宰相の企み
2024年10月28日改稿しました。
ここでスカーズ視点から一時別視点に移ります。
エクスド王宮ではワーグ宰相とウィッセルム教皇がにやにやしながら企みを練っていた。
「他の神迫害政策は着々と進んでおります。ロッドロン博士が作った人造怪物部隊、魔王の配下部隊、神と人間の混血戦士部隊の出番です。人造怪物部隊ギガ・ロプス! 魔王の配下グイントータス!」
呼ぶとサイクロプスらしき一つ目の巨人と恐竜の様な巨大亀が現れた。
「ほう、人造怪物ギガ・ロプス、魔王の生まれ変わりの一匹グイントータスか」
「スカーズと言うガキは手強い。いや今最強であるわけではないがとてつもない素養を持っている。何としても強大な敵になる前に叩くのだ。やつは迫害する我々を憎み倒そうとしている」
ワーグは部下に命じた。
「神族は手強い。鍛えられた兵でも簡単に倒すような恐ろしい術を持っている。騎士と兵士だけではだめだ。必ず非常に強力な魔物を連れて行くのだ」
「先代の魔王が保管していたこの魔方陣を使えば非常に強力な魔物が召喚できます。神族と言えどもただでは済まんでしょう」
「魔王は討伐される直前に配下の魔物を魔方陣の中に隠した。魔王も非常に便利な物を残してくれた。神族のガキを追い包囲網を敷け」
エグスド王国はウィッセルム教皇が大きな力を持っている。
王ミヤマンは戦いが強く領土を増やしたが少し騙されやすい。そこを宰相につけこまれている。
また王子が少し気弱で戦いが弱いため安心して譲渡出来ない事や王子が王になったときの為土台を固めようとしている。
ミヤマンは最初教皇とエクスド教を利用し政治的に協調した。しかし戴冠は教皇により行われる。
ワーグと教皇は実は繋がりかあり、上手くミヤマン王を利用し二人で天下を取る思惑があった。
そのためにエクスド教を利用し征服を進め後押しするようにした。
教会に認められた者は教会領を貰える。
エクスド教による征服推進正当化。
その為には別の神が邪魔になる。
王と民衆両方を騙すため地上の神族を悪者にし迫害する政策を強調するに至ったのである。
他国にエクスド教を宣教し戦争の味方にしていった。
また宣教邪魔をする行為は武力行使の行使の理由になった。
他国の宗教は民衆を従わせるのに邪魔な為貿易を制限した。最初は宣教師を追い出すだけだったが宗教の自由を完全に奪った。
さらに軍事において兵の強化のみならず魔物をコントロールして配下にした。
さらに人間同士の差別と迫害が横行するのも真の狙いはその民族が憎いからではなく、違うものを迫害する風潮と文化を強化し最大の敵である他の神を迫害する事を民衆に違和感なく植え付ける為なのだ。
さらには神族は正義感と力があるため侵略の敵になる恐れがある。人間の味方をされると困るのだ。
また、エグスド軍は召喚士の力が特に強い。
召喚達は数十年前の戦いで人間を滅ぼそうとした「魔王族」が勇者に滅ぼされながらも霊のみになったり怪物に変えられ眠っている事に目をつけ、それらを復活させ利用する事に着手した。
魔王が変えられた魔物は普通の魔物より遥かに強い。また霊のみの魔王は肉体を作ってやれば力が発揮出来る。
魔王が復活し強大な後ろ楯が得られたのもエクスド教のおかげであると自負しているためなおのこと他の宗教への敵対意識は強い。
そして軍で密かに作られ実用化された科学による人造生物。巨人等は既に作られゆくゆくドラゴンの様な超巨大な物も完成し人を襲ったり戦争兵器になる予定だ。
①魔王の生まれ変わりの手強い魔物。
②人工生物。
③ゼッツリオン達混血戦士。
④通常の兵士、騎士。
これらがエクスド軍の核である。