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天翔雲流  作者: NOISE
分かつ先に……。
1777/1794

加速するエネス!

 俺の執務室は、今、凄い状況だ。

 重治も兼続も、ヨシカすらも、俺と共に、泊まり込んで、新しいエネスの街を、描きまくっている。

 地図が散乱し。資料が散乱し。何枚も、書き直した設計図が、床一面を、埋め尽くしている。

 そして、男臭い……。

 もう、三日、籠りっぱなしだ。

 エローラ達が、心配になり、覗きに来て、

「何やっているんですか!?男四人が、床に寝転がり、資料を散乱させて!それに、臭い!早く、片付けをして、お風呂に入って来なさい!!」

「んあ?」

 俺達は、眠気眼を摩り、大あくびをする。

「取り敢えず、城壁の設計図は、完成したな」

「ええ、これは、かなり堅牢な、城壁と成りましょう」

「後は、邪聖の力で、現存させて、兵達を、配置すれば良いな」

「ええ、巡回している兵達を、城壁を創る為、下がらせましょう」

「だな!」

 俺達四人は、図面と地図を持って、早速、城壁作りに、取り掛かろうとする。

 しかし、

「貴方達は、この街の、中心人物なのですから、どんな時も、身だしなみを、整えなさい!!早速じゃ無くて、先ずは、お風呂に入って、髭を剃って来なさい!見っとも無いですよ!!」

「んあ?確かに、それもそうか……。それじゃあ、ヨシカ達!久々に、風呂に入るか!先ずは、そこからだ!」

「確かに……。この格好を、兵達に見られるのは、問題と成りますね」

「ははは!髪も、ぼさぼさですね♪」

「ふむ。取り敢えず、身だしなみを、整えるか」

 俺達四人、早く、城壁を、完成させたくて、我先にと、走り出す。

 後ろからは、

「ジャショウ君達!廊下は、走らない!!」

 また、エローラに、怒られてしまった。

 苦笑を零し、速足で、風呂場に向かう。

 さっさと、服を脱ぎ棄て、熱いお湯で、身を清める。

 体も洗い終わり、湯船に浸かり、

「ふぅ……。良い仕事をしたな♪」

「まだ、これからが、本番ですよ」

「ああ、これで、西側の防御も固まる。東の、新しい大地も、調査が、殆ど、終了した。次は、そっちだな」

「ええ。モルガン殿も、深度を探り、港に適した場所を、昨日、報告してくれた。エイガ殿と、ロブス殿の方には、既に、報告済みだ。丁度、今日、下見に行ったはずだよ」

「そうか……。じゃあ、さっさと、城壁を創って、俺達も、そちらに向かうか」

 今の俺達に、ゆっくりしろとは、無理な話だ。

 勢いよく、湯船から飛び出し、脱衣所へ。

 パンツだけ履いて、無精髭を剃る。

 そのまま、競争する様に、洋服を着て、また、走り出す!

 それじゃあ、城壁を、パパっと、作りますか!



 城壁建設予定地に、不審者は、存在しないな?

 俺達は、兵達に、撤収の狼煙を上げる。

 その後、空間転移で、建設予定地へ。

 流石、重治が、鍛えているだけの事はある。

 兵達は、速やかに、領内へ、撤収してくれた。

 全ての兵が、撤収したのを確認し。俺は、勢いよく、天へと昇る!

 空中で、我が領内を見下ろし、

「設計図は、頭に入っている……。さあて、頑張りますか!」

 領地の境界に沿って、光の道が、浮かび上がる。

 俺は、深呼吸し、

「大地よ、この光に沿って、在るべきモノを、現存させよ……!」

 大地が、力強く、脈打つ!

 その振動と共に、ゆっくりと、重治達が設計した城壁が、姿を現して来た!

 二重構造で、城壁の内部からも、弓が打てる。

 等間隔で、円柱状の、部屋と階段が在り。長期戦でも、兵達が、休める場所を確保。

 城壁の前には、弓の射程に合わせた、薬研堀。

 更に、その先には、障子掘り。

 少し、遊んでいるな……。

 だが、これで、攻城兵器対策も、バッチリだ。

 俺達の考えた、最強装備♪

 俺達四人、完成を確認し、その場にへたり込む。

 誰からともなく、笑いだし、

「私だったら、絶対、攻めたくないですね♪」

「はっ!私だって、絶対嫌だよ!」

「ははは!ここに、兵を並ばせれば、爽快でしょうね!」

「あははは!はぁ……。疲れた……」

「それは、そうでしょう?さっき、仮眠をとっただけで、ほぼ、三徹なんですから」

「だが、のんびりしていられませんよ?今度は、港です!私の方で、集まって来た兵達を、城壁に、並ばせます。既に、シフトは、組んであります。皆さんは、一足早く、ロブス殿の所に、行って下さい」

「済まないな。重治殿」

 俺は、立ち上がり、ヨシカと兼続を掴む。

「それじゃあ、先に、行っている!」

 空間転移!

