暴力と自制と英雄死
2024年7月28日改稿しました。
俺は上長に圧し掛かった。
そして何発も殴った。
「うおおお!」
もう完全に我を忘れた。
何故か分からないけど両親が殺された時以上に。
それが何故なのか考える自制心すら俺にはなかった。
人生最大の怒りだったと記億している。
「工場長様!」
「おっと、俺も切れないと!」
アローザーもかなり怒って警備員の奴らに暴れまわった。
でも俺よりまだ冷静だと思う。
労働者はアシュランに駆け寄った。
「あんたは軍を裏切ってまで私達を助けてくれた。その上無償で」
「気にするな。俺もエグスド軍に居たくなくなってた所だ。最後に裏切ってあんた達を助けられて良かっ た。俺みたいな小物にはそれくらいしか出来る事はない」
アローザーに後ろから殴りかかった警備員を後ろからさらに労働者が殴った。
「僕達だってもう背中を丸めてばかりじゃない!」
「この作業場だけじゃない。クロード人の人権を勝ち取るために立ち上がるんだ!」
上長は俺に言った。
「小僧、さっき理想郷がどうとか言ったな。何の事か分かれば許してやるぞ」
ドカッと俺は上長に無慈悲な蹴りを入れた。
こいつ本物のくずだ。
そこへウォレン、ティル、ロミイが来た。
ウォレンが言った。
「止めよう、この辺で」
アローザーは言った。
「俺はもう歯止め効かないぜ」
ウォレンは言う。
「もしこれ以上やれば矛先がクロード人達に怒る」
「俺がそれでも倒してやる」
「子供みたいな事言うな」
俺ははっとして上長を殴るのをやめた。
「俺ももうやめるよ。問題はいかにクロード人さん達の達の差別を消すかなんだ」
「これ以上やると罪が大きくなるんだ」
俺は言った。
「俺は捕まってもいいよ。でもクロード人さん達が不利になるそれだけは避けたい」
アローザーは言った。
「分かったよ俺もやめる。暴力以外の戦いが大事なんだよな。これから長くなりそうだけど、でも俺はクロード人さん達の味方だぜ」
警察が来て作業所の悪事は暴かれた。
しかしこの一件は非常にやばい。
俺とアローザーのした事を上長が黙っている内は良いけど。
やっぱり理想郷に行くのを急がないと。
そしてアシュランはクロード人達によって弔われた。
労働者達は手を合わせた。
「あなたの死は無駄にしません。きっといつかクロード人の人権を勝ちとってみせます」
俺は言った。
「俺は差別と戦ってる気になって何も知らなかったんだ」
アローザーは言った。
「俺もエクスド軍だからった疑って恥ずかしい。『人を信じる事は』なんて偉そうに言える分際じゃないんだ。これからは思い上がりも偏見もなくすよ」
アシュランに頼んだおじさんは言った。
「彼は英雄死かも知れません。しかし私はそう言いたくない。彼も犠牲者なのです。そして私達と同じ人間です。貴方達も必ず理想郷に行って下さい」




