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22:婚約式(リハーサル)



 貴族というのは、婚約するのも一苦労なのだな。目の前で繰り広げられるフライヤと仕立て屋のやりとりに、うんざりしながらリンダは三杯目の紅茶を飲んだ。もうお腹いっぱいだ。


 そういえば嫁も服を買う時はずいぶん時間がかかっていた。ファッションセンスなどないと知りながら「どっちが似合う?」と聞き、嫁が思った答えじゃないと怒るのだ。自分の中で決めているのならわざわざ聞かないでほしい。どっちも似合うと答えても怒るのだから女心ってわからない。


「お嬢様の御髪は見事な赤毛ですから、それに負けないドレスにしませんと」

「そうよねぇ、髪だけ目立ってもしょうがないもの」


 リンダのドレスなのに本人そっちのけである。もっとも、動きやすくて汚しても引っ掻けても気にしないやつ、と言った時点で運命は決まっていた。ドレスはそんな活発に動きまわることを想定していない。リンダの意見は黙殺された。


 リンダが同席する必要は無いような気もするが、やはり本人がいなくては話にならないのでこうして祖母と仕立て屋のトークを聞き流している。暇なのでお茶を飲むくらいしかできることはなかった。


 せっかくの夏休み。外は良い天気。リンダは遊びに行きたくなった。


「でも子供の成長は早いわね。入学前に仕立てたドレスがもうちいさくなってしまって」

「さようでございますわね。ですが今だけのお楽しみですわ」

「そうね。あと何年、お婆ちゃんと作ったドレスを着てくれるかしらね?」


 あと百年は生きそうな祖母である。リリャナが死んだときは今にも後を追いそうなほど憔悴していたが、プルートとリンダを引き取ってから生き生きしている。若さを吸い取っていそうだ。

 もちろんそんな思いは億尾にも出さず、リンダは笑顔を作った。


「お婆様の作ってくださったドレスはどれもお洒落で好きですわ。お元気でいてくださるなら、いつまでもお婆様のドレスを着たいです」


 百点満点の回答である。これにはフライヤもにっこり。仕立て屋もご機嫌になった。これぞ小なりとはいえ会社経営で培ったセールストークだ。


 実際リンダの意見を反映させるより、フライヤが前に出たほうがよほどまともなドレスになる。公爵夫人のファッションセンスは伊達じゃない。フライヤは社交界のトップレディなのだ。


「今お仕立て中のものは今週中にお届けできます。婚約式のものと、あと何着ご入用でしょうか?」


 馴染みの仕立て屋で融通が利くとはいえ針子の人数には限度がある。リンダはフライヤが答える前に慌てて割り込んだ。


「もう充分です。お針子さんに無理をさせていませんか?」


 自分のせいでブラック企業が誕生してはたまらない。リンダの様子に仕立て屋は「まあ」と感動した。


「お嬢様はおやさしい。もちろんです。うちは常時十人の針子を抱えていますが、今回のようにご依頼が立て込んだ時は臨時で募集しています。暗くなればジーガンディで明るくし、体調を崩したり、用事で休む時は有給休暇制度もありますわ。なにより体調を崩して手元が狂ってはいけません。従業員の健康管理には気を使っております」


 仕立て屋は自信を持って答えた。針子は魔法が使えなくても技術があればできるため人気の職業なのだ。おまけに流行が学べて綺麗な生地に触れる。腕が認められれば貴族の専属に指名されることもあった。


 ちなみにこの仕立て屋の期間限定パートタイマーは基本給プラス出来高だ。一線は退いたが腕に自信のある主婦層が小遣い稼ぎに殺到する。


「そうですか、良かった。あの、お針子さんにお礼を言っておいてください」

「ありがとうございます、お嬢様。ウチの子たちが喜びますわ」


 いやマジで臨時ボーナスくらい出すべき。リンダは夏休みに入ってから届けられるドレスの数々を思い出していた。未成年なので夜のパーティには呼ばれないが、茶会だサロンだ親戚回りだと引っ張り回されている。


