またな……。
ヨーレス達の、猛攻が始まる……。
ヨーレスは、アルブレッドとヨルブンを従え、真っ直ぐ、スターリーの街へと、前進する。
そして、それにより、手薄と成った、西側の、港を所有する街々を、ロンベルが、ユーロンの騎士を従え、解放して行った。
勝敗は、既に、決しているのだ。
南スターリーに、成す術は無い。
民心も、既に、ヨセフから離れ。西側の海岸沿いの街は、全て、北スターリーのモノと成った。
ロンベルは、その勢いのまま、西側から、北スターリーに、圧力をかける。
徐々に、後退してゆく、南スターリー。
東もまた、ルビアの父、ルビレス・ハルマを中心に、南スターリーの街を、悉く、解放してゆく。
最早、勝負は、決しただろう。
ヨーレスが、そのままの勢いで、ソドムを解放する。
チェックメイトだ。
南スターリーは、首都スターリーを除き、北スターリーの手中に収まった。
さあ、ヨセフ……。
お前は、ここからどうする?
お互い、道化同士、共演し様じゃ無いか!
お前の本意を、覗かせてもらうぞ……?
スターリー、国王寝室……。
「やあ、ジャショウ君……。最後に、君と話せて、本当に良かったよ……。セナ達は、元気かい?」
「ヨセフ……。ああ、セナ達は、元気だよ。セナは、立派な王に成ると、ローバに習い、頑張っているよ」
「そうか。立派な王に……。これで、私も、肩の荷が下りる……。ヨーレスは、明日にでも、スターリーを、解放するだろう。悪い王様と、愚かな家臣は、こうやって、退治されるのだ。少し、肩身の狭い思いをさせるが……。セナの代に、愚臣を、残さずに済む」
「ふっ……。お前は何時も、まわりくどいんだよ……。ここまで、多くの血を流さずとも、愚かな貴族を、廃する事が、出来た筈だ。お前は、多くの恨みを買って、これだけの結果を、求めていたのかよ?」
「ふふふ……。私にも、意地が有る。例え、愚かな貴族でも、私を慕う、家臣だった。いや……。本当は、分かっている。慕ってなどいない。私に擦り寄り、自らの利を求めた、愚か者達だ……。それでも、斬り捨てる事は、出来なかったよ……」
「はっ!忠臣は、斬って捨ててか?」
ヨセフは、俺の言葉に、俯き、深く息を吐く。
そして、空を見上げ、
「今更、言い訳しないよ……。ローバに言った事は、本当の事だ。私の知らぬところで、忠臣達が、殺されていた……。全ては、私の不徳だ……。ジャショウ君の言葉を借りるなら、私の咎だ。私の罪だ!私の……」
「ははは……。本当、お互い、不器用だよな……。ヨセフ!最後に、進言する!お前は、生きろ!どんな、辱めを受けようと、死んでいった家臣達の為に、お前は、生き続けろ!セナは聡明だ。何時か、お前の真意に、気が付くだろう。少なくとも、ヨーレス達は、気付き始めている。ヨーレス達に、兄殺しの、汚名を与えるな!スターリーの門を開け、無血で、降伏すると良い」
「やれやれ……。皆は、私が、ジャショウ君に、無理難題を言っていると言うが……。ジャショウ君も、大概だよね。本当、だから、君の事を、嫌いに成ったのだよ」
「はっ!お互い様だ!お前は、お前の守るべきモノを守った。俺もまた、そうするだけの事だ。互いに、分かり合う必要は無い!」
俺は、そこまで言うと、ヨセフに、背を向ける。
手をひらつかせ、
「またな」
「ああ、また……」
最後に、あのヨセフの、笑顔が見れたか。
いや、これが、最後では無い。
何時かまた……!
南スターリー陥落。
ヨセフの策略通り、多くの愚臣が、ヨーレス達に、罪を暴かれ、殺される事と成った。
これで、スターリーも……!
また、大きな戦を超えて、大きくなるのだろうなぁ……。




