強靭な牙
俺は、ヨシカと、重治、兼続と、エネスの街を模した、盤面を睨み、真剣に、語り合う。
「漁業組合とも話、南側の海の一部を埋め、土地を広げる事と成りました」
「うむ。なるべく、海を汚さぬ様に、邪聖殿が、力を使い、土地を広げるのが、一番だろう。漁業組合も、海の状況を、しっかり確認し、異常が無いか、気にかけてくれると言う」
「ふむ。ネイルの灯も、鉄の船に合わせて、港の建築に、参加すると、言ってくれた。最新の技術を用い、最先端の、港としよう」
「山の方も、一部、削る必要があるか。土砂崩れを警戒し、補強も、しっかり、考える必要があるな」
「それは、白翼商会が、中心に成って、今年度中に、片付けてくれると言っていたよ」
「後は、山を削る代わりに、北側の防御を、どうにかしなくては」
「明の、万里の長城を模倣し、強大な、城壁を創ると言うのは、どうだろうか?また、邪聖殿の、力を借りる事と成るが……」
「ん。分かった。それは、俺が、責任もって、やらせてもらうよ。それに合わせて、兵の方は?」
「それは、私が!飛竜隊も揃い。上空から、偵察も出来ます。兵の方も、ギリセア出身の者達が、頭角を、現しています。その者達に、任せましょう」
俺達四人、淡々と話し、一段落着くと、顔を見合わせ、誰からともなく笑う。
ヨシカは、白い歯を見せ、
「ふふふ……。我らが集まれば、不可能など無いと、錯覚しそうですね」
重治と兼続も、にやりと笑い、
「今の所、それが現実でしょう?」
「うむ!まだまだ、発展の余地がある!我等が、力を合わせれば、不可能など、何も無いな!」
慢心じゃ無い、現実だ!
俺達四人、それに、ガッツ達が合わさり、エネスの街は、他に類を見ない、強大な都市に、変貌している。
まだまだ、人は集まり。日々、成長している。
その勢いは、止まる事を知らず。
「先ずは、海からか……。これからは、今まで以上に、他国との貿易に、力を入れるぞ!」
「うむ!先ずは、倭国との貿易に力を入れ、船の増産。その後、海路の治安を安定させ、本格的に、貿易に、力を入れる!」
「海路もそうですが。陸路の方も、積極的に、治安維持に、力を入れましょう!まだまだ、スターリー本国は、信用おけません!治安維持に、兵を動かし、鍛えてゆくべきかと」
「うむ。身内の目からしても、今のスターリーは、良き隣人とは、程遠いな。収益を計算し、兵の増強に、力を入れるべきか」
最後の、ヨシカの言葉で、今回の会議を、締めくくる。
富国強兵……!
エネスの街を、一つの国に見立てて、今は、力を付ける時だ。
今のエネスの街には、それを可能とする、力を秘めている。
この楽園を、守る為には、力が必要だ。
エネスの街の、新たな顔が、見出されてゆく……。
完全平和主義……。
残念だが、俺達には、その様な楽園は、見出す事が、出来なかったよ……。
俺達には、牙が必要だ。
何人にも負けない、強靭な牙が。
それが、新たな火種を、生むとしても……。




