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憎み切れない同族

「貴様がスカーズか、話は聞いているぞ」

 ぞっとした。


 同い年と思えない冷たく重い話し方と雰囲気。

 びりびりと皆にも染み渡る。


「俺は同じ神族だが容赦はしない。ここで冷酷に殺させてもらう」

 はっとした。


 殺すと言う響きがこいつほど嘘なく聞こえたのは初めてだ。

 本当に躊躇なく人を殺してきたみたいだ。


「さて、スカーズから殺させてもらう」

 それをアローザーが制した。


「そうはいかないぜ。まずは俺が相手だ」

「……」


「行くぞ!」

 アローザーはハーゲンダッシュに切りかかった。

 全く視線を動かさないハーゲンダッシュ。


 剣は左斜めから入った。

 しかしこれを最小限の動きでかわすハーゲンダッシュ。


 いや体だけじゃなく、目がそもそも最小限にしか動いていない。

 その雰囲気にアローザーは押された。


「くっ!」

 何とかハーゲンダッシュの表情から変えようと攻めるアローザー。

 しかし胸の少し上水平切りや右六十度への袈裟切も剣で受けられた。


「何⁉」

「雑魚が」

 雑魚と言う言葉が冷酷に響いた。


「なら俺が」

 今度はウォレンが切りかかる。

 

 同様に左七十度、左下からの切り上げ等の攻めを見せたが受け止められてしまった。

「ぐっ!」 


「これでいいだろう。スカーズ、来い」

 ウォレンが言った。

「よせスカーズ! お前はまだ剣術が強くない。こいつに剣で挑むな」


 ハーゲンダッシュは言った。

「いいぜ、剣じゃなく得意の神術で来い」

「よし」


 俺は構えた。

 まるっきりハーゲンダッシュには隙が感じられない。

「エア・カッター」


 一発目はまるで紙を落とすかの如く切り払われた。

「ぐっ、なら」


 俺はこめかみと右手に羽根を出し、空の神の紋章を額に出した。

「これが本気エアカッターだ!」


 一挙に十八発のカッターがハーゲンダッシュに飛ぶ。

 しかしこれも簡単に切り払われた。


「そ、そんな」

「他に無いのか?」


「なら、エアショット!」

 ありったけの今の力を込めた。


 ハーゲンダッシュは今度は剣でなく両手で受け止める。

「ぬおうっ!」


 何とはじいてしまった。

「ぐう」


「これでもしかして終わりか?」

「……」


「俺は聞いている、お前は地震や雷も起こせるんだろ?」

「あれは自分の意思で呼べない」


「どうやったら呼べるんだ?」

「例えば感情が高ぶった時とか」


「そうか」

 まさに一瞬でロミイはハーゲンダッシュに切られた。


「きゃあっ!」

「ロミイ!」  


「例えば仲間がやられたりした時とかか?」

 俺はロミイの肩を担いだ。

「ロミイ、回復薬」


「おい、その女に回復薬なんか飲ましてる場合か。勝負の最中だぞ」

「お前は嫌な奴だが出来れば戦いたくない」


「何?」

「同族だからだ」


「俺は理想郷なんて興味ない。あるのは殺人だけだ」

「お前は元々神なんだろ? 道を踏み外しただけなんだろ?」

「ふっ、ははは!」


 仲間の兵達が言った。

「ハーゲンダッシュはお前らと生きてる世界が違うんだよ。優しさとか笑わせるな」

「俺は君を殺さないぞ」


「俺が殺すと言ってもか」

「……」

「よし、何でもいいお前の攻撃何でもあと一発受けてやる」

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