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101/135

101:かつ丼はまだですか?

誤字脱字報告ありがとうございます。

 ロッカールームの防犯カメラの確認をお爺ちゃん達に頼みました。

 そもそも高等部の、ましてや鳳凰学院の防犯カメラです、私達が見たいからと言って見れる物では無いのです。その為、鳳凰学院と色々繋がりのあるであろうお爺ちゃんに依頼をすることにしたのです。


「映像で怪しい人っていたの?」


 防犯カメラの映像自体は問題なくお爺ちゃんが手に入れてくれたのですが、問題はロッカールームに設置されている防犯カメラではピンポイントにお姉ちゃんのロッカーが映っていなかった事です。

 プライバシーとかの観点から、出入りのチェックしかしてなかったんですよね。その為、時間と出入りしている様子などで推測するしか無かったのです。


「うん、体育の授業中が怪しいと思ってたから、その時間限定で見ると怪しい人の出入りは確かにあった」


「ん? それなのに何で難しい表情をしているの?」


 授業時間中にロッカールームに行くのは余程の事です。

 ロッカーに忘れ物を慌てて取りに来るにしても、授業中に態々そこまでするだろうかと疑問に思いますよね。


「あのね、怪しい人は二人いるんだよね。一人は1年生の木村さん、高等部からの外部受験組の子ね。で、もう一人が近田先生、社会科の先生だね。問題は、二人の何方かかなと思うんだけど、どっちも怪しい事かな」


「そうね、佳奈が言うように、何方も不自然なの。近田先生は判りやすいのだけど、先生のロッカールームって此処じゃないわ。あと、木村さんは忘れ物を取りに来たにしては、中にいた時間が長すぎるのよね。だいたい15分くらいかな?」


 ちなみに、その二人は鉢合わせはしていないそうです。

 ただ、15分と言う時間が長いのかどうかは判らないけど、忘れ物を取りに来たと考えれば長いですよね。


「ひよりに映像を見て貰えれば何か解るかなってコピーを貰って持って来たけど見て貰っていい?」


「うん、まあ悪意を持っていれば判るかもだから良いよ」


 という事で、映像を見させてもらいました。


「う~~~ん、意外と精度が良いね。もっと映像の質が悪いのかと思ってた。あ、まずはこの人ね」


 そう言って映し出されたのは、明らかに成人年齢に達している男性です。

 ただ、この人なんで女子のロッカールームに?


「お姉ちゃん、これってそもそも駄目じゃない? 何でこの人女子のロッカールームに入ってるの?」


「うん、そうなんだよね」


「魔が差しちゃったかな?」


 二人も思いっきり苦笑を浮かべているけど、ただ思いっきりアウトだよね。

 それはともかく、問題はこの人が持ってるものだけど・・・・・・


「これってカメラだよね? でも、ロッカールームにカメラ仕掛けてどうするんだろう? 更衣室じゃないから何かを狙っての設置だと思うんだけど、目的が判らないし」


「うん、もしかしたら誰かのロッカーの暗証番号かも」


「そうね、それはありうるか」


 まあロッカールームで着替えないとは限らないけど、狭いしね。そう考えると暗証番号狙いかもしれないね。


「で、次が少し時間を送った後の、あ、ここね」


 画面に現れたのは、思いっきりオドオドした様子の女子生徒。

 うん、何となくだけど、誰かに命令されてやっているような感じだね。


「たぶんこの人で間違いないかな? でも、気になるのが、もしかしたらさっきの先生のカメラにこの人のやった事が映ってるかもしれない。考えすぎかもしれないけど、いざとなった時の生贄にする証拠?」


「え? そこまで考える?」


「別々の問題じゃないの?」


 お姉ちゃんや佳奈お姉ちゃんは私の意見に懐疑的だ。でも、この実行犯の子を今後も良い様に使う為にも、こういった犯行の映像を持っていれば遣り易くなるよね?


「別々のと考えても良いけど、あまりにもタイミングが良すぎないかな? ちなみに、この先生はカメラをいつくらいに取りに来たの?」


 お姉ちゃん達と映像を早送りして確認する。

 ちなみに、佳奈お姉ちゃんの携帯が無くなったであろう時間以降の確認はしていなかったので、この先生がカメラを取りに来た時間は判っていなかったんだよね。


「あれ? おかしくない? カメラ取りに来ていないよ?」


「まだ設置したままとか?」


 ずっと確認してみたんだけど、近田と言う男の先生がロッカールームに立ち入った映像は結局なかったのです。という事で、慌てて翌日にお姉ちゃん達がロッカールームを調べたんだけど、どこを探してもカメラは見つからなかったんです。


「これって、誰かがカメラ持って出た? もしかすると生徒の中にも更に協力者がいる?」


「そう考えると辻褄があうけど、それなら防犯カメラの映像を見れば明らかに怪しい近田先生が出てくるのはおかしくない?」


「一発アウトよね? 男の先生が女子のロッカールームに一人で入ったのです、言い逃れ出来ないわ」


 訳が分からなくなってきました。ただ、此の侭では何ともならないので、一つ一つ潰していくしか無さそうです。


「という事で、まずはその先生を押さえましょう」


「竹内さんに頼んだ方が良いよね?」


「うん、私達生徒だったら侮られるかもだけど、警察官だったらそんな事も起きないと思う」


 という事で、お爺ちゃん経由で竹内さんに動いてもらう事になりました。


 で、翌日に私達はなぜか竹内さんに呼ばれて警察署にいます。


「なんで私達が警察署にいるのでしょう?」


「まあ、竹内さんの呼び出しのはずが、なぜか強面のおじさんがいるので厄介ごとが起きたのかと」


「また厄介ごと? 勘弁してほしいんだけど」


 私達の目の前で苦笑を浮かべている竹内さん。ただ、その横の強面のおじさんは思いっきり苦虫を噛み潰したような表情をしています。


「一応、被害届が出ない事には我々は動けないのです。で、携帯の盗難の線で防犯カメラの映像を確認させてもらおうとしたのですが、なぜか映像記録が破損していてね。さすがに事前に頂いた映像を学校側に見せるわけにもいかないので、この映像入手の経緯をお聞かせ願いたいと」


「なるなる、建前って大事だね。それで、何があったの?」


 竹内さんの言葉に、まあ大体の前置きは判ったんだけど、本題は恐らく別にあって何かが起きたんだよね?


