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真紅の果実と玉虫  作者: 神咲凛月
3/10

myth.2 新たな仲間

どうも、作者です。

今回はmyth.2ってことで、沢山のキャラクターが増えます。

myth.1の再会の続きなので再会するキャラクターもいます。


最近またアニマギアってのにハマりましてね、結構かっこいいのが作れて満足満足って感じです。

myth.2 新たな仲間


僕、ソールはついさっきイヴ様と再会したばかりだ。

先程の戦闘の間にイヴ様から塔に新しい仲間がいると聞いて心が踊っている。どんな子がいるのだろう、あの塔に身を寄せるということは何かしらの事情があるのだろう、あそこはそういう場所だ。


「みんなー!ただいまー!」


イヴ様が大きな声で扉を開ける。

見るとそこには懐かしい顔から初めてみる顔まで、様々だった。

綺麗、というより可愛いが似合う緑の瞳の女の子、筋肉ムキムキで身長は僕より少し大きいくらいの男の人、そして僕よりも強い魔力のオーラを発している赤と緑のオッドアイで前とは随分雰囲気が違う夜人にイヴ様の妹のしきさんもいた。

イヴ様とは対照的にしきさんは赤みがかった茶髪で瞳の色も緑で身長はイヴ様よりも高かった。それと狐が1匹。


「おかえり姉さん、それにソールも。」


しきさんはそう言うと僕にハグをしてくれた。

懐かしい、この場所で過ごしたあの日々がまた、止まったままのペンがまた動いてくれると思うととても嬉しかった。


「そうだ、父さんにはもう会った?」


しきさんはハグをしながら聞いてきた、ついさっき会ったばかりなので「うん」と答えると、しきさんは途端に笑いだした。


「あっははは!あの人ずーっとソールの話してたのに、その反応からしてすっごく素っ気なかったでしょ!」


と、大爆笑。

それに釣られてみんなも大爆笑。

すると笑い声が気になったのか奥の方からアダム様が出てきた。


「あ、久しぶりだね、ソール。」


ふにゃっと笑うと僕の頭をよしよしと撫でてくれた。

大きな手が僕の頭を包み込んでくれる。とても安心できる、こういうのを幸せと呼ぶのだろうか。

後ろからの視線が凄いが、まぁ今はこの時間を堪能するとしよう。


「それで後ろの方達は?」


後ろにいるとすればドライグ達だ。

たしかに本来ならこの世界より一つ上の世界にいるはずだから不思議に思うのも無理はないかもしれない。

そうなると父様がこっちにいるのもだいぶ不思議な話になると思うけど。


「俺はドライグ、装甲龍族のイビルゾンテ家の長男だ。」


ここで僕も初耳の情報が飛び出してきた。

イヴ様とアダム様も驚いているようだった、他の皆はよく分かってない様子だ、因みに僕もわからないサイド。


「イビルゾンテ家って、装甲龍族の中でも相当上位にあるお家よ!?それの長男ですって!?」


「これは驚いたね……。」


どうやらドライグはすごいお家の出らしい。

今までそんなこと言ったことなかったのになんでいきなり言ったんだろ?


