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第2話:ウイルスの正体

羅夢田コウが働く会社で発生した謎のシステムダウン。彼はその原因を探る中で、ウイルスの正体に迫ることになる。果たして、このウイルスは何者なのか?

翌朝、コウはいつもより早く会社に向かった。

昨夜のシステムダウンの原因を突き止めるため、彼は一刻も早く調査を始めたかったのだ。

昨日はこのことで頭がいっぱいでよく眠れなかった。


オフィスに着くと、すでに数人の同僚が集まっており、皆が不安そうな顔をしていた。


「おはよう、コウ。昨日の件、何か分かった?」


と、同僚の一人が声をかけてきた。


「まだ何も。でも、今日は徹底的に調べるつもりだ」


と、コウは答えた。


彼は自分のデスクに座り、パソコンを立ち上げると、まずはログファイルを確認することにした。

システムダウンの直前に何が起こったのかを知るためだ。ログを丹念に調べていくと、ある異常なアクセスが目に留まった。


「これは…?」


コウは眉をひそめた―――。


なぜならそのアクセスは、通常の業務とは無関係なもので、しかも外部からのものだった。

さらに深く調べていった。

そのアクセス元は、最近話題になっているウイルスの発信源と一致していることが分かった。


「まさか、これが噂のウイルスなのか…?」

「面倒くさいことをしてくれたな。」


コウは驚きを隠せなかった。

その時、上司がオフィスに入ってきた。


「羅夢田、何か進展はあったか?」


「はい、どうやら外部からの不正アクセスが原因のようです。しかも、最近話題のウイルスと関連があるかもしれません」


と、コウは報告した。

上司は眉をひそめて深刻な表情で頷いた。


「なんでウイルスに感染するんだ?」

「もしかして会社でエロサイトを見てたからか・・・」


上司の最後の言葉は効かなかったことにして、さらに調査を進めることにした。

コウは、ウイルスの正体を突き止めるために、ネットワークの隅々まで調べ始めた。

すると、ウイルスは単なるデジタルな存在ではなく、何らかの意図を持って動いていることが分かってきた。


「こんなの本当にウイルスみたいじゃないか」


コウは誰にも聞こえない声でつぶやいた。


---


その日の夜、コウは会社を出た後、いつものように帰路についた。

今日は仕事ができなかったので何か月ぶりかの定時退社だ。


「やっとたまっていたアニメを見れるぞ」


そんな陽気なコウのの後をつける影があったことに気づかなかった。

突然、彼の前に黒い車が止まり、数人の屈強な男たちが降りてきた。


「羅夢田コウさんですね?」


一人の男が声をかけてきた。


「え、ええ、そ、そうですが…」


コウは怯え、どもりながら答えた。

なぜ怯えているかだって?

黒いサングラス、黒いスーツ、黒い革靴。それに加えてボディビル大会に出ているかのようなムキムキ。

そのような男達が10人もいるのだ。しかも取り囲まれているので周りの通行人からもガン見される始末である。


「少しお話があります。こちらへどうぞ」


と、見た目とは裏腹に丁寧な言葉で男たちはコウを車に乗せようとした。


「ちょ、ちょっと待ってください!何の話ですか?お金なんて借りてないですし、自分友達もいないので対人トラブルなんてないはずなんですが・・・」


コウの抵抗は儚く散り、男たちは強引に彼を車に押し込んだ。


---


車は静かに走り出し、コウは不安と恐怖でいっぱいだった。


(東京湾に沈められるのかな、それとも港の倉庫に連れていかれて監禁?あ~あ、まだアニメいっぱい溜まっていたのに。22年間彼女も作らずプログラミング頑張って大手に就職できたのに。お母さん、親不孝な息子でごめんなさい・・・)


コウは心の中で公開の言葉を並べながら車に静かに乗っていた。

抵抗してもどうせ敵わないからである。


しばらくして、車はある建物の前で止まった。

その建物はいわゆる高層ビルだ。見た目的に40回ぐらいはありそうだ。

建物の周りにはよくわからない装置がある。よく見るとバリア?みたいなものが張られているように見えたが、非現実的過ぎて疲れているんだと思うことにした。


コウは車から降ろされ、建物の中に連れて行かれた。

建物の中には「C()I()D()E()R()」と書かれている。


(さいだー・・・?なんかの機関か?)


どう思いながらエレベーターに一人で乗らされ最上階41階についた。

ドアが開くとそこには大きな会議室。真ん中には一人の女性が座っていた。


「ようこそ、羅夢田コウくん。待っていたよ」


と、女性はにっこりと笑いながら言った。


「あの、ここは一体・・・」


コウは恐る恐る聞いてみる。


「実は、あなたには以前、我々からスカウトの話を持ちかけたことがあるんだ。プログラムコンテストでのあなたの実績は、我々にとって非常に魅力的だったしね。過去誰も防げなかったサーバー攻撃を一人で成し遂げてしまうのだから。けど、興味がない、と冷たくあしらわれたけども」


コウはその話を思い出した。

どういえばよく分からない人たちからスカウトを受けたけど、その時には内定ももらっていたし気も引かれなかった。

そんな人たちから何の用があるのかわからず、コウの頭はまだ混乱していた。


「あ~、あの時の…」

「その節は・・・」


とりあえず社会人なので挨拶をしておいた。

頭をポリポリと掻きながら会釈をした。


「今、我々はあなたの力が必要なの。最近は情報統制がうまくできなくなってきていて都市伝説的にはなってきているけどね。あなたも知っているでしょ?ウイルスについて。」


コウは昨日のお昼休みに同僚とはないsていたことを思い出した。


「人にも影響を及ぼすウイルス。」


そうつぶやくとすかさず女性は言った。


「そう!それそれ。そのウイルスがここ最近異常なほどの発生、変異をしているの。その駆除、および討伐を手伝ってもらいたいっていうのが今回の話。」


「はぁ・・・」


コウは内心、「討伐ってなんだよ、モ〇ハンでもあるまいし。」と思っていた。


「あなたの会社にも連絡済みだし、家も退去するって連絡しておいたわ。」


「えっ?」


それはそうである。やっとの思いで入社した会社を勝手に退職させられ、お気に入りの(すみか)も退去させられているのだ。


「いや、そんな急に言われても困ります!」


「あら、こっちの方が絶対に待遇はいいわよ?家賃、光熱費、水道代はかからないし、食事も出るわよ?それと給料もね。それじゃあこれがあなたの部屋のカギとカードよ。」


そう言われると部屋の鍵らしきものと、セキュリティカードを渡された。


「じゃああとは頼んだわよ。」


女性がそういうとコウの後ろに目をやった。

振り返るとそこには金髪のいかにもという男が立っていた。

腕組みをし、壁にもたれかかっている。


「チッ」


大きく舌打ちをした後、男は近づいてきた。


「早くついてこい、七光り。」


とりあえずついていった方が良さそうなので、女性に軽く一礼をして男の後についていった。


「期待してるぞ、羅夢田コウくん」


女性はそういいながらコウの後ろ姿を眺めていた。

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