「簡単に言えばですが、お預かりした映像の近田修が死亡しました。昨日、自宅の玄関前で女子生徒に背後から包丁で刺され、そのまま失血死です。近田のパソコン内には盗撮されたと思しき映像が多数入っており、刺した女生徒の映像もありました」


「あ~~~、何となく先が見えちゃったんだけど、刺したのは木村さんかな?」


「未成年者の為、名前はお教えできませんな」


 あちゃ、たぶん色んな面で先を越されたかもしれない。

 お爺ちゃん達が防犯カメラの映像をどうやって確保したのかは判らないけど、恐らくはその動きを察知されていたんだと思う。


「その女子生徒の状態は? 下手すると自殺、または自然死するよ?」


 私の言葉にお姉ちゃん達も、竹内さん達も驚いた表情を浮かべました。


「何か知っているのか? 知っているならば教えて貰いたいのだが?」


 今まで黙っていた強面さんが、ここで漸く口を開きました。


「失礼ですがどなたですか? 私達の事はご存じみたいですが?」


「・・・・・・捜査一課の有賀だ。一応この件を任された」


 捜査一課っていうと事件とか追いかけている人達かな? ドラマでの知識しかないけど、私達の係わる事件で出てくるのは不思議ですね。


 そう思って横にいる竹内さんに何で捜査一課が出てくるのと視線で問いかけると、竹内さんの苦笑が強くなりました。


「まあそのなんだ、まだこれが超常的な事件とは限らないからね」


「成程、それでこの場にはまだお爺ちゃん達がいないのですね? あとで怒られても知りませんよ?」


「なに、たまたま其方からも聞きたいことがあるとの事で、タイミングが良かったからね」


 まあ竹内さんも一筋縄ではいかないようになってきましたね。昔はもっと素直な警察官だったと思うのですが。


「それで、君達は何をしっているんだ?」


 有賀さんはちょっとイライラしているようですが、まあこういった状況に段々慣れてきている私やお姉ちゃん達なので、二人に視線を合わせてどうしましょうかと問いかけます。


「端的に言えば、私が呪い殺されそうになったと言えば信じてくれますか?」


「おお、お姉ちゃん直球でいった」


 思わずそう言ってしまいましたが、竹内さんは手のひらで顔を覆いました。


「そんな与太話を信じろと?」


「だそうですが、竹内さんはいかがですか?」


「思いっきり納得しました」


「おい、竹内、お前何を馬鹿なことを言ってるんだ!」


 うん、何となくこの有賀さんはそう言った関係を信じない人っぽい気はしていました。

 あと、竹内さんは恐らくですが防犯カメラの映像や、包丁での殺人などで超常系ではないと勝手に思い込んじゃったかな? 世の中そんなに甘くないですよ?


「で、木村さんはきちんと保護しないと不味いですよ。裏にいる真犯人? でいいのかな? まあそいつは木村さんの口を封じたいと思っていると思います。お爺ちゃん案件ですね」


「考えたくないわね。でも、ひよりが言う通りだと思うわ。もっとも、その人以上に私達が邪魔でしょうけどね」


「あ、そうね、私も小春に賛成。たぶん私らも危ないわ。ここまでするとは思わなかったね」


 佳奈お姉ちゃんも顔を顰めています。まあ、実際に死者が出てくるとなると状況が変わりますよね。


「断片しか聞いていないのですが、貴方達は何に巻き込まれているのですか? または追いかけてるんですか?」


「う~ん、強いて言えば魔法的麻薬事件? ちょっと違うかな? でも、似たような感じだと思う」


「そうね、結構な金額が動いているみたいだから、そんな感じかしら?」


「麻薬って言うより洗脳とかじゃない? 常習性あるっぽいし」


 私達の返事に顔を思いっきり顰める竹内さんと、一気に無表情になる有賀さん。


「それが、鳳凰学院で起きていると?」


「おそらく? で、それに気が付いた私達を排除したい人達がいるみたい」


「それがあの防犯カメラの映像か、だがそうなると犯人若しくは更なる協力者がこの映像の中にいるのか?」


 有賀さんはどうやらカメラの回収の件にも気が付いているみたいです。そういう所って本当に警察って優秀ですよね。で、私達の表情から自分の見解が外れていない事も察するんですよね。


「女子生徒の保護にご協力いただきたいのですが」


「簡易のものならすぐにでも。でも、相手の実力が判らないから絶対じゃないよ?」


「それで構いません。今、保護者に連絡を入れている所ですが、ここの留置場に留め置いていますので」


 おお、精神状態がヤバい女子生徒を留置場にってどうなんだろう?


「とりあえずここの警察署に結界を張ります。どなたか着いて来てもらえますか?」


 私の申し出に、有賀さんが名乗りを上げましたので、一緒に警察署の周りをお散歩です。

気が付けば40万文字に達しました。

その割に話が進んでない気がするのは気のせいでしょうか?

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