「はぁ……別にそんなすげぇもんじゃねぇよ。」


ドライグの顔がすこし曇っている。

もしかしたらあまり自分の家をよく思ってないのかもしれない。


「ほら、俺の事はもういいだろ?」


ドライグは早く終わってくれと言わんばかりに次の奴は誰だ?と皆を急かした。


「すまない、その……装甲龍族とはなんだ?」


奥の方から手を挙げて発言したのは筋肉ムキムキの人だった。

周りを見ると緑の瞳の女の子も同じように頭に疑問符が浮かんでいる様子だった。


「あ、そっか……たしかにこっちではあまり見ないよね。」


イヴ様が二人に説明をする。


「装甲龍族っていうのはね、この世界より一つ上の次元の世界に存在する種族のことで、所謂龍よ。」


「龍ってお話でしか聞いた事ない……。」


緑の瞳の女の子がドライグをキラキラした目で見ている。

本当に初めて見たのだろう、それぐらい珍しいことだ、龍が下の世界に降りることは。


「おい、俺はもういいだろ?」


ドライグはそう言って後ろにさがっていった。


「はいはーい!俺はアルビオン!アルビオン・ドーデン!アルビオンって呼んでくれよな!」


白い龍、アルビオンが元気よく自己紹介をする。


「アルビオン、お前ってほんとに……うん、馬鹿っぽいよな。」


ドライグがアルビオンに罵声を浴びせる、


「なんで初対面にそんなに馬鹿うるせぇ声で自己紹介出来るんだか、マジで理解出来ねぇ、恥ずかしいとか思わねぇのかよ、腐ってもお前龍だろーが。」


ど、ドライグ……そのへんにしておいた方が……。


「んだとこら!お前が静かすぎるだけだバーカ!大体なぁ!こういうのは第一印象で決まるんだよ!最初が元気だったら印象いいだろーが!」


「はっ!ちげぇなぁ!最初は大人しめに行った方がいいんだよ!お袋に教わんなかったかぁ?」


「あ、そうだったなぁ!アルビオン、お前はお袋いねぇんだったなぁ!」


あぁ、いつもこうだ、些細なことでいつも喧嘩をする。

本当は二人ともお互いのことを大事に思っているのに。


「ドライグてめぇ!外でろや!今日こそぶっ潰してやんよ!」


「あぁいいぜ!返り討ちにしてやんよ!」


二人は外に出ていってしまった。


「あ、あれは大丈夫なの?」


緑色の瞳の子が心配して聞いてくる。

優しい子なんだろうな、さっき会ったばかりのドライグ達を心配してくれるなんて。


「別に放っとこうぜ、どうせすぐボロボロになって帰ってくるだろ。」


「自己紹介の途中だったな、俺はアーク、アーク・ボトムだ、ドライグみてぇに王族の出身じゃねぇが、実力は保証するぜ。」


アークは二カッと笑って僕の方に近づいてくる。

そのまま止まることなく僕の目の前に来ては人間態に変身しては僕の頬にキスをしてきた。


「それと、ソールは俺達のだからな。」


と、僕をぎゅうっと抱きしめながらイヴ様達に向かって言った。

別に誰のとかないと思うんだけどなぁ……。


「別に奪おうなんて思ってないわよ。」


「え、姿変わった……!?」


緑の瞳の子がビックリしている、アークが人間態になったのにビックリしたのだろうか。

人間態のアークは切れ長の目に青みがかった黒髪で僕よりもだいぶでかい、たぶん50cmは余裕で越えられている。


「僕は物じゃないよ!」


アークの手を引き剥がしてイヴ様の方に向かう。

さっきから空気が弾ける音が鳴っていてそろそろうるさくなってきた、外のドライグとアルビオンだろう、ディオスに目配せをして二人を止めるように促す、ディオスもそれに応えてくれて外に出ていった。


