スターリーから、心は離れ、その先の道を見出す
城に帰ると、重治と兼続は、倒れる様に、眠ってしまった……。
いい顔しやがって……。
ヨシカが、苦笑を零し。執務室へ、入って来る。
「シゲハル殿と、カネツグ殿は、何時も、良い仕事をしますね。下から、見上げただけですが……。あの砦は、ちょっとやそっとの事では、落とせませんよ」
「ああ……。創らされた俺も、ドン引きだよ……。本当に、貴族達への、牽制だよな?」
「ははは!あれ位の物が無くては、我々は、安心して、暮らせませんよ。少し前の、私だったら、スターリーと、戦争するのかと、止めていましたが……。今では、頼もしく思います」
「はぁ……。ヨシカも、変わったな。また、二か月後に、ヨセフの奴、視察に来るんだって?それまでに、どうにかしないとな」
「ええ。兄上は、不安なのでしょう。エネスの街の発展は、異常ですから。まあ、今度、連れて来る家臣は、アルブレッド殿達、心を許せる者達なので、心配は無いでしょう。ガッツ君達、民からも、慕われている者達ですから」
「ああ、その辺は、俺も、心配していないよ。名簿を見て、ほっとした。この街に、入る事を許した、貴族だけだからな。既に、何度となく、遊びにも来ている。問題無いだろう」
「ええ。前回の会議で、ぼろを出した貴族達も、既に、首を切ったと言います。最早、我等と、敵対する貴族は、殆ど居ない筈です」
「まあ、その首を切られた貴族達が、再起を図ろうと、エネスの街を、狙っているんだがな……。その所為で、こんな、大事に成っているのだが……」
「まったく……。スターリーの街で、通用しなかった者達が、エネスの街で、何が出来ると言うのだろうか?」
「さあ?それが分からないから、首を切られたのだろう?」
「ははは!さて、私も、鼠の駆除に、戻りましょうか」
「ああ、済まないな。よろしく頼む」
やれやれ……。
俺も、イヴとリーフを頼り、魔法の目で、警戒する必要があるか……。
まったく、面倒な連中だ。
ヨセフの奴も、物理的に、首を切ってくれないだろうか?
まあ、それじゃあ、ただの暴君か……。




