取り戻した、何時もの日常
ヨーレスは、早々に、王の位を、セナに譲った。
まだ、幼いセナの為に、ヨルブン大公が、後見人と成り、しっかり補佐をする。
予想外に早いが、問題無かろう。
ヨーレスも、ヨルブン大公も、王位に興味が無い。
と言うより、面倒臭いとまで、思っている様だ。
あの二人なら、セナが、傀儡と成る心配は、無い様だな。
ローバも、落ち着くまでは、セナの補佐をすると言うし。
これで、漸く、止まってしまった、スターリーの時間が、再び、動き始める事であろう。
俺も、エネスの事に、集中するか……。
人口増加も、留まる事を知らない。
ネイルの灯は、新たな遺跡より、新たな技術を発見、研究している。
水耕栽培。対魔法コーティング。魔術弾発射ライフル。その他、警備用ゴーレムなど、実用性のある技術が、次々と、発表された。
補足すると、対魔法コーティングと言うのは、コーティングされた物は、魔力を吸収し、魔法の攻撃を、一切受ける事が無い。
これで、街内での、魔法での破壊行為は、不可能に成った訳だ。
目まぐるしい発展を遂げる、エネス国。
増築に次ぐ増築。
改築に次ぐ改築。
日々、人々は笑い、走り回る。
俺も、楽が出来ねえなぁ……。
俺は、最後の書類に判を押し、深く息を吐く。
窓を開け、外の空気に触れれば、初夏の香りが、漂って来る。
もう、夏に成るのか……。
早いモノだ……。
エネスの国が、建国されて、もう、一年が経とうとしている。
エステール学園も、色々あって、随分と、顔を出していなかったな……。
アルテイシアの奴が、色々と見直し、体制が変わったと聞く。
久々に、顔を出すか。
本来であれば、二年が過ぎているから、卒業なのだが……。
まあ、その辺は、後で語ろう。
さて、アイカ達は、元気にやっているかな……?
「アイカ達!元気にやっているか?」
「「「ジャショウさん!」」」
エステール学園……。
最初は、二年間の修練であったが、アルテイシアの奴が、授業内容を、大幅に見直し、四年制の学校と成った。
そして、アイカ達にとっては、三年目の、夏休みが来る。
俺は、アイカ達を含め、十六名の生徒を、手招きする。
嬉しそうに、駆け寄って来る、子供達。
俺は、笑い、
「一昨年、アイカ達もやったが、我が城に来て、合宿をするか?まあ、十日間位、考えているのだが」
子供達は、大喜びで、何度も何度も、大きく頷く。
ヨウカは、頬を膨らませ、
「あたいは、十日間だけなんて、絶対に嫌だ!休みの間中、ジャショウの家に居る!」
ヨウカは、頬を膨らませたまま、俺の体を、大きく揺らす。
俺は、苦笑を零し、
「分かった、分かった……。好きにすると良い。修行も遊びも、存分に楽しめ」
「よっしゃあ♪」
夏休みまで、後一週間……。
はてさて、漸く、世界の情勢も落ち着き、元の日常に、戻ったと言う処か。
さて、後進の育成に、力を入れる事としようかね……。
夏休み……。
アイカ達を、エネス国に、招き入れる。
呆然とする、アイカ達。
ヨウカは、目を輝かせ、
「で、でけえ!これが、エネス国か!」
他の子達も、目を輝かせ、辺りをきょろきょろと、見まわしている。
ステイとエリィもまた、驚いた様子で、
「ギ、ギリセアの側に、こんな、大きな街が、出来ていたと言うのか?」
「す、凄いですね……。この様な、巨大な建物は、見た事が有りません!これが、エネス国……。ただただ、驚くばかりです!」
俺は、笑い、
「お~い、迷子にならない様に、ちゃんと、ついて来いよ」
子供達は、慌てた様子で、俺の後に続く。
さてさて、城に着いたら、この子達の為に、豪華な、歓迎会を、披露してやるかな?




