空っぽだった信念
2024年7月18日改稿しました。
「うおおお!」
気迫で殴りかかる俺なんだがハーゲンダッシュは素手の戦いも俺より強い。
カウンターを見事に食った。
構えなおすハーゲンダッシュ。
「うおお」
エアカッターを放った俺だったが全て素手で撃ち落とされた。
「くっ!」
俺は少し早いが太陽神の力で光を投げつけた。
しかしこれもガードされてしまった。
ウォレンが言った。
「強すぎる……」
ハーゲンダッシュは聞いた。
「お前が転生前はただの人間?」
「そう、しかも異世界来てから打ち明けたのお前が初めてだよ」
「! 何だと⁉ 仲間にも言っていないのに何故俺に言う?」
「何となくだよ」
「何となくだと? 俺はお前を殺すつもりなんだぞ」
「分かってるよ。でも全部がそうじゃない気がして」
「何⁉」
「ちょっと道を誤っただけだろ? 君も神なんだから」
「俺はお前よりずっと強いがな」
「でも信念は俺の方が強いけどね」
「!」
ロミイも言った。
「そうよ! 貴方と違いスカーズさんは皆に信頼されてるわ」
「信頼……? 俺だって十七で年上の部下が大勢いるがな。俺の力で」
「あんたは『人を殺す為に生きてる』って言ったけど、随分薄っぺらい理由だね」
「黙れ!」
俺は殴られた。
「挑発に弱いな」
「それ以上言えば殺すぞ」
「自信がないからぐらつくんじゃないか? 俺は運が良かっただけさ。あんたは軍に育てられて人の殺し方ばかり教わったんだろ? 俺だってそんな環境にいたらおかしくなるさ。だから俺を育ててくれた母さんの願いに応えるんだ。死んでもな!」
「貴様は弱い!」
「あんたなら俺を殺すのわけないけど、魂までは殺せないだろ」
「!」
遂にハーゲンダッシュの怒りが爆発し俺の貫通された腹に肘打ちをぶち込んだ。
貫かれるだけでもとてつもないのに、もう一発だ。
死を超えるような痛みだ。
でも俺は。
「まだ立つのか? それ以前に悲鳴すら上げないとは」
その時稲妻がついに落ちてきて俺を直撃した。
「さっき呼んだ稲妻が今落ちてきたんだ」
ぐうう!
俺の体が稲妻を隅まで吸収した。
「うおおお」
雷をまとった渾身のパンチを食らわせた。
さらに
「空、大地、雷、太陽の力!」
俺はパンチを食らわせた。
それでもまだ倒れないハーゲンダッシュ。
「至近距離からの稲妻エアショットだ!」
これがハーゲンダッシュを貫いた。
「馬鹿な」
俺はぼろぼろになりながら駆け寄った。
「今からでも遅くない。あんたには理想郷に来る資格がある」
「しかし」
アローザーは言った。
「お前は情けをかけられたんだ。従った方がいいぜ」
ハーゲンダッシュは意地と悲しみが同居した顔で絞り出す。
「俺が折れれば今までの生きた理由が全て否定される」
「あんたはずっと『これは違う』と思って答えを探してたんじゃないのか?」
「!」
「だから挑発されるとすぐ切れるんじゃないか」
「そうだな。俺は弱い人間、嫌神だ」
ついにハーゲンダッシュの顔が穏やかになった。
「死ぬな! 心臓マッサージだ! 改心したんなら死なせない! 死が改心と同時なんて悲しすぎる!」
ロミイは言った。
「スカーズさん……」
「待てい!」
そこへ現れたのはゼッツリオンとミッキード、そしてロベイアンだった。
ロベイアンは右腕がマシンガンになっていた。
ハーゲンダッシュは胸を銃で撃ち抜かれた。
「……!」




