激闘続行
2024年7月19日改稿しました。
「よし! 行くぞ」
俺は今度は上手く真ん中に当たるように念じた。
しかし、確かに黒雲は集まり始めている。
でもすぐさま雷は来ない。
やっぱり、そんなに甘くないよな。
おっと、弱気になっちゃいけない。
その時空でゴロゴロと音がし始めた。
俺は確信した。
「今度は行けるかも!」
でもロミイは言った。
「あいつ火炎を吐くため力を溜めてる!」
「それならなおの事急がなきゃ!」
しかし、この焦りが失敗を生んだ。
「あっ!」
雷は落ちた、でも駄目だ。
さっきよりも小さな雷が足元に落ちただけ。
効いてなさそうだ。
と思うのもつかの間、今度は俺の番とばかりに物凄いドラゴンの炎がドドオンと飛んできた。
音もひどく恐ろしかった。
「げっ!」
凄まじい威力。
まるで神、いや悪魔的破壊力。
ワーグは言った。
「これが魔王の力を得たドラゴンブレスだ」
炎は黒く赤かった。
地面が一直線に削れ焦げた。
三十メートルは離れてるのに。
現世でミサイル撃ったらこんな感じかも知れない。
うかつに突撃したら今ので全員やられていただろう。
何とドラゴンはしゃべった。
「これが黒と赤の炎を結合した紅蓮暗黒炎よ」
ロミイは言った。
「私の解析装置だと四万度はあるわ」
「四万度だと⁉」
次の雷は外せない。
俺の力だけで決められないけど。
でも賭けるしかないんだ。
「まだパワーが溜まってないのに!」
二発目が飛んできた。
地獄へ引っ張りこむ悪魔が大砲の姿で迫るようだった。
「わっ!」
「わっ!」
皆かつてない恐怖を感じた。
爆弾投下の下で逃げ惑う人の様だ。
しかし、恐怖と本能が手伝い必死に何とか伏せたりして皆かわせた。
そして今度は本当に丁度良く上手く雷エネルギーが溜まった。
「今だ! このチャンスを!」
ところが
「させぬ!」
と初めてしゃべったゴーレムは地震を起こした。
これで俺は体勢を崩し転んだ。
「あっ!」
雷があさっての方向に飛んでしまった。
「くそ! 力を溜めたのに!」
この戦い方で本当に良いのだろうか。
あのゴーレムは知能が高いのか俺の稲妻を察知して地震を起こした?
それなら、逆の発想で接近戦に持ち込むとか。
「スカーズ、接近戦に持ち込もうなんて考えてんじゃないだろうな」
アローザーが言った。
「やけっぱちの策は本当に強い奴ほど効かないんだ」
またゴーレムが地震を起こした。
「あいつ俺に精神集中させないとしてるんじゃ? なら俺も地震だ!」
今度は上手く行き、俺の地震とゴーレムの地震がぶつかり合う。
「ひえええ!」
生き残りの兵達は恐れた。
地震対地震。まさに天変地異。
こんなのはエクスド兵も予期していない。
彼らも逃げ出す準備をする程だ。
地形は音を立て壊れて行きドラゴンの体勢も少し崩した。
「チャンスだ!」
俺は更に精神集中した。
すると二発も雷が落ち直撃できた。
「やった!」
しかし俺の気持ちを嘲笑う様に今度はドラゴンは飛び上がった。
空を舞う巨大な悪魔のように。
その姿を黒い影として地上に落とす。
翼長は二十五はある。
これまで割りと小さな魔物とばかり戦ったから、皆まるで違う世界を見てるみたいなんだ。
「飛びやがった」
しかも速い。
「近づいてくるぞ」
ぐんぐんちかづく、時速六十キロメートル程か。
「はあっ!」
ロミイが火の玉で迎え撃った。
あれを正面から迎え撃てるのは今のロミイくらいかも。
しかし、あまり効かない。
「あんなデカイ火の玉かよ」
ドラゴンはまず突風攻撃で俺達の体勢を崩しにかかった。
「体勢崩しに来てるんだ。頭も良い」
さらにそこから火炎放射。
「また来た!」
地面が貫かれるかの様に穴が空き焦げる。
まるで大地に注入するかの様に。




