再起の特訓
2024年9月15日改稿しました。
俺は聞いた。
「ロミイは誰が造ったの?」
「有名なロッドロン博士です」
「え? 天才と呼ばれながら姿を消した?」
「軍に利用され連れていかれました。私は世話用ロボットプロトタイプです。実は私は外見が人間と同じ様に子供から成長するんです」
「すごい!」
「そして『愛の感情』を持ったロボットとして私は感情を持って生まれ博士に愛情を持って育てられました。ロッドロン博士は結婚してないし娘みたいに。でも博士は天才過ぎて認められずお金がなくなって行きました。そこに悪い人がつけこんで私を売り物にすれば儲かる、と持ちかけ優しかった博士は誘惑に負けました。そして私の素体を元に量産型人間は造られ奴隷市場に送られました。私の兄弟、みたいな感覚じゃなかった。私の身体は乱造され安く売られるみたいな気持ちでした。始めは愛をテーマに開発した博士は金儲けに走るようになりました。私は量産型の元となり金儲けに利用され博士の娘の感覚もなくなって行きました。
しかし悪い人は軍とも繋がり軍はロッドロン博士を利用するため連れていきました。私は町の奴隷売買場に売り出されました。絶望を感じました。ところがそこを町の見回りで偶然来ていたお妃様が買って下さいました」
「でも何で身体にあんな強力な爆弾を?」
「博士は兵器の開発にも熱心で私の自衛の為付けました。その情報が漏れ軍に利用されました。生物兵器の開発に利用されるとか」
「じゃあその生物兵器が今後人を襲うことも?」
「ドラゴンやゴーレムがあると言いました」
ゼッツリオンに敗北した俺達は一から特訓する事になった。
「ティル、頼む。容赦なく」
「分かった。まずこないだは剣の特訓したけど今度は神術中心にしましょう。まず、エアカッターを木に印付けるから狙ってみて。まずは効果を数倍にする為空と大地のエネルギーを吸い込んで」
俺は深呼吸の要領でエネルギーを取り込み言った。
「小さい印だねえ」
「コントロールを測る為よ」
「分かった、じゃあ行く」
「二十メートルくらい離れて」
「ここだと見え方が微妙だな」
「貴方の視力とかの関係も測るの」
「はっ!」
俺はエアカッターを木に向けて集中して集中して発した。
だが、印に少しずれた。
二発目も同様に少しずれた。
ニセンチ位。
「うーん、すごく正確じゃないわね。まずはこの位の距離から完璧に当てられるように」
「良し」
完璧に当てる練習を集中して何発も繰り返した。
不器用だけどやろう。
「次は私を狙って」
「え?」
「大丈夫よ。変な甘さは見せないで」
「良し」
「はっ!」
俺はわき腹辺りを狙った。
ティルは上手くかわし聞いた。
「連続で行ける?」
俺は言った。
「二十秒位空けないと駄目」
「連射出来る様になると良いわね。後何でわき腹を狙ったの?」
「え?」
「まさか、女の顔に傷を付けたくないとか?」
「あ、ああ、無意識に」
「甘さは捨てなきゃだめよ」
「そうだね」
「後、敵と戦う時どこを狙う?」
「顔かな」
「ウーとの戦いの時こんなの効くかって言われたわよね。あれは威力と撃つ場所両方が悪いの。切断技ならもっと大きくして一撃で相手の首を飛ばす様に狙うの」
「え?」
「怯えちゃだめよ。あと組み立てとコントロールも大事ね。どんな状況で順番で技を使っていくか」
「野球の投球術みたいだね」
「ヤキュウってなに? 次はエアショットね。本当はこないだ私がウーを倒す事は出来たけどあえて貴方にやってもらったの」
「甘さを捨てる為とか?」
「後貴方は迷ってた。当たらないでくれとか思ってた?」
「うん」
「それも少しずつ克服しよう。良い所なんだけどね優しいとこが」
良い所なんだけどねだけ小声だった。
「さっ、特訓開始」
「君って会話に無駄な部分入れないね」
「今度はエアカッターを私の手足に撃って最後は首と顔に。その後は威力アップに」
ひとしきり特訓は続いた。
「次は訓辞よ。今のあなたに足りないものをこれから克服してもらう。例えば」
「たとえ卑怯な手でも相手を倒すには手段を選ばないように」
「許せない相手は時々止めをさす」
等がティルによって読まれた。
「理想郷へ行く目的の為にはなりふりかまってられないのよ。あなたは正々堂々してるけど臨機応変にさらに次。川に潜って電気を呼ぶ特訓よ」
俺は飛び込んだが縄はティルが持っている。
「もがきながら電気を起こす訓練よ。さらに水中の僅かな空気を操るの。」
「が、がう!」
これがひとしきり続き休みティルは言った。
「最終段階、あのウサギを狙って」
「え⁉」
「どうしたの?」
「出来ないよ。あのウサギ前俺が助けたウサギかも知れないし」
「……優しいのね。じゃあ特訓今日はこれで終わり」
ティルは初めて優しい顔で微笑んだ。
何故か怒らなかった。
次の日。
「ゼッツリオンに勝つには生半可な特訓じゃ駄目だ。そのうえ時間がない。ならばキーになるのは俺の神としての力なんだ。感情が極点に高ぶった時だけ稲妻を呼べる。それを任意に出来るようにするんだ。それと父さんと続けていた地震を起こす特訓」
