精一杯、今日と言う一日を楽しもう。
ギルドは、ごった返していた。
おっさん達の大宴会。
それだけじゃ無い、あの三人が居なくなった事を知った人達が、大勢……。
「はわわわ……。シャルちゃん!」
キリカが、半ベソを掻きながら、客の応対におわれている。
「キリカちゃん!」
「おお!小さな英雄達のお帰りだ!」
おっさん達……。
完全に、出来上がっておる……。
「ジャショウ!ぼうっとしないで!」
パニックたキリカをフォローし、シャルが、俺の肩を叩く。
「お、おう……」
「私は、キリカちゃんのフォローを。ジャショウとサクヤちゃんは、ウェーターやって!」
俺達は、荷物をカウンターの中に置き、手分けをする。
キリカは、相変わらず、謝りながら料理を。それを、シャルが手伝い始める。
俺とサクヤは、空いた皿やジョッキを、素早く回収していく。
「お~い!こっちエール!」
「こっちは、つまみを~!」
「つまみは何を!?」
「何でも良いぞ~!あっ!肉が良い!!」
まさに戦場……。
次々と出される料理……。
俺達は、手分けして運ぶ。
「お主達……。何をしたんじゃ?」
ギルムが、ため息を漏らす。
「何って……。配達の仕事?」
俺は、お道化て見せる。
「まあ、良い……。しっかり働いたと言う事か……」
ギルムは、空いたジョッキを突き出す。
「あんま、飲みすぎるなよ?」
「何時も通りじゃわい!」
どこか、嬉しそうだ。
俺は、ハイハイと手を振って、ジョッキを運ぶ。
いつも通りか……。
賑やかなギルド。
まだ冒険者は、俺達しか居ないが……。
こう言うのも、悪く無い。
「お~い!」
「はい!」
俺は、喧騒の中、足を運ぶ。
不思議と、疲れは無かった。
みんなの笑顔。
シャルもサクヤも笑っている。
いつしか、キリカも……。
やっぱ!悪く無いよな。こう言うの。
やっと、落ち着いて来たか?
途中、材料が切れかかり、急いで買い出しに行ったりもした。
みんな、へべれけに成りながらも、余韻に浸っている。
「お~い!」
「はい!」
奥のテーブルから声がし、俺は振り向く。
おっさん達のテーブルだ。
「ジャショウ!」
真っ赤な顔をさせ、ろれつの周らない口で、俺を呼ぶ。
「おっさん……」
「おう!どうだった?我らが商店街は……」
「おっさん達のお陰で、みんなと仲良くなれたよ」
中には、寝息を立てている奴も……。
俺は、苦笑交じりに、答える。
「ああ……。それで、その服……」
おっさんが、俺の服を指さす。
俺は、手を広げ、服を見せる。
「爺さんがな……」
「くくく……。爺に気に入られたか!」
「どうだろう?でも……。また来いって」
「やっぱ、お前は英雄だよ!」
「何で、そうなるんだよ?」
「爺の見る目は確かだ!その服、誰にも売らん!とか言ってたんだがな……」
「毛皮だけじゃ釣り合わないって言ったのに」
「どうせ、タンスの肥やしになってたもんだ!大事に使ってやってくれよ」
おっさんは、俺の頭は、クシャクシャに撫でまわす。
何か、嬉しい……。
「ザグメさん待ってるよ?」
俺は、意地悪く笑う。
おっさんは、こいつ!と言わんばかりに、俺の頭に乗せた手に、力を入れて来た。
こんな感じで、俺達の、冒険者としての一日が終わる。
楽しい、一日だった……。
幸福な、一日だった……。
明日はどうしよう?
食器を洗う、キリカ達……。
何をやるんでも、変わりはない。
精一杯、今日と言う一日を楽しもう。




