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天翔雲流  作者: NOISE
降りかかる火の粉
1792/1865

残影

 まあ、スターリーの街は、混乱状態にあるが、エネスの街は、そんな事に、かまっている、暇は無い。

 次々と、街は整備され。多くの家々が、建設されてゆく。

 スターリーの街と、エネスの街は、同じ国に在りながら、対極の状況だ。

 片や、内部崩壊……。

 片や、驚異的な、進歩を遂げている。

 こんな時だからこそ、エネスの街は、何が起こっても、大丈夫なように、足場を固めて、一歩一歩着実に、結果を出す必要があるのだ。

 その結果が、エネスの街を、益々、大きくして行く。

 また、スターリーの街と、エネスの街では、大きな差が、生まれるだろうな。

 情報屋の、モヤミから、逐一、スターリーの街の情報が、知らされてくる。

 やはり、血は血で、流す必要があったか……。

 一部の、民の暴走……。

 自警団の、武力での、鎮圧だ。

 スターリーの街では、多くの血が、流れてしまった。

 ヨセフの、心の悲鳴が、ここまで、聞こえてくるようだ。

 スターリーの街の、存続には、多くを捨てて、縮小する必要がある。

 世界最大の街と言う、目標を捨て。スターリーの象徴として、存続させる。

 最早、この道しか、スターリーの街には、残されていない。

 一度は、飛ぶ鳥を落とす勢いで、権勢を誇っていたが……。

 たった、一つの地区の追放で、スターリーの街は、壊れてしまった。

 可哀そうだが、何もしてやれぬ。

 一度、手を差し伸べてやれば、奴等は、俺達をも、奈落の底に、沈めて来るだろう。

 スターリーの街か……。

 スターリーの、象徴でありながら、大きな負債と、成ってしまったな……。



「ジャショウ君。スターリーの街の、再興の為に、エネスの街に、援助して欲しいと」

「あ?エネスの街に、そんな、余裕は無いぞ?何度も言うが、エネスの街を立ち上げ、まだ、十か月。余分な金は、持ち合わせておらん!丁重に、断りの書状を、お送りしろ。はぁ……。何を考えているのだ?ヨセフの奴は……」

 俺は、深々と、ため息をつく。

 エローラとアルサは、苦笑を零し。ヨシカの方は、米神を押えている。

 やはり、為政者が変わっても、スターリーの街が、邪魔になって来るか……。

 俺は、書状を書きかけ、その手を止める。

 手紙で、何を言っても、理解出来ぬか。

 ヨセフ達に、そんな、余裕は無いだろう。

 俺は、ヨシカの方を向き。ヨシカもまた、静かに頷く。

「手紙では、また、多くの時間を、潰す事と成るでしょうね。最早、スターリーの街に、自力で立つ余力は、残っていない。まったく……。何度も視察して、何を、見て来たのでしょうか?兄上には悪いが、一度、しっかりと、突き放す必要がありますね」

「やれやれ……。アルブレッド殿達を、突き放す事と成るが、仕方が無いか。スターリーの街は、自力で、立て直してもらわなくては、今後、エネスの街に、依存してしまう。そうすれば、また、愚かな貴族が、増えてしまうか……」

 ヨセフよ……。

 いい加減に、現実と、向き合え。

 スターリーの街は、縮小するしかない!

 残念だが、過去の栄光は、過ぎ去ったのだよ。

 嫌な役だが、俺達が、引導を渡すか……。


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