「任意にですか!」
ティルは言った。
「そこまで考えていたの。私の及ぶ部分じゃないわ。何せ天候コントロールだもんね。自然の掟で言えば雨も雪も雷も全部説明できる理屈なんだけどね」
「うん、理屈だけじゃなく本物の神の怒りの稲妻を天から呼ぶんだ」
「理論が通じる世界じゃないわね」
「人間がこれを言ったら頭がおかしいと言われるけど神だからこそ、神としての力、それを皆の為に有効に使うんだ。じゃあ特訓はじめ」
「はあああ!」
俺は全身に力を込めた。ありったけ。
体がぎしぎし音を立てる。
しかし待てども暗雲は来ない。
甘かった。
「よし、怒りを込めよう。父さんと母さんが殺された時の事を思い出すんだ。うおお!」
続けてみたが稲妻は落ちない。
「何でかな」
「怒る理由と言うか、外からの刺激要因が必要って事じゃないかしら」
ロミイは言った。
「と言う事は怒る理由がまたあれば稲妻を呼べる?」
俺は言った。
「でもそうだとすると怒りの理由となる悲劇が必要となってしまうんだ」
「あっそうですね」
「それにまぐれじゃ駄目だ。使いこなせないと」
ティルは言う。
「ごめんね力になれなくて。最高レベルの神は稲妻を呼び落とすけど、あれは自分で作るのかしらそれともさらに上の神に祈るのかしら」
「あっそうか。俺が落としたんじゃなく、もっと強い力を持つ天界の神が行使したのか」
「メカニズムはよく分からないけど」
「じゃあ、今度は祈ってみよう」
今度は敬虔な祈りを込めた。
一分、二分、三分。
「駄目だ」
「仕方ないわ。貴方は地上で誰一人やった事のない事をしようとしてるんだから」
ロミイは言った。
「でも出来ない事に挑戦するなんて素敵」
ティルは怒った。
「あからさまに褒めないで。見せつける様に」
「見せつけてなんかいないわ! 何怒ってんの」
「誰でも男に露骨に『素敵♡』なんて言う女を見たら不快に感じるわ。分からない?」
「私は何も間違ったことしてないわ!」
「褒めるのにもう少し抑えた奥ゆかしい感じにしなさい」
「な、何でもめてるんだ? 意味が分からない」
「あー気にしないで特訓中止しないで」
そこへ下を向いた八才ほどの子供がとぼとぼ来た。
「どうかしたの?」
「あのね、僕稲妻が呼べるって学校で嘘ついちゃったの。嘘だと分かったら嫌われるよ」
「よし! お兄ちゃんが稲妻を起こしてあげるよ」
「本当!」
「明日学校に隠れて付いてくよ」
ティルは言った。
「ちょっと! そんな約束して!」
「こうなったらやるしかない」
その夜俺は祈りと怒りを繰り返した。
でも雨雲は出ない。
ああ、俺はあの子の願いを叶えてやりたいだけなのに。
出てくれ。
出ない。
そして当日が来た。
そしてどうしていいかわからないまま子供の登校時後ろからついて行くと友達が来た。
「見せてくれよ」
「あのその!」
すると突如黒雲が現れ雨が降り稲妻が遠くに落ちた。
「えーすげえ!」
「偶然出てよかった。偶然てあるんだね」
ロミイは言った。
「いいえスカーズさんが起こしたんですよ。怒りじゃなくあの子を思う気持ちが」
「褒められた」
「ロミイ! あけすけに褒めないで!」
「ティル! ここで何してんの!」
「スカーズに負けない為新技の特訓よ。お披露目するわ」
「見て、光の弓矢よ」
ティルは光で弓矢を作り岩に向け放った。
岩に傷がついた。
「凄い威力だ」
「後、威力を下げる代わりに広範囲を攻撃出来る様にも出来るわ。それにもう一つ」
ティルは剣を持たず素手で岩を殴ろうとした。
「えっ!」
しかし、ティルの拳は当たった様で当たっておらず穴が空いた。
「え?」
「拳を当てると見せかけぎりぎりまで近づき、拳から見えない速さで光の刃を出して貫く。『ミリインパクトエッジ』」
「すごいな、もう出来たんだ。さすが天才だね」
「わ、私はあまり天才と言われるの好きじゃないわ。ただコーチなのにこないだは貴方に助けてもらってばかりだった。面目躍如と罪滅ぼしよ」
「俺も頑張る」
ロミイが怒った。
「私だってやるわ!」
何で怒るのか…………
ただ、今回は俺は子供の夢の為やったけど、戦闘用に使える様にしなきゃ駄目だ。
ランダムやまぐれじゃなく確実に。
ティルが言った様に「誰もやった事がない事」だから難しくて誰も教えてくれないんだ。
でも必ず身に付ける。
ゼッツリオンを倒す。いやそれだけじゃなくて。
その夜も特訓を続けた。
ロミイが心配そうに見ていた。
「地面に手をつけて何やってるんですか?」
「人為的に地震を起こす特訓」
「今度は地震ですか!」
「父さんから敵と戦う時に備えて少しずつ練習してたんだ。まだ成功した事ないけどね」
「スカーズ、地盤沈下を起こして敵を一気に地面に埋めてしまうんだ。これが出来ればかなり戦える」
回想の最中少し地面がぐらっと来た。
でもこれは偶然だと思う。
「あきらめないぞ! 地震と地盤沈下を身に付けるんだ」
今度書き直す場合強いスキルに使用制限設定を付けようと思います。雷などの上級審術を時間などの一定条件下で使える、みたいにします。




