約束と誓い
「う~む……。甲乙つけがたい。ガルガト殿も、マリア殿も、素晴らしい服を創るな」
「そうですねぇ……。取り敢えず、全部買っちゃいましょう♪」
「うむ!そうじゃな!ヨシカの子供が産まれたら、また、買いに行くか!」
「ええ、勿論♪」
ヨルムの親父も、フィールのお袋も、親馬鹿で、孫馬鹿だからなぁ……。
ついでにライムは、新作だけじゃ、飽き足らず。何着もの服を、当たり前の様に、買わせてきた。
こいつ、本当!こいつ!
俺は、深々と、ため息をつく……。
ただ、予想外の、サプライズもあった。
まあ、ライム達にとってのだが……。
ヨルムは、ニコニコ笑いながら、巨人の大槌に……。
「ドーラ殿!手に入ったかのう?」
ヨルムの声に、ドーラが、のしのしと現れる。
「おお!ヨルム様!ちゃんと、全員分、用意出来ておりますぞ!」
何を、用意したんだ?
ドーラに、中へと、招かれる。
そこには、ハーフプレートが三着。チェインメイルが一着。更に、ローブが一着。
相当な、業物だ。
各種、符呪もされている。
そして、何より、右胸の辺りに、ヨルム直轄を意味する、ドラゴンのマークが、付けられているな……。
これは……。
ヨルムとフィールは、ニコニコ笑い、
「ライム達よ!これは、儂等からの、贈り物じゃ!口約束だけでは無い!お主達は、今日より、この鎧を纏い、堂々と、儂等の騎士であると、名乗るが良い!これからも、よろしく頼むぞ?」
リーフは勿論の事、ライムまでもが、顔を高揚させ、各々の鎧を手に持ち、強く抱きしめる。
ライムは、上機嫌で、
「任せなさい♪ヨルム叔父様達は、私達が、どんな時でも、絶対!守ってあげるから♪」
リーフ達も、強く頷く。
アヤメは、遠慮がちに、キョウカの服を引っ張り、
「私達は、お揃い……♪」
キョウカは、満面の笑顔に変わる。
チェインメイルを抱きしめ、
「我、アヤメとお揃い……。凄く、嬉しい」
ヨルム達も、粋な事を、してくれるねぇ。
まあ、こう言う買い物なら、有りだな。
皆、鎧を、大事そうに抱え、漸く、帰路に就く。
因みに、お姫様ズも、大量の、服や装飾品を買って、満足そうに笑っている。
やれやれ……。
まあ、気分転換には、成ったか……。




