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天翔雲流  作者: NOISE
深い森の中で
35/1837

閑話 武神が抱く、淡い恋心……。

 武神ウエル……。

 戦いの神にして、六神の三女。

 生前は、圧倒的な武を持ち、悪神を封印し、神の玉座に辿りつきし者……。

 策略も無く、ただ、眼前に立ちはだかる敵を屠って、その偉業を成し遂げる。

 生粋の、バトルジャンキー……。

 しかし、今現在……。

 バトル漫画、オタク……。

 あらゆる戦闘漫画を読み漁り、物によっては、ミスター〇っ子の様な異色の物すら読む始末……。

 これ以上言及すると、著作権がやばい……。

 まあ、何が言いたいかと言えば、今の彼女の戦場は、コ〇ケや秋葉が主だと言う事だ。

 そんな彼女も例にもれず、漫画は、常に三つ買っていることだ。

 布教用、愛読用、そして保存用……。

 彼女は、自分が愛読する漫画を、自分の天使のみならず、妹達にも強要する。

 一回、上の姉達に布教しようとしたが、やんわりと躱されてしまった。

 彼女は、武神……。

 年功序列には、厳しいのだ。

 上を敬い、下をかわいがる。

 理想的な、姉御肌……。のはず。

 しかし、妹達にとって、興味のない漫画を押し付けられるのは……。

 それだけなら良い……。

 バトル漫画を読めば、その技を……。

 そして何より恐ろしいのは、料理系漫画を読んだ時だ……。

 彼女は、その……。

 味覚が壊滅的に……。

 そんな彼女の惨劇を防ぐため、妹達は、考えた。

 そうだ!私達が、作る側にまわろう。

 ウエルを、審査員にして、私達が、うまい料理を作る。

 ウエルは、酒と、つまみがあれば、大人しくなってくれるはずだ。

 そんな、妹達の謀略を知る事無く、ここ数年、料理対決と言う名の宴は、平穏に行われていた。

 しかもウエルは、五百年前に邪聖に会って以来、度々、母、エステカの処に入り浸っている。

 何が言いたいかと言うと、漫画の起源は、鳥獣戯画が初めとして、バトル漫画が生まれたのは、ここ数十年……。

 料理バトルも、ここ最近だ。言うほど、被害は甚大では無いと言う事だ。

 しかし、それを差し引いても、ウエルの作った料理は、インパクトが強く、妹達や、天使達の間では、タブーとされることになった。

 さて、ウエルの料理スキルについて、語るのはこの位にしよう。

 問題は、ここ数年、ウエルのエステカの宮殿への来訪の多さについて語ろう。

 五百年前、邪聖を見て、ウエルは変わった。

 エステカの宮殿に来ては、我が儘を言い、エステカを困らせる。

 エステカも、ほっとけば良いものを、その我が儘に一々対応していた。

 しかし、ウエルの目的は……。

 最早、言うまでもない。邪聖だ……。

 エステカが目を離した隙に、邪聖に自分好みの知識を植え付ける。その繰り返し……。

 そう、自分好みの男にするために……。

 そして今、彼女が植え付ける知識は、もっぱら、漫画の知識のみ……。

 彼女は、三冊の本の他に、邪聖専用の本すら買っている……。

 察しの良い者は、気付くだろう……。

 今の邪聖のスキルは、偏った、バトルスキルと料理スキルで、大半を占めている。

 幸いな事に、錬気と言う、特殊な能力にすんなりと対応できたのは、この知識のおかげだった……。

 ウエルは、笑う……。

 今、正に、自分の良き理解者を得た事に。

 しかし、同時に悲しみもある。それは、彼が自分の天使では無い事に……。

 五百年……。

 ただただ、自分の愛した男を、自分色に染めるため、自らの布教を捨ててまで行ったことは……。

 神々の遊戯……。

 儚い恋……。

 戦いしか知らない彼女が持った、淡い夢。

 彼女の想いが、何を成すのか。それは、神すら知る事の出来ない小さな歪み……。


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