 さて、もう一仕事、頑張りますか!



 港、建設予定地……。

 既に、ロブス、ロッド、エレズ、モルガンが集まり、話し合いを、始めている。

 俺達の到着を確認し、

「ジャショウよ!大体の話は、既に終わっている!漁業組合は、今まで通りの所を使い。ここには、貨物船、戦艦、旅行船など、大きな船が、停泊する港湾を、創る事にするぞ!南側には、船造所を、建設予定だ!儂とエイガが、中心に成って、ここは、優先的に、建築してゆく。しかし、また、スターリーの、ぼんくら貴族に、邪魔をされたくは無い!設計図を見せるから、土台だけは、ジャショウ、お主が創るのじゃ!」

「んあ?既に、設計図があるのかよ?分かった。確かに、貴族が、海から、ちょっかい出して来るのも、想定している。そう言う事なら、一肌脱ごう。しかし、広いな……。気前良く、東側、全域か」

「うむ!昨今の、商業船の量が、尋常では無い!その上、旅行船も、受け入れを求めている。予てより、港を超えて、港湾と言うモノを、考えていた!まさか、ここまで、条件が合うとは、思わなかった!そして、港湾と言うからには、中心と成る、ターミナルを創り、入出状況を、しっかりと、把握出来るシステムも作りたい。それに、入場ゲートも創り、マルス殿達の様な人に、管理を任せるべきじゃ!カネツグ殿!そこら辺のシステムは、お主の方が、確かじゃろう?」

「うむ……。こちらから、不法者が入って来る事は、何としても避けたい!五重のゲートは、流石に無理だが……。二重のゲートを創り、徹底した、管理を約束しよう。ここ等辺は、ヨシカ殿も、得意な分野ですね」

「ああ、任せてくれたまえ。海軍とは別に、海上特殊部隊も、設立させよう。海での事件に、介入させる。不審な船の調査も、その者達に、任せたい!一々、軍を、動かす訳には、いかないからな」

「うむ!そう言う、小難しい事は、お主達に任す!さあ、早く、土台を創ってくれ!図面に、目を通したのだろう?ジャショウ」

「ん?ああ!それじゃあ、パパっと、創りますか♪」

 やれやれ、大忙しだ。

 多少、書き直した所があるが。ロブスさんとエイガさんの中には、この大地が出来る前から、この様な構想が、出来上がっていた様だ。

 仕事が、早すぎる。

 俺は感心しながら、再び、宙に浮き。ロブスの図面に則って、港湾の下地を完成させる。

 確かに、ここまでの広さだと、港じゃ無くて、港湾だな……。

 ロッドは、算盤片手に、必要材料を、計算してゆく。

 ロブスとエイガは、既に、労働者を、確保している様だ。

 ロッドも、第一陣の、材料の搬入は、終わらせている様だな。

 労働者達が、ロブス達に呼ばれ、迅速に、作業に、取り掛かり始めた。

 既に、最低限の話し合いは、終わらせているのか……。

 流石に、この三人も、仕事が早いな。

 何と言うか、早過ぎる!

 この三人は、俺の事を、俺よりも、知り尽くしているようだ。

 伊達に、俺の夢想を、現実化させる為、最前線で、この街を、創って来たと言う証拠か。

 安心して、任せられる。

 ヨシカ達も、感心しているな。

 兼続は、鼻息荒く、

「ヨシカ殿!早く、重治殿と合流し、私達も、やるべき事を、やりましょう!」

「そうですね!港湾が出来る前に、入国システムを、厳格化し。海上特殊部隊を、設立しましょう!」

「こうしてはいられない!直ぐに、重治殿を捕まえ、城へと戻るぞ!」

「ええ、急ぎましょう!」

 ああ、二人とも、走って行ってしまった。

 まあ、あっちは、重治達、三人に任せて、俺は、しばらくの間は、ロブスさん達の、手伝いだな……。


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