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天翔雲流  作者: NOISE
深い森の中で
19/1837

俺は、強者か?はたまた弱者なのだろうか?

 行動は迅速に、思考は慎重に……。

 孫氏の兵法にも記されている、風林火山陰雷。

 限られた情報を生かし、如何に敵に対抗しうるかだ。

 敵と言っても、軍や個を言うだけではない。今は、生存競争。即ち、衣食住を指し、次の一手を、決める手段である。

 このまま、森で生活するか。はたまた、人に混じりて、生活を充実させるか……。

 今を生きるために、食を確保し、先を見据えて、金を貯える。

 それには、ナビ子の言を推察し、まずは手始めに、ゴブリンを急襲する。

 自らの力も、試したいしな……。

「サクヤ、しっかり掴まってな」

 今やるべきことは、風のごとき速さで移動し、林のように静かに、目標に近づく……。

 方針は決まった。俺は肩にしっかり掴まるサクヤを確認し、世界樹から一気に飛び降りる。

 高さは、50m程あったが、問題ない。

 音も無く着地すると、一直線に走り出す。

 必死に掴まるサクヤに、手を添えてやり、速度を上げる。

 走る最中、索敵をかける。辺りは、灰色の世界になり、赤と青の情報が、飛び込んでくる。

 続いて、気配察知。全周目がある様に、周りの世界を感じる事が出来た。

 情報が、脳内を駆け巡る。理解するのではなく、感じ取るように努めて、情報を処理していく。

 未だ、生物の気配は感じられない。

 立ち上る煙が、裸眼でも確認できるようになった。

 走る速度を落とし、足音を殺す。

 不意に、気配察知に、何かが引っかかる。

 LV3だから、300m以内……。

 気を張り巡らせる。反応は2つ。三時の方向。

 ゆっくりと距離を詰めていく。

 草を分け出でて進むと、二足歩行の人影が、目に映る。

 息を殺し凝視する。

 人影は、体長130㎝程、薄汚れた皮鎧を身に纏い、こん棒を持っている。肌は、緑色をしていた。

「ビンゴ!」

 小声でつぶやき、ガッツポーズをする。

『ジャショウちゃん。鑑定、鑑定!』

 俺以外には聞こえないはずなのに、ナビ子も声を押し殺して囁く。

 ナビ子の言われるまま、ゴブリンと一定の距離を保ち、鑑定を行う。


      ゴブリン

 体長:120~140㎝

 HP:80

 MP:50

 錬気:50

 筋力:80 体力:120

器用:70 頑強:80

 敏捷:90 反応:110

 知力:70 精神:60

 幸運:90

 オーソドックスなゴブリン。知力は、人間の子供並みで、簡単な道具なら使う事が出来る。


 鑑定がLV3になったお蔭か、一気に鑑定内容も詳しくなった。

『あいつら、倒すん?』

 サクヤは、不安げに囁きかけてくる。

「ああ。サクヤ怖い?」

『あいつらなぁ、アタイらの仲間、獲って食うんよ』

 サクヤは身を振るえさせ、首に抱き着いてくる。

「しっかり、掴まっているんだよ?」

 優しく囁きかける。

 サクヤは小さく頷き、首にまわした手に、力を入れる。

 俺は、ひと呼吸入れ、眼前のゴブリンを睨む。

 今、始まる生存競争……。

 強者が、弱者を蹂躙し、命を繋ぐ。

 俺は、強者か?はたまた弱者なのだろうか?

 高揚する心を抑え、拳を握った。


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