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第1話:新卒プログラマーの現実

22歳の新卒プログラマー、羅夢田ラムダコウは、名門大学を卒業後、憧れのIT企業に就職した。しかし、そこは想像以上に過酷なブラック企業だった。毎日遅くまで働き、休日もほとんどない生活に疲弊しながらも、彼は過去の栄光を胸に秘めていた。

朝の通勤ラッシュの中、羅夢田コウは満員電車に揺られながら、今日もまた長い一日が始まることを思い知らされていた。彼が働く会社は、業界でも有名なブラック企業で、毎日終電近くまで働くのが当たり前だった。電車の中でスマートフォンをいじりながら、彼は今日のタスクを頭の中で整理していた。


「今日も頑張らないと…」と自分に言い聞かせるコウ。

彼は大学時代、プログラムコンテストで全国優勝した経験を持ち、その実力を認められて今の会社に入社した。しかし、現実は厳しく、理想と現実のギャップに苦しんでいた。

彼の心の中には、かつての栄光が色褪せることなく輝いていたが、それが今の自分を支えているのか、重荷になっているのかは分からなかった。


会社に着くと、すぐに上司からの厳しい指示が飛んでくる。


「羅夢田、昨日のプロジェクトの進捗はどうなってるんだ?」


と、上司の声が響く。


「本日中にスケジュールを調整して共有します。」


コウは、眠い目をこすりながら、パソコンに向かって作業を始めた。

彼のデスクには、未完了のタスクが山積みで、どれから手をつけるべきか悩むほどだった。


「仕事それだけじゃないんだよ。クソ上司が。」

「エナドリでも飲むか…」


最近はエナジードリンクを飲むと頭が冴えて、仕事が捗る。と思うようにしている。

入社してそんなに経っていないが、()()という呼び名が似合うようになっていた。


===


昼休み、同僚たちとランチをしながら、最近世間で話題になっている「ウイルス」の噂が話題に上がった。


「あのウイルス、パソコンだけじゃなくて、人にも影響があるって噂だよね」


と、同僚の一人が言う。

彼らは、ネット上で流れる様々な噂話に興味津々だった。


「そんなの、ただの都市伝説だろう」


と、コウは笑い飛ばしたが、心のどこかで不安を感じていた。

彼は、技術者としての直感で、何か大きな変化が起ころうとしていることを感じ取っていたのかもしれない。


===


その日の夜、いつも通り残業をしていた。

残業代が出るのでいいのだが、仕事は終わらない。


「早く帰ってネトフリ見て晩酌したい」


どんなことを思っていると、目の前のパソコンに異変が起こった。


『ジジッ…』


画面の隅だけ黒い(もや)みたいなものがうごめいている。

なんだこれと思い、画面をつついてみるが元には戻らない。


「なんでこんな忙しいときに俺だけ、はぁ。」


どう思っていると他にも残業している人たちのパソコンにも異変が起こり始めた。

周りに目をやると他の人も画面上に黒い靄がかかっているのだ。


「なんだこれ、なんかの不具合か?」


そう言った瞬間、エラー音がオフィスに鳴り響いた。

エラー音は各パソコンからなっており、耳に(つんざ)くような音だ。


社内は一時的なパニックに陥った。


「おい、システムダウンしてデータも削除されてるぞ…!」


突然のシステムダウンにより、プロジェクトのデータが消失し、社員たちは慌てふためいた。

コウは、冷静に状況を分析し、原因を突き止めようと試みたが、すぐには解決策が見つからなかった。


「ハックされたわけでもなければトロイの木馬などのたぐいでもない。」

「これはただのシステムエラーじゃない…」


と、コウはつぶやいた。

彼の直感は、これが単なる技術的な問題ではなく、もっと深刻な何かであることを示していた。

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