 リンダの前世では婚約というと結納と両家の顔合わせ程度だったが、貴族となると一大行事だった。そして公爵家、ハーツビート本家の姫は同じドレスを着回すことなどできないのである。一張羅などもってのほか。常に分家をリードし続けなければならなかった。経済回してる感にリンダは末恐ろしくなったものだ。


「お婆様、お針子さんに差し入れしたいのだけど、いいかしら?」


 仕立て屋が帰った後、リンダがフライヤに訊ねた。


「なにか案があるのね?」

「うん。お針子さんなら飴とかどうかな?」

「飴ね……。涎が布についたりしないかしら?」

「棒付きの飴よ。集中してる時に歯を食いしばっちゃう人っていると思うの。飴がなくなっても噛めるものがあれば苛々しにくいんじゃないかな」

「そういえばいるわね、歯ぎしりする人」


 フライヤが店になにかするのは差しさわりがあるが、リンダ名義なら良い話ですむだろう。フライヤは素早く計算した。

 彼女は飴イコール虫歯の元を連想するくらいには歳を取っているが、今回の対象は針子である。ある程度の自制はできるだろう。それに女性の大半は甘い物が好きだ。棒付きの飴なら手が汚れることもない。子供にと持ち帰るものもいるだろう。


「まあいいでしょう。料理長に相談してみなさい」

「あれっ、棒付きキャンディないの?」

「飴に棒を付けるのは見たことないわね」


 じゃあ金太郎飴もないのかな。リンダは料理長に棒付き飴と金太郎飴、飴細工の話をしてみた。

 結果、棒付き飴は針子から一般庶民の間に広がり、金太郎飴と飴細工は貴族の間で流行した。さすがに金太郎の顔ではなかったが、色とりどりの花模様を付け、その可愛らしさが受けたのだ。飴細工は眺めて良し食べても美味しいとあって夜会などで使われるようになる。ハーツビートの面目躍如。おかげでフライヤの笑いが止まらない。

 リンダの名も貴族の間に広がり、ますますあちこちに呼ばれるようになった。


「ルーナ様がお考えになったという飴細工、先日父が持ち帰って来てくださいましたの。もう本当に綺麗で、わたくし感動しましたわ」

「わたくしは母が晩餐会で使いたいと言っておりました」

「こちらも模様飴も可愛らしいわ。ハーツビートの料理人は腕がよろしいですわね」


 きらびやかなご令嬢の賛辞に、リンダは笑っているだけで精一杯だ。

 リンダ考案の飴は特許こそ取ったがレシピは公開している。いずれ誰かが真似するだろうし、真似されたところでそれなりの技術がいる。ハーツビートの料理長と同じものはおいそれと作れなかった。


 ハーツビートの夜会では料理長が自ら客の前で飴細工を作ってみせ、大盛況となった。型を取ってそれに飴を流し込むのではなく、熱々の飴を粘土のようにその場で形作っていくのだ。なにができあがるのか、見ていて楽しいと評判だ。

 飴の温度は魔法で保てるが、まるで本物のように立体的に作るのはやはり料理人の腕と想像力にかかってくる。リンダもまさかこんな短期間で料理長が習得するとは思わなかった。料理人の根性に脱帽である。


「ありがとうございます。そのように褒めていただいてはかえって恐縮ですわ」


 リンダは全力で猫を被った。

 ぶ厚い毛皮の中では鳥肌を立てている。

 今日の茶会の趣旨はトリト側の親戚との顔合わせだ。リンダと同年代の子供が集められている。当然ながらハーツビート家の子供もいて、リンダは逃げられなかった。


 トリトの婚約者であるプルートはもちろん出席している。義父のノヴァも、鳥の巣頭を珍しく整えて服装も貴族らしくぱりっとしたスーツだ。

 黄緑色のドレスを着たリンダは真紅の髪が陽光に映え、息を飲むほどにうつくしい。十二歳でこれなら、と少年たちが未来を想像して生唾を飲み込んでいた。少女たちは一瞬見惚れ、リンダのうつくしさに嫉妬し、それからコロッと変わって媚びを売りはじめた。


