平和の日常を送ってきた。
趣味はある。本を読むことだ。その中でも転生系とかダンジョンとか夢があっていい。本の中なら何も言われない。
厨二病。
気付いた時にはついていたあだ名だった。本に書かれていていた言葉を、笑い者にされてクラスで読まれたのが最初だったと思う。
いい気分じゃなかった。怖かった。自分のほうを向いて笑っている目が。
なんでそんなふうに思ってしまうんだろう。皆何とも思ってない。ただの笑い話だ。明日になったら残ってるのは気分の悪いあだ名だけだ。
深く考えすぎなんだと思う。家でDV受けてるわけじゃないんだし、
別にそこまで酷いイジメを受けてるわけじゃないのに。
ただ、ちょっと疲れた、それだけなのに。
情けないと自分でも思う。クラスの陽キャにいちいちイライラして、反論して、殴られて、もっと辛いことがあっても頑張って努力してる人がいるのに_。
「えー、それじゃ今日は部活もないし、はよ帰って勉強しなさい。まじでやば_」
ほら今だってそうだ。うるさい陽キャにイライラしてる。聞き流せばいいのに。
「バカだなぁ…。」
誰にも聞こえない呟きがクラスに溶け込む。
「礼!さようなら!」
教室を出てすぐさま廊下へ、早く帰りたい。
「うわ〜、雨降っとるやん…。最悪。」
「部活無いんやし、ええやんw。」
そそくさと階段をおりて、靴箱まで。
そのまま最速で校門をくぐり抜ける。
校門の前に立つ先生に挨拶。
ザー
帰ってやることもないけど、学校はあんまり好きじゃないから。
だから、早く帰りたい。
ザー
信号で足止めを食らい後ろの5人くらいのサッカー部集団に追いつかれてしまった。話しかけられなけゃいいけど。
「それでな、あいつと付き合_」
ザー
あぁ、話しかけられる余地すら無い人達だった。
僕は…、羨ましいんだろうか、ああいうのが。
案外…そうかもしれないな。自分に無いものとか、自分にできないことができる人は誰だって羨ましくなる。
でも、なかなか関われない人っているよな。そういう人と無理に関われっていうのも、無理な話だろう。
信号が青に変わる。
まずい。このままだとあの集団と一緒に渡らないといけなくなる。信号で距離の差をつけてそれをキープしつつ、家まで帰ろう。
ザァー
少し小走りで___________。
「あ」
体の横腹に硬いものが当たったのが分かった。
「グシャ」
即死だった。
よろしくお願いします。