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天翔雲流  作者: NOISE
分かつ先に……。
1763/1794

次のステージに向けて……!

 ふむ……。

 随分と、貴族の数が減り、顔ぶれも変わったな……。

 いや。ヨルム前王の時代に、戻ったと言った方が良いか?

 力を付けているのは、ロンベル、ヨルブン、レブン、ラグーン……。

 地方が、大きく、力を付けている。

 中央が、弱体化し。地方が力を付ければ、謀反を恐れる考えも、理解出来よう。

 しかし、人質は、決して認めない。

 それに、ウルヴア学園が、その代わりを、成している。

 貴族専属の学園……。

 必然的に、貴族達の子息は、スターリーに集まる。

 故に、この話を、強行しようとする人間は、今回の会議には、存在しなかった。

 それなりの知恵者が、集まった様だ。

 まだ、スターリーの街に、主導権は有る。

 それで良い……。

 まだ、慌てる、状況では無いのだ。

 スターリーの街は、常に、象徴である事にだけ、気にかければ良い。

 今の状況、それ以上望めば、破綻する。

 今のスターリー、受け皿が有っても、そこに、盛り付け出来る人が居ない。

 謙虚に、人を、育てて行くしか無いのだ。

 スターリーの街には、それを可能とする力と、施設がある。

 そして、ヨセフは、育成者も、取り戻す事に成功した。

 後は、時間をかけて、雛鳥達を、成長させるだけの事だ。

 ここに集まった、多くの貴族は、それを、よく理解している。

 まあ、馬鹿は、数人居るが……。

 ヨセフは、そう言う人間を、一人でも見つければ、眼光が、鋭くなる。

 ヨセフも、誠の王に、成りつつあると言う事か。

 今回の会議、それだけ分かっただけでも僥倖。

 会議は、淡々と進み、淡々と終わる。

 スターリーの時間は、加速してゆく。

 それに、取り残される者達。

 次の会議では、顔を見る事も無いな。

 恐らく、当事者だけが、分かっていないだろう。

 他の貴族の、蔑むような目……。

 周回遅れの、的外れな案に。中身の無い、報告……。

 自分達が、他人に寄生し。いかに、何もやっていなかったか……。

 いや。足を引っ張って来たか……。

 この会議で、白日の下に、さらされた。

 まあ、予想外に、有意義な、会議であったよ。

 後は、主だった者達に、挨拶して。最後に、ヨセフとも挨拶を交わし、エネスの街に、戻るとしようかねぇ……。



「ご無沙汰しております。ヨセフ国王陛下、アルブレッド殿。どうやら、スターリーの街も、落ち着きを取り戻したようですね?」

「やあ、ジャショウ君、心配かけたね。まだ、数名、取りこぼしていた様だが。概ね、愚か者達を、一掃出来たよ」

「ウルヴア学園の方も、大胆な、改革を行った様で。種は、蒔かれましたね。後は、花を咲かせ、実を実らす事を、願いましょう」

「ああ、実ってくれれば良いが……。今は、雑草を駆除し、願い、待つしか無いな」

「ええ、今は、ただ、信じて、待つだけですよ……。ここに呼ばれた、大体の者達は、理解している様です」

「ああ、大体の者達はね」

「ええ、大体の者達は」

 そう、一部の者達は、未だ、理解出来ていないのだ。

 何時も、ここまでは、上手くいく。

 しかし、ウルヴア学園の卒業生と、その一部の人間の為に、スターリーの国は、足踏みさせられている。

 そして、窮鼠猫を噛む。

 なまじっか、その一部の人間に、家柄と言う武器が、備わっている為、振り回され、スターリーは、後戻りを、余儀無くされているのだ。

 しかし、今回は……!

 ヨセフは、一部の者達と共に、徹底的に、その家柄だけの人間を、潰して排除した。

 今映る、ヨセフの目には、一切の、妥協も、情も、慢心も、見受けられない。

 徹底的に、害虫を、排除する!

 漸く、腹を括ったか……。

 ヨセフに、こんな顔を、させたくなかったのだが……。

 本当の所、ヨセフの理想を、実現させてやりたかった。

 しかし、愚かな貴族達は、ヨセフの優しさを、穢し続けた。

 もう、一切の、容赦はいらない!

 敵に、吠えるどころか、飼い主の影に隠れてしまう駄犬など、今のスターリーには、必要無い!

 さあ、幕引きの時間だ。

 新たな時代の為に、古き因習は、全て、排除せよ!

 スターリーに、新たな時代が、訪れる。

 これで、心置きなく、エネスの街も、次のステージに、立つ事が出来る。

 エネスの街は、本格的に、世界に、進出するか……。

 下地は、既に、出来ている。

 後は、ただ、昇り行くのみよ……!


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