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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1836/1865

またな……。

 ヨーレス達の、猛攻が始まる……。

 ヨーレスは、アルブレッドとヨルブンを従え、真っ直ぐ、スターリーの街へと、前進する。

 そして、それにより、手薄と成った、西側の、港を所有する街々を、ロンベルが、ユーロンの騎士を従え、解放して行った。

 勝敗は、既に、決しているのだ。

 南スターリーに、成す術は無い。

 民心も、既に、ヨセフから離れ。西側の海岸沿いの街は、全て、北スターリーのモノと成った。

 ロンベルは、その勢いのまま、西側から、北スターリーに、圧力をかける。

 徐々に、後退してゆく、南スターリー。

 東もまた、ルビアの父、ルビレス・ハルマを中心に、南スターリーの街を、悉く、解放してゆく。

 最早、勝負は、決しただろう。

 ヨーレスが、そのままの勢いで、ソドムを解放する。

 チェックメイトだ。

 南スターリーは、首都スターリーを除き、北スターリーの手中に収まった。

 さあ、ヨセフ……。

 お前は、ここからどうする?

 お互い、道化同士、共演し様じゃ無いか!

 お前の本意を、覗かせてもらうぞ……?



 スターリー、国王寝室……。

「やあ、ジャショウ君……。最後に、君と話せて、本当に良かったよ……。セナ達は、元気かい?」

「ヨセフ……。ああ、セナ達は、元気だよ。セナは、立派な王に成ると、ローバに習い、頑張っているよ」

「そうか。立派な王に……。これで、私も、肩の荷が下りる……。ヨーレスは、明日にでも、スターリーを、解放するだろう。悪い王様と、愚かな家臣は、こうやって、退治されるのだ。少し、肩身の狭い思いをさせるが……。セナの代に、愚臣を、残さずに済む」

「ふっ……。お前は何時も、まわりくどいんだよ……。ここまで、多くの血を流さずとも、愚かな貴族を、廃する事が、出来た筈だ。お前は、多くの恨みを買って、これだけの結果を、求めていたのかよ?」

「ふふふ……。私にも、意地が有る。例え、愚かな貴族でも、私を慕う、家臣だった。いや……。本当は、分かっている。慕ってなどいない。私に擦り寄り、自らの利を求めた、愚か者達だ……。それでも、斬り捨てる事は、出来なかったよ……」

「はっ!忠臣は、斬って捨ててか?」

 ヨセフは、俺の言葉に、俯き、深く息を吐く。

 そして、空を見上げ、

「今更、言い訳しないよ……。ローバに言った事は、本当の事だ。私の知らぬところで、忠臣達が、殺されていた……。全ては、私の不徳だ……。ジャショウ君の言葉を借りるなら、私の咎だ。私の罪だ!私の……」

「ははは……。本当、お互い、不器用だよな……。ヨセフ!最後に、進言する!お前は、生きろ!どんな、辱めを受けようと、死んでいった家臣達の為に、お前は、生き続けろ!セナは聡明だ。何時か、お前の真意に、気が付くだろう。少なくとも、ヨーレス達は、気付き始めている。ヨーレス達に、兄殺しの、汚名を与えるな!スターリーの門を開け、無血で、降伏すると良い」

「やれやれ……。皆は、私が、ジャショウ君に、無理難題を言っていると言うが……。ジャショウ君も、大概だよね。本当、だから、君の事を、嫌いに成ったのだよ」

「はっ!お互い様だ!お前は、お前の守るべきモノを守った。俺もまた、そうするだけの事だ。互いに、分かり合う必要は無い!」

 俺は、そこまで言うと、ヨセフに、背を向ける。

 手をひらつかせ、

「またな」

「ああ、また……」

 最後に、あのヨセフの、笑顔が見れたか。

 いや、これが、最後では無い。

 何時かまた……!

 南スターリー陥落。

 ヨセフの策略通り、多くの愚臣が、ヨーレス達に、罪を暴かれ、殺される事と成った。

 これで、スターリーも……!

 また、大きな戦を超えて、大きくなるのだろうなぁ……。


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