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詩[思索]

緑の塗り絵師

作者: 日浦海里

目にした景色を踏み固めて

緑色に塗りつぶしていく


一歩一歩確実に

踏みしめて、地を固めて

ほんの少しの気怠さと

ほんの少しの痛みを伴って

ここも、あそこも塗りつぶしていく


ここはもう見知った景色

ここから先は見知らぬ景色


目の前にある見えない境界

踏み越えた先は見知らぬ世界


けれど踏みしめたその瞬間から

知らなかった景色は過去に

塗りつぶされた景色は現在(いま)


びゅんびゅんと通り過ぎていく人と影

いつもの場所をいつものように

当たり前として歩いてる


彼らの目前に広がる景色は

一体どんな色をしてるんだろう


緑色に塗りつぶしていく

僕が景色を踏み固めてく


目にした記憶は記録になって

過去へ過去へと蓄えられてく


朝も昼も夜もその先も

固めて固めて(みどり)の色に


明日目にするその先も景色も

全部全部塗りつぶしていく


いつかいつか緑に還して

全部全部を青と(あお)

あるべき姿とはなんだろうか

それは誰にとっての

あるべき姿なんだろうか

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― 新着の感想 ―
[良い点]  毎日毎日さまざまな感情を伴って、見知らぬ明日へと時間は過ぎてゆきますよね。  「今」から後は見知った世界。「今」から先は見知らぬ世界。「僕」が固めてゆく緑色は「僕」だけの色で、それでもお…
[一言]  歩行者用信号機の緑が語っているのかしらと思うも、まるで廃墟に根付く蔦草や雑草や苔が浸食して行き人工物が自然に飲まれて行く様を聴くようです。  あのゲームだったら、とか思うとなえますが…(笑…
[良い点]  なんとなく、日々をただ懸命に生きているような。  そんな印象を受けました。 [一言]  緑と碧。  青と碧。  同じ読みでも違う色。  違う色でも同じ文字。  でも、はっきりどう違うの…
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