サクヤのステータス
ゆっくりと、優しく流れる時間。
まだ、二日目であるが、俺も、サクヤも成長している。
『ジャショウちゃん。鑑定のレベル上がったし、サクヤちゃん、もう一度、鑑定してみたら?』
ナビ子に言われ、サクヤを抱き上げる。
うむ。確かに仲間の状態は、知っておくべきだ。
サクヤはきょとんとし、首を傾げる。
「サクヤ。鑑定かけるね?」
サクヤは俺の言葉に頷き、岩の上に飛び乗った。
「鑑定」
名前:サクヤ
性別:女
種族:黒曜ザル
年齢:4
HP:120
MP:5000
錬気:420
筋力:40 体力:120
器用:180 頑強:80
俊敏:300 反応:260
知力:130 精神:450
幸運:150
特殊スキル
言語理解LV1 気配察知LV1
魔術の心得LV2 念話LV2
戦闘スキル
格闘LV2
一般スキル
索敵LV2 跳躍LV4
固有スキル
世界樹のマナ
魔術スキル
炎系LV1 水系LV2
土系LV3 風系LV3
錬気スキル
加護
世界神の寵愛
詳細な情報が、青いウィンドウになって浮かぶ。
MPも5000有り、かなり能力値が高い様に思える。
『サクヤちゃん。黒曜ザルって言うだけじゃなく、世界樹の新芽を食べただけあって、能力値がかなり高いわね』
『うん。この体躯で、この能力値は、すごいと思う……』
俺は頷き、サクヤを抱きかかえる。
『アタイ、すごいん?』
サクヤは首を傾げ、上目遣いで、こちらを窺う。
~~~~。
この子の仕草、一々、可愛いんだけど。
『けど、サクヤちゃん、私の加護もちなのに、なんで私の声、聞こえないのかな?』
『聞こえとるよ?』
「「え!?」」
サクヤの相槌に驚き、聞き返す。
『今朝から、聞こえとったよ?でも、話の邪魔したらあかんと思って、黙っておったんよ』
申し訳なさそうにするサクヤを見て、頭を撫でてやる。
「邪魔じゃないよ?」
『そうよ。サクヤちゃんが、邪魔なわけないじゃない』
『ほんま?』
サクヤは嬉しそうにはにかみ、頬を寄せる。
「ああ。大丈夫だよ」
『けど、これで、また三人で、お話しできるね?』
ナビ子の、うれしそうな声が、頭に響く。
俺とサクヤは頷き、笑みをこぼす。
『なら、作戦会議ね♪』
敵陣真っただ中であるが、念話で話せるから、周囲に警戒しながらでも、話が出来る。
俺とサクヤは顔を見合わせ、小さく頷き、息を殺した。




