加速するエネスの街
「先ず、漁業組合が、漁師総出で、略地図ですが、地図を、献上して来ました。正確なモノは、海図と共に、一か月以内に、用意してくれるとの事です。私達の方は、この略地図を基に、明日から、探索部隊を、派遣させようと思います」
「うむ。モルガン殿は、仕事が早いな。必要な情報も、よく理解している。私の方も、重治殿と共に、山側の城壁を、設計途中だ。こちらは、五日以内に、完成させる。その後は、邪聖殿が」
「ああ、分かった。俺も、エネスの為に、存分に、力を、使わせてもらう」
「ふぅ。ジャショウ君。ここからは、時間との勝負だ。最近、貴族達が、エネスの街に、頻繁に、入り込もうとしている。スターリーの街が、暮らしづらくなったのだろう。外壁だけでも、早い段階で、創り上げてしまいましょう。後、私の方も、エイガ殿と、ロブス殿と話し合い、港の建築を、早い段階で、着手したいのだが。済まないが、探索部隊には、外周だけでも、早い段階で、把握し、報告する様に、言ってもらえないか?モルガン殿にも、早い段階で、陸の側の深度を、優先的に、調べてもらっている。港さえ、建築し始めれば、城壁も、自ずと、定められるだろう」
「そうですね。スターリーの街を、見限った我々が。スターリーの街から、見限られた貴族を、受け入れる訳にはいきません!巡回兵を増やし、徹底的に、追い返しましょう」
やれやれ……。
結局、スターリーの貴族が、邪魔になるか……。
しかし、それが逆に、エネスの街の発展を、圧倒的に、加速させる。
ここまで拒絶され。中に入ったとしても、正体を悟られれば、殺される可能性がある。
何故、その事実が、理解出来ない?
まあ、それすら分からないから、ヨセフ達に、見限られたのだが……。
俺達四人、顔を見合わせ、ため息をつく。
重治は、苦笑交じりに、
「私が、陸海空、兵を動かし、邪魔者の侵入を、徹底的に、監視します。場合によっては、排除する事も……」
「ん……。別に構わん!徹底的に、潰してくれ」
「為らば、私は、探索隊と、漁業組合の方の、指揮をとろう。一日でも早く、港の建設。城壁の拡張を出来るよう、力を入れる!済まないが、冒険者の方にも、声をかけて、動かさせてもらうぞ?」
「ああ、冒険者の仕事が増えるのも、大歓迎だ。上手く、使ってやってくれ」
「ジャショウ君。私の方は、シゲハル殿と、カネツグ殿の、サポートに回る。二人は、城壁の設計も、考えなくては、成らないからな。出来る事なら、一週間以内に、城壁を、完成させたい!ジャショウ君も、その事を、念頭に入れておいてくれ」
「ああ、分かった……。設計図が出来たら、一瞬で、完成してやる!山の上にも、一つ、砦を築くか……」
「そうですね。砦も在れば、用兵しやすくなるし。高所に兵を置ければ、万が一にも、戦を、有利に運べます。そちらの方の設計も、私達の方で、やっておきます」
「頼む……」
さて……。
また、大仕事が始まる。
モヤミの方にも、金を渡して、情報を、上手く、操作してもらうか。
何だかんだと、モヤミの情報網は、既に、確立している。
確かな情報を、逸早く得て。こちらに有利な情報を、上手く、操作してくれている。
スターリーの貴族達には、徹底的に、混乱してもらうぞ。
この一週間が、勝負と成ろう。
愚かな貴族達には、再び、ハンカチを、嚙んでもらうとしようか……。




