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天翔雲流  作者: NOISE
降りかかる火の粉
1794/1865

刮目せよ!!

 さらば、スターリーの街……。

 我が、思い出の、故郷よ。

 これで、エネスの街は、完全に、スターリーから、独立する事と成るな。

 俺とヨシカは、スターリーの街から、背を向ける。

 分かり切った、結末だ。

 ヨシカは、寂しそうに笑い、

「兄上は、未だ、過去の、スターリーの街の栄華に、囚われているな……」

「ああ……。ヨセフの、もう一つの、悪い所だ。王としては、優柔不断で、決断を下すのが、遅すぎる」

「ええ……。エネスの街が、あそこまで、大きく成れば、スターリーの街に、戻す事は、不可能……。最早、後戻りは、出来ません。故に、エネスを失ったスターリーの街は、自力で立つしか、選択肢がありません。その為には、重荷を捨て、軽く成らねば……」

「ふっ……。エネスを、捨てる事が出来たと言うのに、未だ、多くのモノに、囚われている。ヨセフの、優しさであり、甘さであろう」

「まったく……。兄上の優しさは、人を惑わし、堕落させる、毒ですね……。兄上だけが、その事に、気付いておられない!早く、気付いて頂かねば、スターリーの街に止まらず、スターリー全域に、混乱が広がる。兄上は、スターリーを、滅ぼすつもりか?」

「ふぅ……。ヨルブン大公も、苦言してくれると言っていたが。ヨルムの親父の、力を借りるか……?親父達には、心労を、掛けたくなかったが……」

「はぁ……。そんな事、言っていられませんね。今の兄上に、人を束ねる、力は無い!そんな、王を、擁立したのは、父上達だ。父上達にも、兄上を、諫めてもらわなくては、困ってしまう。我々には、エネスの発展と言う、大業があります。何時までも、兄上達に、かまけている暇は、ありません!」

「まあな……」

 残念だが、ヨシカの、言う通りだ。

 七大国の、援助を受けた以上、エネスの街は、結果を出さなくては成らない。

 ヨセフには、悪いが……。

 スターリーの街に、時間を掛けるのは、これまでだ。

 エネスの街は、このまま、突き進む!

 全世界よ、刮目せよ!

 エネスの街は、大華を咲かせるぞ。

 他に、類を見ない、美しい華を!

 例え、それが、スターリーを惑わし。ヨセフを、焦らせるとしても。

 もう、立ち止まらない。

 俺達は、俺達の道を歩む。

 さて、さっさとエネスに戻って、一仕事、頑張るとしようか……。



「ジャショウ!今日もお仕事?偉いねぇ♪」

「ん?セナ。今日も見学か?」

「うん♪ジャショウ!いっぱい頑張る!見てて、楽しい♪パアパと違って、皆、笑っているもん」

「ははは!父上達は、嫌な顔をしているのですか?」

「うん!眉毛のとこに、しわを作って、おっかない顔をしているよ」

「そうですか……」

 ヨセフは、セナにまで、心配させているのか……。

 俺は、セナを手招きし、膝の上に乗せる。

 セナは喜び、

「ここに、判子を押すの?」

「また、手伝ってくれますか?」

「うん♪」

 セナは、喜び、判を押す。

 俺は、笑い、

「上手く押せたな、セナ♪これなら、俺の仕事も、早く終わりそうだ」

「ジャショウの仕事、早く終わる?それなら、セナ、いっぱい頑張る♪そしたら、ジャショウ、セナ達と、遊んでくれる?」

「ははは!そうですね♪早く、仕事を終わらせて、セナ達と、遊びましょうか?」

「うん♪」

 セナは、満面の笑顔で頷き、一生懸命、判を押す。

 ヨシカ達も、ニコニコ笑い、

「ジャショウ君。君は、少し、働き詰めです。セナ様に、手伝ってもらって、今の仕事が終わったら、三日間位、ゆっくりしなさい」

「んあ?しかし、そうも、言っていられないだろう?港湾の方も、未完成だが、船を受け入れている。法の整備も、急務だ。どこを見ても、人が不足している。俺も、休んでなんていられないよ」

「はぁ……。ジャショウ君は、聡く、働き過ぎです!ガッツ君達も、心配しているのですよ?強欲勇者は、働き過ぎだと。セシル達も、寂しがっております!皆の為だと思って、少し、休んで下さい!」

「し、しかし!それを言ったら、ヨシカ達も……」

「私達は、建築も、冒険者の仕事も、やってはおりません!貴方は、一人で、何役すれば、気が済むのですか?少しは、皆の為に、休んで下さい!これは、エネスの街の住民の、総意です!父上達ですら、心配しているのですよ?ジャショウに、休みを与えろと!」

「む、むう……。分かった……。それじゃあ、皆の好意に甘えて、三日間だけ、休ませてもらおう」

「そうして下さい!」

 後ろでは、重治達や、エローラ達が、苦笑している。

 兼続は、

「やれやれ……。邪聖は、休む事を知らない!後の事は、我々に任せ、少し、休むと良い。お前の働き方は、異常だよ。ほぼ毎日、走り回っているじゃ無いか」

 重治も笑い、

「兼続殿の言う通り、邪聖殿は、休む事を知らない。邪聖殿が、それでは、周りの者達も、気兼ねなく、休めないじゃ無いですか。周りの者達の為にも、休む時は、ゆっくり休んで下さい!」

「そ、そうか……。知らぬ内に、周りの者達に、負担をかけてしまったか?休む見本も、俺が、実践するべきか」

「「「そうですよ!」」」

「お、おう……」

 それもそうだよなぁ……。

 休む時は、休む!

 皆が、働きやすい環境を、俺が、作らなくてはな……。

 それじゃあ、お言葉に甘えて、セナ達と、ゆっくり、させてもらうか……。


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