さあ帰ろう、麗しのわが家へ……。
もう、夕暮れ時……。
商店街に流れる人も、その色を変え、冒険者が増えて来た。
冒険者は、今日の戦果を引っ提げ……。
錬金術の素材になるもの以外は、基本、自分達で売りさばくらしい。
錬金術で出来るポーションは、その質を問われる。物によっては、命に係わるからだ。
だから、間に冒険者ギルドが入る。
一定の基準を達した素材が、薬屋に卸される算段だ。
他の物……。
毛皮や、肉……。
ある種の骨や鉱石は、直接、冒険者が足を運び、売ると言うモノらしい。
冒険者には、モノを見る目、取引の腕も必要である。
それだけじゃ無い。やはり信用も大切だと言う事か……。
おっさん達から貰った手紙……。
俺達は、利益以上のモノを手に入れる事が出来た。
帰り際、多くの店の人達が手を止め、俺達に声をかけてくれる。
サクヤとシャルは、満面の笑みで、それに応える
俺も、頭を下げ、時には、手を振って返した。
俺達も何時か……。
今度は、戦利品を持って、此処へ来よう。
ガルガト呉服店は、革と肉を……。
武器屋のおっちゃんには、鉱石を。
アクセサリー屋では、動物達の牙を所望された。
靴屋の兄ちゃんには、毛皮が欲しいが、革のなめしは、ガルガトの爺ちゃんが、この商店街……。この国一番だと言っていた。
ガルガトのなめした革は、艶やかで、光り輝いているらしい。
べた褒めだった。
だから今回の依頼の一つは、ガルガトの処から、毛皮を届けると言うモノ。
大八車いっぱいの毛皮を、靴屋に運んだ。
その中には、俺達の狩った毛皮も……。
ガルガトの手紙が添えられて、入っていた。
靴屋の兄ちゃんは、その手紙と俺達を交互に見て、にやりと笑った。
―ようやく俺の腕が活かせる!―
兄ちゃんはそう言って、俺の肩を叩いてくれた。
どこへ行っても、まあそんな感じ。
足取りは軽い。
「明日は、どうしようか……?」
黄昏の空に向かって、ぽつりと呟く。
「配達の仕事が有ったら、またやるんよ♪」
「果物屋さんのお婆ちゃんも、心配ですしね」
「ん!そうだな……」
繋いだ手は暖かく……。
夏場の暑さも気に留めず、しっかり繋いでいる。
ギルドが見えて来た……。
帰るべき我が家……。
昨日みたいにシャルも、足踏みしたりしない。
元気いっぱいに、扉を開く。
「「「ただいま!」」」
愛しき我が家。
麗しき我が家。
子羊の嘶き亭へ!




