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真紅の果実と玉虫  作者: 神咲凛月
10/10

myth.7 狂い

どうも作者でふ。

現在2021年5月4日なんと某韓国アイドルのDynamiteという曲にハマりました。

日本語の歌詞が好きです。

さて、第7話は 狂い ということでなんかこの字ってこんな形だったっけか?と思っております。

なにが狂いなのかは読んでからのお楽しみでございます

myth.7 狂い


「ちょ、これどうなってるの!?」


この状況で考えれることは一つ、この家は空の上にあるということだ。

そして今の僕は魔力を上手く使えない、ということは翼も展開出来ないということ。

つまり僕はここから出ることが出来ない、出たとしても地面にぶつかって即死亡だ。


「ここは空の上に浮かぶ家だよ、まぁ浮かぶっていうか雲の上に建ってるって言ったほうが正しいかな。」


「だから雲の上を歩ける。大丈夫だよ、落ちないから。」


僕は恐る恐る雲へ足を伸ばす。

僕の足に伝わる感覚はふわふわしているがしっかり芯のある地面の感覚だった。


「すごい!すごいすごい!僕、雲の上歩いてる!」


「ふふっ、可愛いねぇ。」


ウェザーに言われて途端に自分がこんなにはしゃいでいるのが恥ずかしくなった。


「か、帰る!」


と言ったはいいもののこのままこの雲から落ちたら今度こそ僕の命が無い。

危ないではないのだ、無いのだ。


「ここからどうやって帰るんだい?今の君ではここから降りることは出来ないだろう?」


うっ……、よくお分かりで……。


「さぁ、こっちに来なよ。」


ウェザーが腕を広げる。

この状況ではウェザーに頼る他仕方がない、これは仕方がないことなのだ。

僕はウェザーの腕に飛び込んだ。


「ソール、俺の事怖くないの?」


「どういうこと……?」


「ソールって竜人族(りゅうじんぞく)だよね?」


っ、どうしてそれを……。


「匂いとか、魔力とかでわかるよ、まぁ他の血も混じってるようだけど。」


そんなことまでわかってるんだ……。


「ってか、その反応だと俺の事知らないっぽいね。」


「えっと……。」


知るも何も今日が初対面だし、ウェザーなんて名前は聞いたことがなかった。


「いや、ならいいんだ。気にしないで。」


「え、気になるんだけど。」


そんないかにもなにかあるような感じで言われたら気にならないわけがない。


「教えてよ!ねーねー!」


「じゃあ俺の言うこと一個聞いてくれたらいいよ。」


「聞くから教えてよー!」


「わかったわかった。」


途中の話は聞いてなかったけどとりあえず聞かせてくれるらしいからやったぁ!


「俺は装甲龍(そうこうりゅう)の里の捨てた、所謂はぐれ者だよ。」


「ソールは竜人族だけど、俺のこと知らないんだ?」


里を捨てた?はぐれ者……?


「えっと……。」


僕が困惑していると後ろの扉が開く音がした。


「ソール!」


ディオスの声が僕の耳を突き抜ける。

それと同時にディオスの驚く声が聞こえた。


「お、お前は……。狂級(きょうきゅう)のウェザー・マッド!?なんでソールと!」


「……見つかっちゃったか。」


見つかった……?


「ちょ、どういう!」


「ソール、いつか君を迎えに行くよ。それまで、またね。」


僕の言葉を遮ってウェザーが言う。

ウェザーは僕にそう言い残しその場から霧となって姿を眩ませた。


「ウェザー・マッド……150年前里を抜けた狂級の装甲龍……。」


ディオスがなにかブツブツ呟いている。

150年前って、相当昔だけど……。


「ソール、何もされてないか?」


「う、うん……。」


求婚はされたけどね。


「よかった……。」


ディオスは安堵の息を吐く。

僕の肩を掴む手の力も抜けていた。


「帰ろっか、皆心配してるぞ。」


そっか、僕数日間皆に会えてないんだ……。

そう思うと途端に寂しくなってきて、今すぐにでも皆に会いたい、そんな気持ちが強くなった。

どうも作者です。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

やはりソールはモテモテということが分かりましたね、あとは今回出てきた 狂級 というワードは装甲龍族に関係するワードです。これも近いうちにディオスあたりが説明するんじゃないですかね、知らんけど。

作者は全てのキャラクターを掘り下げ気はありません、というより掘り下げる時間が無いです。

ですがコメントでこのキャラクターを掘り下げてーなどがありましたらぜひぜひ書いてください、実現するかも!

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