絆
絆とは……。
良き友。
暖かな家族。
得てして、生涯の中で、どれほどの絆を結ぶ事が出来るだろう……。
人の生を、豊かにするモノ。
それが、絆だ……。
『ごめんね……。取り乱して』
ナビ子が、しおらしくしている。
明日は、雹か大雪か?
まあ、そんな事より、シャルはナビ子の加護を受けられないのだろうか?
一抹の不安を覚える。
『なあ、ナビ子……』
『大丈夫……。私の加護は有効よ』
俺の懸念が分かるのか、ナビ子は優しく笑い、言葉を付け足す。
『サクヤちゃん、今も私の声が聞こえるでしょ?』
『うん。よう聞こえるよ♪』
『ジャショウちゃんは、異邦の神……。いや、ちょっと違うのかな?加護とは、少し違う。その証拠に、私にまでその力が及んでいる』
『ナビ子にも?』
『うん……。神である私にも、ジャショウちゃんの加護が及んでいるの』
『それって、本当に加護なのか?』
神にまで及ぶスキル……。
本当に、加護なのだろうか?
俺は、まったく異質の物の様に思えてならない。
加護とは、言うなれば、傘下に置く事……。
違う!
俺は、そんな事を求めていない!
俺が求める事は……。
ピロリ~ン!
スキル進化。
×××が、絆に進化しました。
軽快な、機械音。
俺のスキルになんか変化が起こった様だ。
それにしても、×××って……。
文字化けしていて、解読出来ない。
そもそも、こんなスキル無かったはず。
『ジャショウちゃん!それって……』
『あ、ああ。俺の知らないスキルだ……』
俺は慌て、ステータス画面を開く。
名前;邪聖
種族;神人の卵
年齢;12
HP:25000
MP:10000
錬気:364200
筋力:4100
体力:4000
器用:2340
頑強:4120
敏捷:3970
反応:4450
知力:510
精神:2600
幸運:770
特殊スキル
言語理解LV3 千里眼LV4
洞察力LV5 気配察知LV6
武術の心得LV8 限界突破LV5
念話LV3
戦闘レベル
格闘LV10 刀剣LV8
槍 LV7 斧 LV6
鞭 LV5 弓 LV7
投術LV8
一般スキル
索敵LV8 鑑定LV4 野営LV5 威圧LV7
固有スキル
鬼神LV5 魔法の耐性LV7
毒の耐性LV8 自然治癒LV6
魔術スキル
炎系LV1 水系LV1
土系LV1 風系LV1
光系LV1 闇系LV1
錬気スキル
剛気LV3 創気LV4 放気LV3
神技
絆LV MAX
神域LV3
加護
世界神の寵愛
武神の友愛
白き神の加護
黒き神の加護
知識神の加護
×××の寵愛
時巡りの使者
豊穣神の加護
『うお!?能力が、一気に上がったぞ!?』
『あら、神としての一歩を。踏み出した様ね♪』
何だ?
この、体の底から、沸き上がる様な力は?
訳が分らん……。
碌な戦闘もせずに、レベルばかり上がって行く……。
冗談じゃ無いぞ?
他の転生者みたいに、特別なスキルで、頭脳戦を駆使して、話を盛り上げる。
そんな、冒険を夢見てたのに……。
ナチュラルチート。
この能力値に、更に加護が加わると……。
まったくもって、面白くも無い!
しかも、なんだ……。
知らぬ間に、加護が増えている様な……。
それより、種族:神人の卵ってのは何だ?
俺は、人間だ!
いよいよ俺は、人外に成り果ててしまったと言うのか?
実に心外だ!
『……。あの子達……』
『どした?』
ナビ子は、声を潜め、言葉を振り絞る。
何と言うか、俺達の事になるとナビ子は、情緒不安定になるようだ。
思ってくれるのは有難いが、少々、思いが重い様な気がする……。
もっと、気楽にいこうや……。
『みんな勝手に、ジャショウちゃんに加護をつけている……。しかもウエル。友愛ってなによ!』
『お、おう……。まあなんだ。加護は置いといて、新しいスキルについて考察しようや』
ナビ子が怖い……。
何とか、話を逸らさなくては……。
『うん……。そうね。そうしましょう!』
『ああ。新しくなった、スキルはっと……』
スキルを確認する。
まず、テイムが無くなった。
それに伴い、神技と言う項目が加わり、絆と神域と言うスキルが確認できる。
神域は分かるとして、この絆とはなんだ?
まあ、一つづつ確認していこうか。
神域
LV×10倍の威力に、錬気を昇華させる。
絆
互いに信頼した者同士、強い絆で結ばれる。魂の繋がりは言葉の壁、種族の壁を越え、魂の共有を果す。
絆所有者に、人一人×100、神一人×500の能力値アップ。
絆を結んだ相手、絆所有者の基礎能力値の一割が、能力値に加算される。
『絆の説明、なんか長い……』
『仕方ないわよ。前代未聞のスキルなんだから……。でも、これで分かったわ。絆は、テイムの上位互換スキルの様ね』
『テイムは、あまり好きじゃなかったから、これはこれで良いんだが……。となると、サクヤ達も能力が上がったのか?』
俺は、サクヤ達の方を見る。
サクヤ達は、仕切りの体を動かし、首を傾げている。
「どうした?」
『なんか、体が軽いんよ』
「わ、私も……」
サクヤとシャルは顔を見合わせ、互いの体を触る。
俺は絆について説明し、二人が俺と、深い絆を結んだことを教えてやる。
サクヤは目を細め、嬉しそうに俺に抱き着き、シャルも、なんか恥ずかしそうに笑い、俺の肩に乗った。
使役するのでは無い。共に手を取り、対等に高めあう。
俺達は、家族以上になったんだから。




