この、温かな世界で……。
家族とは何か……?
血の繋がりか?
はたまた、共に暮らした時の長さか?
血よりも濃いものもある。
時間よりも、掛替えの無いものもある。
魂の繋がり。
願わくば、優しき時間を。
願わくば、血より強き絆を……。
「どこかおかしい処は無いか?」
俺とシャルは、テイムを果した……。
今現在シャルは、胸に手を当てうずくまっている。
俺は不安になり、シャルを見詰め、右往左往している処だ。
サクヤも不安そうにシャルの肩を抱き、頭を撫でている。
シャルの眼から光る何かが……。
涙……?
やはり、何処かおかしいのか?
俺は慌て、シャルを抱き上げる。
「やはり、どこか……」
俺の慌てように、サクヤも不安を覚えたのか、俺の肩へと飛び移る。
しかしシャルは、首をゆっくりと横に振り、俺とサクヤの顔を交互に見る。
ぬ?
か、可愛い……。
ま、まあ。異常は、無い様だ。苦しいのでなければ良いんだ……。
「……。あ、温かいんです……」
シャルは再び胸に手を当て、片手で涙を拭う。
……。
か、かわいい……。
は!?
いかん、いかん……。
横を振り向けば、ジト目のサクヤが……。
うん……。
なんか、すいません……。
そんな俺達を優しく見守るシャル……。
天高く、雲は晴れ……。
って……。
終わんねーよ!
非難するサクヤをあやし、空を見上げる。
普段ならここら辺で、ナビ子が……。
『違う……』
ん?
ナビ子の声が震えている?
『どうした?ナビ子』
『違う……。違うの!ジャショウ!あなた、一体何をしたの?』
「おい、おい。落ち着け!どうしたって言うんだ?」
ナビ子が、血相を変えている……。
いや。狼狽えているのか?
普段のナビ子からは、想像の出来ない事だ。
「何だ?もしかして、俺が神にでもなったとか言うんじゃないよな……?」
何だか、からかいたくなる……。
しかし、神とか……。
中二病か?
神でも無い、悪魔でも無い。恥ずかしいからこんな事を言うのは最初で最後だ……。
俺は、人間だ!
我ながら、つまらない妄言を吐いた。
俺は鼻で笑い、頬を掻く。
『そうよ!それよ!』
「へ?は?」
ナビ子の怒号。
神とか……。
無いわ~。ほんま、無いわ~。
「か、神とか、無いわ~」
「冗談で言ってるんじゃないわよ!良い?ジャショウちゃん。あなたが今行ったのは加護!テイムなんかじゃない。今、シャルちゃんはあなたの庇護下にあるの。サクヤちゃんもそう。今調べたら、ジャショウちゃんの庇護下に入ってる!」
「はい……?」
『な~ん~で~な~の!私は至高神なの!ジャショウちゃんもサクヤちゃんもシャルちゃんも、私の天使になる筈なのに~~~!!』
うお!
ナビ子の、駄々っ子モード突入。
最早、至高神と言う外聞もありゃしない。
ナビ子の変容に、サクヤは驚き、狼狽える。
『ジャショウちゃんは、私と交わって完全な神になるの!なのに、なのに……』
『ナビ子ちゃん。アタイらはモノじゃ無いんよ……』
サクヤは、諭す様にナビ子を咎める。
言わずとも、ナビ子は分かっているはずだ。
『分かってる……。御免なさい。でも、でも!』
『ナビ子ちゃんは、独りぼっちじゃ無いんよ。アタイらは、ナビ子ちゃんの家族なんよ♪』
『っ!?』
サクヤの優しさ……。
暖かな温もり……。
胸を痛め、涙する少女の姿が過り、胸が締め付けられる様な気がした。
『ナビ子……。俺は神なんかじゃない!人間だ。そして、ナビ子。俺はお前の家族だ!いや。俺達は家族だよ、ナビ子』
『間違っていたら叱って、苦しかったら、助け合う。それが家族なんよ♪』
俺は笑い、サクヤも笑った。
そうだ。俺達は、家族なんだ。
何時だって、助け合えば良い。
苦しい時は、肩を寄せ合い。
嬉しい時は、共に笑いあえば良い。
そうやって、一歩ずつ前進していくんだ。
この、温かな世界で……。