 その変わり身の早さには覚えがある。お宅の旦那さん、お仕事はなにをされてるの? とあきらかに見下してきた、娘が通っていた幼稚園のママたちだ。どう見ても冴えないサラリーマンが実は会社の社長としって不倫を持ちかけてきたり、嫁や娘に擦り寄ってきたものである。もちろん相手にしなかった。


 ああいう女ってどこにでもいるんだな。リンダは現実逃避ぎみに思った。自分とそう変わらない歳で女のいやらしさ全開とか怖すぎ。笑顔が崩れないよう耐えつつ、リンダはトリトから離れないようにしていた。プルートもトリトの隣を譲らない。

 彼女たちの親がトリトよりも娘を、と言ってきたことを知っているのだ。そして娘も、美形のプルートを見てすっかりその気になっていたこともだ。


 そんな連中とまともにつきあう必要はないな、とリンダは判断していた。相手にすればつけあがるだけ。あんまり邪険にしてもトリトの立場が悪くなるので表面上はにこやかに接待する。一代で会社を興した男を舐めてもらっては困る。

 茶会が終了し、トリトも家に帰った後、フライヤがぷりぷりしながらぼやいた。


「あの人たちったら、うちの料理長を引き抜こうとしていたわ。まったく下品だこと!」

「引き抜きをしちゃいけないの?」


 スカウト禁止とか、やばくないか。より良い職場に転職するのも駄目なのかと聞くと、そういうものとは別だとフライヤは首を振った。


「他人の持ち物をねだるようなものです。褒められるのは嬉しいけど、それが使用人なんてお里が知れるわ。人を育ててこそ貴族でしょうに」

「ふーん……?」

「リンダ、あなたもハーツビートの子なら覚えておきなさい。迂闊に相手の持ち物を褒めるのはねだられていると思われても仕方のないものです。それだけの力があるのですよ」

「わかりました」


 なるほど「それどこで買ったの?」は許されるが「いいなー」はダメということか。たしかに、公爵家があれ欲しいと言えば余計な気を回した人々が持ち主に圧力をかけそうだ。


 大半の貴族は家族経営の会社みたいなものである。社員の家族まで顔見知りで、しかも終身雇用。若い頃から特性を磨いて仕込まれる。そこまで保証していたのに引き抜かれては笑い者だ。経費で資格を取らせたのに合格した途端に転職されるようなものだ。そりゃ下品だし腹立つわ。義理と人情は大切にするべきである。リンダは納得した。


「今日はよく頑張りましたね、リンダ。これなら婚約式も安心です」


 フライヤからお褒めの言葉をいただいた。

 そう、今日の茶会を逃げられなかったのは、なにもトリトの親戚が来たからだけではない。本番の婚約式でリンダがきちんとやれるのか、そのリハーサルだったのだ。


「顔が引き攣るかと思った。やっぱり社交は肌に合わないわ」


 リンダが頬を擦りながら言った。会社の飲み会なら慣れているが、それとこれとは別物すぎた。

 商工会での親睦会や付き合いのある企業のパーティに招かれたことがあったが、あれは情報収集と売り込みも兼ねていた。仕事の一種だ。子供が集まる茶会なんて退屈なだけである。


「クリーネ侯爵領は海が有名なんでしょう? 特産品の話とか、どんな企業があるのか知りたかったな。ああ、でも、船に乗った話は面白かった。トリト姉様にも星詠みの能力はあるのかな?」