「っし、次は俺か?俺はアスク、アスク・ロールだ、よろしくな。」


アスクも人間態に変身する。

そのまま近くのソファにボスっと座っては足を組んで自分の膝を叩いてこっちにおいでと誘ってくる。

まぁ無視しておこう。


「あ、俺はネグロ……、よろしく……。」


「これって俺も変身しないといけない……?」


ネグロはそう言うと人間態に変身した。

濡羽色の髪が綺麗な青年の姿だ。


「よろしく、私はイヴ。」


「あ、アダム……です。」


イヴ様とアダム様が自己紹介をする。


「アダム、もっとシャンとしなさい。」


イヴ様とアダム様の力関係はイヴ様が上のようだ。

それにしても前に居た時にはあまりアダム様とは関わらなかったからちょっと緊張しちゃうな。


「アダム様……よろしくね。」


僕はイヴ様から離れてアダム様にハグをする。

アダム様もやっぱり僕よりは大きくて、僕を抱きしめてくれた。

やっぱり人に抱きしめられるのは好きだ、心臓の鼓動する音、暖かい体温が僕を温めてくれる。心も体も。


「おい、なにしてんだ。」


アークが僕をアダム様から乱暴に引き剥がす。

そのまま僕を抱きしめては僕の首筋にキスを落としてきた。


「あ、俺も自己紹介いいか?」


筋肉ムキムキの人が手を挙げて発言する。


「俺は狐森ユウマだ。えー……、よろしくな、ソール。」


「うん、よろしく。」


僕は笑顔で答えた。

彼からは僕の嫌いな匂いがするけど、それを顔に出してはいけないのであろう、それを顔に出した時点で僕は彼に殺されてしまう。

アークも、アスクも、ネグロも僕の顔を見て察してはいたけどみんな顔に出さずに僕を抱きしめてくれた。


「どうしたんだ?」


彼が僕の顔を覗き込んでくる。


「いや、なんでもないよ。」


僕はそう返すしか出来なかった。

彼は、彼は僕が思っているような人ではない、そんなことは分かっている。でも、それでも、彼の匂いは嫌いだ。


「あ、僕はルーノ、よろしく!」


緑の瞳の女の子はルーノと言うらしい。

彼女からは嫌いな匂いはしなかった。


「よろしく、ルーノ。」


「さ!今夜はご馳走よ!」


イヴ様が大きな声で言う。

イヴ様ってごはん作れたんだ……。


「い、いやイヴ!ご飯は僕が作るよ!」


アダム様が必死に止めてる、ほんとに必死だ、多分あれはイヴ様に作らせるとこの世の終わりみたいなやつが出来るんだろうな。


「え?いいって、私が作るから。」


「まって!ほんとに僕が作るから!君は座ってて!それかこの子達と遊んでてよ!ね?!」


うわー……、必死すぎてちょっと面白い。


「わかったわよ……、じゃあお願いね。」


「うん!」


アダム様は安堵の表情を浮かべてキッチンに向かっていった。


「なにしよっか?」


イヴ様がワクワクした顔で聞いてくる。


「とりあえず外の三人が帰ってきたら、考えようよ。」


と言って外の三人が帰ってくるのを待つ。

既に空気を弾く音は鎮まり、ディオスが二人を叱る声が聞こえる。


ガチャッと扉が開き、ディオスとその後ろに赤の龍と白の龍がシュンと肩を落として入ってきた。


「こいつらがすまなかったな。」


ディオスは二人の頭を掴んでこうべを垂れる体勢にした。


「「ごめんなさい。」」


二人は声を揃えて言った。

本当は仲良いのになんで喧嘩なんてするんだろ。


「貴方の名前は?灰色のドラゴンさん。」


ルーノがディオスに自己紹介を求める、灰色のドラゴンさんって言い方可愛い……。


「あぁ、俺はディオス、装甲龍だ。それ以上でもそれ以下でもない。」


「嘘だな。」


夜人が一言発する。

嘘、たしかにディオスはただの龍ではなかった。


「別に嘘はついてねぇよ、俺はただの龍だ。」


「まぁそういうことにしといてやるよ、俺は夜人だ、よろしくな。」


夜人はディオスに握手を求めた。


「おう、よろしく。」


ディオスも握手を返した。


「さてソール、今のお前の実力はどのようだ?」


本当に雰囲気が変わった、前よりも鋭くなっている。

それに、いない。いないんだ。彼女が。


「ねぇ夜人、あさ」


「それ以上言うな。」


夜人がすかさず言う。

まさか、いや、そんな……考えたくない、けど。


「朝日は……。」


「それ以上言うなと言っただろ!いいか、今度そんなこと言ったらいくらお前でもただで済むと思うなよ!」


夜人は僕の胸ぐらを掴んで僕を押し倒した。

その目には涙が浮かんで、僕の知っている夜人にすこし似ていた。

そのまま僕の首に付けてある首輪を掴んで耳元で「分かったな。」と囁いた。


「おいお前、ソール離せよ。」


アークが夜人に向かって睨みながら言う。


「ちっ。」


夜人は舌打ちして僕を掴んだ手を離して部屋の奥の方に姿を消していった。


「大丈夫か?ソール。」


アークが僕を抱き抱えては頬にキスを落とす。


「ソール、今のでわかったと思うけど、あの子の話題は極力出さないでね。わかった?」


あの子、朝日の事だろう。


「わかった……。」


僕は渋々納得した。




最後まで読んでくれてありがとうございます。

今回はソール視点でしたね。

今回は新たな仲間ということで、沢山のキャラクターが追加されましたね。

昔馴染みから初めて見る顔まで結構なキャラクター数になりましたね。

狐森ユウマ、彼からする嫌いな匂いというのは果たしてなんなのか!お楽しみに!


作者は全てのキャラクターを掘り下げ気はありません、というより掘り下げる時間が無いです。

ですがコメントでこのキャラクターを掘り下げてーなどがありましたらぜひぜひ書いてください、実現するかも!

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