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天翔雲流  作者: NOISE
森に潜むおかしな面々
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伝えたい思い……。

 神は、自分に似せて、人を創ったと言う。

 思いの強さは、神も人も同じなのだろうか?

 願わくば、思いは優しく、温かなものであって欲しい……。

 思いとは、時に、黒く浅ましいものに成り得るからだ……。



『ジャショウ。ジャショウ……』

 怒りマックスの俺を、サクヤが揺らす。

 怒りに呑まれて、我を忘れる処だった。

 俺が今やるべきことは、天界に乗り込んで……。

『ジャショウ。どうにかならないの?』

 サクヤが、潤んだ瞳で、こっちを見ている。

 抱きしめますか?

 Yes Or No

 迷う事は無い!

 サクヤもシャルも、まとめて抱きしめてやる!

「阿呆な事をやっておらんで、問題を解決せい。小童!」

 リョウカが珍しく、まともな事を言っておる……。

 すげえ、まともな事を言ってる……。

 いかん、いかん……。

 俺としたことが、欲望に呑まれるとは……。

 頭を振って、煩悩をかき消す。

 しかし、どう解決したものか……。

 サクヤは、シャルを優しく抱きしめ、慰めている。

 どうにかしてやりたい……。

 やりたいが……。

「小童、頭を使え!エステカ様は何と言っておった」

 ぐぬぬ……。

 リョウカに、小馬鹿にされるとは……。

 ぐぬぬ……。

 しかし、何と言っていたっけ?

 二人の加護は、本来授けられない?

 いや。もっと根本的な事……。

 ……。

 そうだ!

 俺は、一つの仮説に気が付き、空を見上げる。

『ナビ子!ナビ子の加護だ!』

 どうして、すぐ気が付かなかったんだ。

 おれも、多重加護の持ち主だ!

 なのに、何故?

 それは、腐ってもナビ子が、至高神だからだ……。

『ジャショウちゃん!私は腐って無いわ!』

 おっと、感情が漏れていたか……。

 俺は、頬を掻き、そっぽを向く。

 その時、視界に入ったサクヤは、期待の眼差しに目を輝かせていた。

 あ~。俺の声、聞こえていたんだな……。

 けど、まあ。丁度良いか。

「あ~。何とかなると思う……。多分……」

 取り合えず、曖昧に返事しておこう。

 不確定要素がまだ、幾つかあるからだ。

 まず第一に、ナビ子の加護を受けられるか。

 何故ならナビ子は、神として一線を退いていると言う事。

 第二に、その二つの加護が、原因となっているのかだ。

『ジャショウちゃん、ジャショウちゃん。二つ目の問題は、多分平気よ。今、シャルちゃんの事調べたんだけど、加護が相殺しあっていたもの』

 うむ……。ならば、良し!

 これで、問題は絞られた。

 相殺しあっている加護を、どうにかしてやれば良いと言う事……。

『なあ、ナビ子……』

『難しいわね……。私は、世界の管理から外れたもの……。余り、表立ったことは出来ないわ』

『けど、サクヤは……』

『サクヤちゃんは、ジャショウちゃんの従魔。ううん。家族になったから。理の外に、出る事が出来たんだもの』

『だったら……』

 俺は、ゆっくりとシャルの方を向く。

 シャルは、不安な眼差しで、こちらを窺っている。

 従魔……。

 俺は、その理が嫌いだ……。

 サクヤを、従えたなどと、一度たりとも考えたことは無い。

 それでも……。

 この子に、どう理解してもらう事が出来るのだろうか……?

 俺の……。

 俺達の想いを……。


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