「リンダは星詠みに興味があるのかい?」


 ノヴァが話に入ってきた。


「興味っていうか……」


 リンダは口籠り、気まずそうにフライヤとノヴァを見た。


「星が読めれば、夜に空を飛んでも迷わないかなーって……」


 今のところ夜更かしは禁止である。本当にベッドにいるかメイドが夜回りに来るので、こっそり抜け出すこともできない。リンダもまだそこまでするつもりはなかった。どうしても夜は眠くなるのだ、子供の体は。きちんと夜に寝かせないと子供の心身に悪影響だということも理解している。規則正しい生活を習慣づけることで子供は健やかに成長するのだ。ある程度体が育って、かつ自分の身を守れるようになるまで夜遊びは禁止。

 叱られるかな、とノヴァを窺うと、なぜか笑いを噛み殺した表情をしていた。


「星詠みっていうのは方角を見る能力じゃないんだよ。星の動きを見て、未来を詠む人のことだ」

「えっ? 星占い?」

「占い、うんまあそうだね」

「へえー。なあんだ、そういうのなんだ」


 リンダはがっかりした。しかし同時に納得もした。前世ではテレビでも雑誌でもとにかくどこかで占いをやっていた。どこの世界でも占い好きはいるらしい。


「リンダは占いが嫌いかい?」

「好きでも嫌いでもないかな。外れることもあるだろうし、占い師に言われたからって自分の生き方まで変えるのは違うと思うし。ものすごくのめり込むんじゃなければ個人の自由」

「リンダはそう考えるんだね」

「まさか、占いで人生決めちゃう人がいたの?」

「人というか……王家にはお抱えの星詠みがいるよ」


 ああ、とリンダはうなずいた。有名人でもそれで消えていった人がいた。


「それってやばいよね。偉い人が占いに振り回される姿を見られるのはダメだと思う。迷惑するのは周囲の人だよ。気をつけたほうがいいかもよ」

「……駄目かい?」


 戦争の是非や結婚が上手くいくかなど、貴族ほどことあるごとに占いをする。


「占いそのものがダメって言ってるんじゃないよ? 上手くいったら感謝して、ダメな時には責任押し付けられるもの。そのためにたっかいお金払ってるんでしょ? そうじゃなくて、権力者を操るタイプだとやばいけど。あと、はじめはとっても良い人だったのに、権力者が味方についてるからって調子に乗る人もやばい。人は変わるよ」

「そうか、そういう人いるね。リンダは賢いな」


 ノヴァに褒められて、リンダは照れくさそうに笑った。

 プルートとトリトの婚約も星詠みに占ってもらったが、むしろプルートにはトリトしかいない勢いで太鼓判を押された。プルートはトリトのおかげで大成するし、トリトもプルートとなら長生きできる。森の民と海の民が結ばれるのは星々にとっても喜ばしいことだとまで言われた。そういう祝福とおべっかをそれっぽく告げるのが占い師である。


 ノヴァは現王家であるマケドニウス家の星詠みがどういう人物か知らない。お抱えというのだから代々仕えているか、名家の出身なのだろうが、リンダがこう言う以上少し警戒しておいたほうがいいかもしれなかった。能力はあっても人格に問題があるのなら大事だ。


 リンダとプルートが寝静まった夜半、ノヴァはオービットとフライヤに相談を持ち掛けた。


「リンダのことですが、社交界に出すべきだと思います?」


 途端、オービットとフライヤが眉を寄せる。


 リンダのことは悩ましい問題だった。自由奔放だが場はわきまえるし、大人の振る舞いをすることができる。時にこちらがドキッとするほど鋭い発言をする。血は申し分ない上に魔力もある。社交界に出せばたちまち求婚者が列を成すだろう。なによりあの容姿だ。

 しかしそれがどう転ぶのかが読めなかった。リンダのことだから良かれと思って助言して、相手を激怒させる可能性もある。


「意外とあの子は好き嫌いが激しい。もう少し、学校で学ばせてからと思っていたが」

「賢い子です。人を良く見ている。今日の茶会でリンダのお眼鏡に適った子はいないでしょう」


 そこでノヴァはリンダとのやりとりをオービットに伝えた。フライヤも聞いていて同じことを考えたのか、うんうんとうなずいている。特産品や領内の企業を知りたがるのはなんにでも興味を示す子供ならあるかもしれないが、星詠みについての見解は独特すぎる。オービットは絶句してしまった。


