フレンドリーファイア
と、まあ、ロブスさん達の、手伝いをしたいのだが、セナやお姫様達の、面倒も見なくちゃならぬか……。
まあ、皆、思い思いに、遊んでいて、手がかからず、助かるのだが……。
それでも、接待だからなぁ。
セナ達は、お庭で、追いかけっこ。
お姫様ズとルビアは、そんな光景を眺めながら、アーリヤ達や、アンヌ達と、優雅にお茶をしている。
なんだか、俺だけ、働いていない様で、ソワソワするな……。
ヨシカ達は、意見をぶつけ合い、色々と、計画している様だ。
俺には、待機命令が、下ってしまった。
俺の存在に、セシルが気付いた様だ。
駆け寄って来て、
「ジャショウ!仕事終わった?酷いよ!僕達を、放っておいてさ!」
「ああ、すまんすまん。今回の仕事は、時間との、勝負だったんだ。また、貴族達と、揉めたくないからな……」
「ああ、あの人達は、駄目だね!ヨセフ兄様も、匙を投げていたよ」
「ふぅ……。こっちに、匙を投げられても、困ってしまうのだがなぁ……」
「あれだね♪俗に言う、フレンドリーファイア♪」
「いやぁ……。しょっちゅう、後ろから撃たれていたら、俺も、怒ってしまいそうだよ」
「あははは!怒った方が良いよ♪絶対、怒った方が良い♪あの人達、分からないんだもん♪」
「駄目なんだよなぁ……。幾ら怒っても、ここに、自分達の居場所が無いと、理解出来ないんだもんなぁ。これでは、犬や猫と、話している方が、建設的だ」
「あははは♪ヨセフ兄様も、同じ様な事を言っていたよ♪言った事の、半分も出来ない。それだと言うのに、損得勘定には、誰よりも、敏感なんだってさ♪」
「はぁ……。そうなんだよなぁ。使えないだけなら、まだ、救いがあるが。目先の利益に惑わされ、問題ばかり、起こしやがる」
だからこそ、奴等は、エネスの街に、決して入れない!
ヨセフに、頼まれようとだ!
顔をしかめる、俺を見て、セシルは、クスクス笑い、俺の背中を押す。
「さあ!たまには、ゆっくりしよう?皆、心配してたよ?ジャショウは、働き過ぎだって♪」
「後戻り、出来ないからなぁ……。やれる事は、やっておかないと」
「そう言うの良いから♪今は、ゆっくり休もう♪」
「はいはい……」
歩き出した俺に、セナが気付いて、駆け寄って来る。
満面の笑顔で、
「ジャショウ!タッチ♪」
「んあ?」
「今度は、ジャショウが鬼♪」
「む?俺が、鬼なのか?」
「そうだよ♪十数えて、追いかけてね♪」
「やれやれ……。じゃあ、誰を捕まえて、やろうかな?」
子供達が、笑いながら走り出す。
まあ、しばらくは、仲間を頼り、この幸せを、満喫しよう……。




