嫉妬、またか。
短めです。
「いゃ〜強かったな。あのお爺さん。」
「本当だな。あの後、孫に呼ばれたとかで一瞬で居なくなったからな。」
これから、戦闘だ。と言う時にお爺さんは慣れない電話を扱いながら、孫に呼ばれたと言われて、スタコラと一瞬でどっかにいった。
「で、力!?なんでアンタは私たちが来るのを邪魔したのよ!?」
そう言って、少女から大男に変化した力に凄い剣幕で説明を要求する少女達の姿があった。
「はぁ?!どう言う事だよ!力!それなりの時間経っているのに全然綾香達が来ないと思ったら、そんな事をしていたのか??!」
「そうだけど、何か?」
力は悪びれることもせず、当然のことのように言った。
「何かじゃないわよ!何なのよ!あのトラップ!」
綾香と呼ばれる少女はさっきよりも怒り出した。
「引っかかる方が悪い。それに友はちゃんと来たぞ。」
確かに友はトラップなんてあったか?と思っていた。力は友より先に現場に来て化け物を倒し、その後もあの爺さんと戦っていた。
だから、まだ魔法を使えない力ではどうやっても友が通った後にトラップを置くことなんて出来ないのである。
「当たり前です。あれは知っていないと分からない。トラップです。友さんにはわかるはずがありません。気づくわけもありません。」
「千歳、何気に俺が無知だと貶してない。」
「あっ、いえ、私が言いたいのはそう言う訳ではなく……」
気づかずに友を無知だと言った。千歳と言われる少女はその事に気づいて慌てていた。
「大丈夫だ。友。お前があまり賢くない事はみんな知っている。」
「力!何のフォローにもなってないよ!」
力と友が二人で話し始めた事で、また、少女達の機嫌が悪くなり出した。
「ちょっと力!まだこっちに対しての謝罪はないんだけど!」
「まぁ、まぁ、綾香も落ち着けよ。そもそもどんなトラップだったんだ?」
友が綾香達を宥めながら、話を逸らし出した。長年の付き合いから力が謝罪する事はない事を知っていたからだ。
「ポスターに暗号で魔物の能力で迷わされている。こっちに出口がある。監視されているから。ここからはポスターなどで案内するから。注意して進んでくれ、って書いてあるのに、透が気付いたのよ。」
「完璧に騙された。」
綾香の説明に対して、改めて騙された事に落ち込んだボーイッシュ少女の透である。
「しかも、またその暗号が難しいのよ。透じゃなきゃ絶対気づかなかった。」
「当たり前、あれは古代エジプトで使われた暗号を今風に改良した物、どっちにも精通してなかったら、無理。」
「そんな、面倒な事してたのかよ。」
余りにも用意周到なトラップに驚きを通り越して力に呆れる友である。