「あの子なら社交界でも表面上は上手く立ち回れると思うわ。ただ、結婚となるとそう簡単にはいかないでしょうね。そもそも結婚したいと思っていないのではないかしら」

「殿下が身近にいますからね……。あれ以上の男となると、ちょっと」

「むしろあの殿下と同室で生活していて、恥じらいやときめきを覚えないほうがどうかしてるわ」


 フライヤがため息と共に言った。もうちょっと女の自覚が芽生えると期待していたのに気配もない。

 リンダの心には常に前世の嫁がいる。翡翠は親友というか子分扱いだ。


「しかし、リンダに東覇国の妃は無理です」


 ノヴァが力強く断言した。一度後宮に入ったら死ぬまで外に出られないところでリンダが大人しくしているわけがない。平気な顔して空を飛んで行って、何食わぬ顔して戻ってきそうではある。それだけでも問題だが、下手をすると後宮を破壊しかねない。制度的にも、物理的にもだ。


「そうね」

「そうだな」


 これにはオービットとフライヤも同意した。全員一致の意見だった。


「ノヴァは早めに社交界に出したほうがいいと思うのね?」

「そうですね。東覇国とラグニルドがどうなるのかはわかりませんが、リンダはハーツビートに留めておくには狭すぎる。今でさえハーツビートを繁栄させているんですよ。味噌と醤油、できたんでしょう?」


 オービットは悪戯っぽく眉をあげた。


「まさか。製法もわからんのだぞ。出来上がったのは味噌と醤油に似たなにかだ」


 魔法薬の大家たいかハーツビートの魔法使いは優秀だった。成分分析も分離も、熟成、醸造もお手の物である。本来ならじっくり時間をかけなければならないものも、新しく魔法を開発して婚約式に間に合わせてしまった。


「特許は取れないでしょうがリンダの言葉がヒントになったことは広めましょう。リンダの功績にするんです。東大陸の連中は面白くないでしょうね? 必ずリンダを狙ってくる」

「それを蹴散らせる男でないとリンダは嫁に出せないって言うのね? ノヴァ、あなたいつからそんなに腹黒くなったの」

「嫌だなあお母さん。これでもハーツビートの男ですよ」


 ノヴァが空色の瞳を細めた。普段冴えないノヴァが、そうやって笑うとずいぶん酷薄に見える。リンダの婿選別にかこつけてリンダの実力を見極めるつもりだ。


「……よかろう。どのみちプルートの婚約式には味噌と醤油を使うつもりだ。そこでリンダの発案だということをそれとなく話しておけ」


 その話がどうやって広がっていくかでクリーネ侯爵家の人脈を確認できる。誰にも言わないのであれば、それだけクリーネ家の危機管理能力が高いことが証明されるだけだ。どちらにしろ損はない。オービットはノヴァより数枚上手である。


「こうなると、婚約式のドレスを派手にしなくて良かったわね」

「ハーツビートの姫ですよ?」

「上品なものにしたわよ? でもリンダが、主役の二人より目立つのは絶対ダメって言い張るものだから、宝石は使わなかったのよ。世界樹の髪飾りは使うから、リンダだってわかるでしょうけど」

「そういう気づかいはできるんですよね、リンダは」


 不思議な子だ。ノヴァの呟きにオービットとフライヤがうなずく。

 目が離せない。面白いことになりそうだと三人は笑いあった。




だんだんと不穏な空気が……。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 東覇国の人は、普通に考えて翡翠殿下が、味噌や醤油の作り方を広めた(漏らした)と思うのでは? 噂から翡翠殿下の場所が突き止められると思われる。 今回の件で、確実に翡翠殿下が王になることは…
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