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妖精霊使いはのんき者 ~召喚勇者の日常~  作者: テトジジ
第一章 ~妖精霊使いが行く~
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1話 召喚されちまった

 今日もつまらない学校に通って授業を受けてたら、なんか目の前が光で一杯になって、気付いたらどっかの王城みたいな場所にいた。


 え?… 何が起きたん?と思ってたら偉そう人が喋りだした。


「お~!よく来てくれた異界の者達よ!」


 ワーワーとその周りの人達も盛り上がっている。

なにこれ?と思ってると説明が始まった。


「よくこれだけの人数が来てくれた! 総勢100人以上はいるな!

では失礼して…私がアルティメット王国の王である、アルトリメリア三世である! よく来てくれた勇者たちよ!」


 なんかドヤ顔で喋ってるけど、100人以上?が召喚されたとかで周りを見渡すと、ありゃ…ほんとにすんごい数の学生がいるわ。


 こりゃおれのクラスだけじゃなく学年全員が召喚されたみたいだ。

 しかしやっぱりあの喋ってるおっさんは王様だったか。

 そりゃ金ピカの王冠被ってるし、服も豪奢だしさー。

 そんで隣の若そうな女もすんごいドレス着てるから、王妃とかそんなんだろうな。


「あの~…勇者とかってなんですか?…それにここはどこでしょう?」


 ぼけっと考えてたらもっともな意見を言う、違うクラスのモテ男君が言ってくれた。

 モテ男と知ってるが話したことはないから名前も知らん人だ。


 そんな彼の言葉に召喚された生徒たちがザワザワし始めた。


「静まれ! これから国王様が説明の続きをなされる!」


 スラッとした鎧を来た細マッチョっぽい長身の男が怒鳴っている。

 あ~うるさいな~、ああいう奴嫌いだわ…


 陽キャとか熱血が嫌いなこちらとしては、もう異世界召喚のテンプレでしょ?と思うし分かるから、さっさとバレないうちに逃げようと準備を始める。


(こんだけいるから1人で消えた所でバレないだろ。 さて、どこから抜けるか…)


 王様が何やら話し始めたが、みんながそちらを見ているのを確認して、そそくさとその場を離れた。


(大広間?というよりかは、玉座っぽい場所だったな。 てか、ずいぶんザルだなここの警備は…)


 抜け出しといてあれだが、その広間を出たら外には誰もいなかった。

 それを良いことに、テンプレの行動を始める。


「ここは一つ、宝物庫とかを漁って金目のものや装備を頂いてトンズラしちまおう!」


 そうと決まればさっさとお宝を探しに城の探索を開始する。


 城と言うだけあって広い広い。

 だが人の気配が欠片もしない。多分、あの広間にほとんどの奴らが行ってたんだろうなーなんて思ってたら、地下に行く階段を見つけた。

 そこはぼんやりと薄暗く、何かありそうな雰囲気だ。


「しめしめ…こういうところに何かあるのがテンプレでしょ」


 誰もいないのを確認して階段を降りていく。

 そしたら行き止まり1つの扉があるだけだ。

 何かないかと扉を見たら、RPGに出てきそうな扉で、鍵が1つ付いてるだけ。


 そりゃ鍵くらい付いてるわな…と意気消沈。

 テンプレ通りに何か出来るわけもなく、開けられないことにショックを受けるが、まあ現実はこんなもんだよなと、鍵に触ってみる。

 すると…


「普通の南京錠みたいだな?…おっ?…光ったぞ? えっ!?」


 触った途端に鍵が薄い青色に光り出した。

 だけじゃなく、自分の手も光っている。

 なんだなんだと思っていると、鍵が光の粒になり、おれの手に吸い込まれた。


「おぉ?? なんだ?…なんともないよな?」


 一応異常はないか見てみるが何ともない。

 今のはなんだったんだ?と鍵を見てみるが、やはり鍵は無くなっている。


「よくわからんが、まあ鍵が無くなったんだから入ってみるかな?」


 鍵の無くなった扉を押すがビクともしない。

 ふんぬ~っと顔が真っ赤になるまで押すが開かずに終わる。

 開かんのかーい!と取っ手を引っ張ると簡単に開いてしまった。


「……うん、開いたな」


 今のはなかったことにして入ろうとしたが、中は薄暗く不気味だったので入るか躊躇してると、後ろの階段の上から音が聞こえた。

 おそらく巡回の兵士達だろうと勝手に予想して、やべっと思い、急いで扉の中に入って扉を閉めた。


 そこは6畳ほどの広さでほとんど明かりはなく、真ん中が薄青く光っているだけだ。

 その明かりの所まで行くと、台座の上に丸い玉が置いてあり、薄い青色に光っている。

 さっき見た鍵が光って消えた光に似ている気がした。


「なんだ?玉だけなのかこれ?」


 何も思わずにおもむろに玉に手を乗せて触れると、途端に光が強さを増し、一瞬だけ目を眩ませる。

 そのあとは光が分裂して何個かに分かれ、頭上をクルクル廻って、おれの体に向かってきた。

 少しジタバタするが光が体に触れる。

 するとそれらは形作っていき、頭に体に手にと、形作って何かに変わっていく。


 それにビクビクしながら体を確かめると、何やら着ているようだ。


「あ…あせったぁ~…なんだよこれ~」


 自分の体を見てみると、薄青い光を灯した鎧などの装備があった。

 よくよく見るとその装備はトロ(ぎゃく)の装備に似ていて、とてもカッコいい。


 ふぉぉおお~なんてマジマジ見てるとふと気が付いた。


 まだテンプレを試してなかったのを思い出した。

 すかさずステータスオープン!っと叫んでみる。


 するとステータスが目の前にパッと現れた。


「うおっ!? マジか!!」


 解ってはいたが、やはり異世界に召喚させられたのだと目の前のステータスを見ながら実感してしまった。

 そのステータスにはHPやら力やら装備やらが見えている。

 そこで装備欄には、青の勇者の装備と書かれたものが並んでいた。

 それらは兜に剣に盾、鎧、鎧下、小手、ブーツがあった。

 やはりトロ(ぎゃく)の装備に似ている。


 そこでステータスに目が行き、ちょこっとビビった。

 力や防御の数値は10という数値なのだが、その右の(+)の数値がおかしい。

 それらは10.000の数値が並んでいた。


 これは始まりの町でいきなり最終装備を手にした感じではないか?と思いニヤニヤしてしまった。

 きっとこの装備は異世界人にしか装備できないとか、召喚された人にしか装備できないとかじゃないかな?

 だから厳重ではないにしても鍵付きの扉の中に置いてあったんだろう。

 多分そうだろうな、この部屋は別にホコリ臭くなかったしな。手入れはしてたんだろう。


 という事でさっさと部屋を出て、今度は現金を見つけたいなと外に出てみると足音が聞こえてきた。


「やべっ この装備どうしたら消えるんだ!?」


 人の気配にビクっとしながら、この装備をしてる所を見られたら絶対に厄介事に巻き込まれるのは間違いないと、収納収納と念じてみると、装備が消えていた。

 そこで安堵したのもつかの間、人が来てるから急いで隠れた。


 ホッとしながら、さっさとこの城から出ようか?と歩いてたら、呆気なく見つかり皆のところへ連れ戻されてしまった。


 戻った俺はさっき怒鳴ってた細マッチョに怒鳴られていた。


『面白そう』『次も読みたい』


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