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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1849/1865

戦が世故に。今世は共に……!

 各国、視察が終わると、飛ぶように帰って行った。

 そして、競う様に、技術者達を、エネス国へと、送って来た。

 先ずは、ギリセア。それに続くように、倭国からも、技術者達が、ある者達と共に、やって来たのだ。

 そう、ある者達……。

「ほう、何と優美で壮大か!」

「噂には聞いていたが、武蔵の大鬼が創った国。噂以上だな!」

 興奮する二人は、今川義元、北条氏康。

 俺は、北条家とは、浅からぬ因縁がある。

 それでも、俺は、旧来の友と会う様に、笑い、手を差し伸べる。

「義元殿、氏康殿、よく、お出で下さいました」

「おお!お主が、武蔵の大鬼か!噂に違わぬ、偉丈夫だのう」

「うむ!やはり、水無月は、北条と共に、繁栄するべきであった!戦国の世故に、我等も、非情な策を取ったが、許して欲しい。我等は、本当に、水無月と共に、民達の国を、創りたかったのだ!それが、悔しくて、為らないぞ」

 氏康は、本当に、悔しそうに、後悔し、頭を下げる。

 そうだ……。

 戦国の世故に、仕方の無き事。

 それに……。

「何を言いますか。我等が滅びた後、北条家が、水無月の民を、守ってくれたと聞きます。本当に、ありがとうございます!」

「邪聖殿……」

 俺は笑い、氏康と、固い握手を交わす。

 遺恨は無い。

 むしろ、感謝している。

 水無月の民の笑顔……。

 俺も、最後まで見届け、旅立ちたかったな……。



「これが、邪聖殿の城か!小田原城を超える、何と優美で、堅牢な城か!」

「氏康殿や!城や街ばかりに、目を奪われては、その根底を知る事が出来ぬぞ!民一人を見ても、皆誠実で、懸命に働いておる!恐らく、法の方も、しっかりとしておるのだろう!何の不安も、抱いておらぬ!そう言う処も、学ぶべきじゃ!」

「やはり悔しいのう!何故、日ノ本に居た頃、北条は、水無月と共に、歩む事が、出来なかったのか?本当に、悔しいのう!」

 ああ……。

 俺も、この人達と共に、乱世の中で、民達と共に、笑って暮らしたかった。

 叶わなかった過去だが。今世は、共に、民達の国を築きたい。

 俺は、笑い、氏康達を、城へと招き入れる。

 今日は、ささやかであるが、氏康達の為に、腕によりをかけて、宴会をしよう。

 漁業組合の、モルガン達が、新鮮な魚貝類を、用意してくれた。

 刺身、天ぷら、蒸した牡蠣。

 氏康達は、目を輝かす。

 俺は笑い、

「ささやかですけど、我が国で取れた、新鮮な魚貝類です。沢山用意しました。今日は、大いに楽しんで下さい」

 義元は、大いに喜び、鯛の天ぷらを、口に運ぶ。

「くぅ!美味い!氏康殿も、早く食べると良いぞ!」

「義元!抜け駆けするな!儂は、アジの刺身を!」

 二人は、競う様に、料理を、口に運ぶ。

 どうやら、気に入ってくれた様だ。

 義元は、膝を叩き、

「今度から、忘年会、新年会、儂等も、出席するぞ!謙信殿達も、人が悪い!こんな料理を、食べていたとは!」

 氏康も、大きく頷く。

 豪快に、酒を飲み干し、

「ここは、天国か!」

 大声で笑い、俺の肩に手を回す。

 まったく、元気な、おっさん達だよ。

 俺もまた、酒を飲み干し、満面の笑顔で笑った……。


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