絆の証
「ジャショウ!いっぱい取れたんよ♪」
俺の気配に、気がついたサクヤの声がする。
小走りで、駆け寄ってきている様だ。
両手には、大きなアヤの実を持って……。
サクヤは、俺を見て、目を丸くする。
「でっかいんよ!」
俺の担いでる、ビックボアか……。
サクヤは、小さかったころと変わらず、近づき、恐る恐る、ビックボアを撫でる。
「ジャショウ。コカの葉も、蒼月草も……。って、ええ~~~」
シャルもこっちに気が付き、声を上げる。
俺は、苦笑し、ビックボアを下ろす。
「ただいま……」
「ジャショウ……。これって……」
「前のより、大きいんよ!」
二人は、ビックボアに乗り、はしゃいでいる。
「ジャショウ!またビックボア食べられる?」
「今日も宴会~?」
小人魚達が顔を出す。
「ごめんな~。今日は、仕事なんだ」
「え~~~。けち~~~」
「私達も食べたかった~~」
あやすサシャ……。
まあ、今度は、この子達の為に狩って来てやろう……。
「で、そっちの収穫は?」
俺は、サクヤとシャルを見る。
二人は、胸を張って、持ってきてたリュックを指さした。
鞄いっぱいのアヤの実……。
大ぶりで、熟しかかっている上物だ。
それに……。
薬草の束が……。
「短時間で、良く取れたな~」
「いっぱい、頑張ったんよ♪」
「良い木が有ったんです♪っあ!もちろん、全部は採っていませんよ?」
俺は、二人の頭を撫で、大八車を見る。
ビックボア乗らないな……。
無理やり乗せたら、壊れてしまう……。
担いでいくか……。
けど、その前に……。
「なあ、サシャ。ここら辺で、鉱石の取れる処ってあるか?」
「?鉱石?」
「あ、ああ。鉄とか……。ん~~~」
「大丈夫です♪分かりますよ。私の父は、鍛冶屋でしたから……」
「人間の?」
「ええ。父も、鉱石を求めて、此処には来ていたんです」
「あ、ああ。そうか」
「ジャショウさんも、鉱石が必要で?」
「ん~~~~。お世話になってる街の人がな」
「そうですか……」
サシャは、目を細め、懐かしそうに語る。
父との思い出か……。
何だかサシャ、嬉しそうだ。
「西の方の地脈は、鉄鉱石が多く含まれています」
「少しとっても?」
「大丈夫ですよ♪湖を広げるには、邪魔なものですし……」
「それじゃあ……」
「取る必要はありません!」
「えっ?」
「ノームが掘ってくれたモノに、それが有りますから……」
「でも……」
「うふふ……。この石は、父との繋がり。今度は、ジャショウさん達と……」
嬉しそうに笑うサシャ……。
石が無くったって……。
「そんなもの……」
「そんなもの無くったって、姉やんとの絆は有るんよ!」
「そうです!大切な友達です!」
俺のセリフが……。
サシャは、嬉しそうに笑っている。
「そうですね……。お友達……。ねえ、ジャショウさん?」
か、顔が近い……。
お願い止めて!
そんな事すると……。そんな……。
って、ああ~~~~。
両頬が……。
サクヤとシャルが、思いっきり抓る。
「ジャショウ?」
「ジャショウ。あ・か・ん・よ?」
ああ、ハイライトオフ……。
二人の目が怖い……。
サシャは、何を笑っている!?
何だよ……。結局、こうなるのかよ……。




