エネスの目
「ヨシカの旦那!ご懐妊おめでとう!」
「よっ!ついに、ヨシカの旦那も、お父さんか!」
「おめでとう!」
子羊の嘶き亭……。
ジョンさん経由で、既に、ガッツ達も、アンヌさんの懐妊を、知らされている。
ヨシカは、もみくちゃにされながら、皆に、祝われている。
ヨシカは、照れ臭そうに笑い、
「皆、ありがとう!」
「おう!男前が、上がって!」
「もう、パパの顔か!」
ガッツ達が、もてはやす。
ヨルムも、上機嫌で、
「今日は、儂の奢りじゃ!思いっきり飲むぞ!」
「「「よっしゃあああ!!」」」
本当、お祭り騒ぎが、大好きな連中だなぁ……。
アンヌの方は、ネムを筆頭に、万全の体制。
シャルとサクヤも、定期的に、アンヌの体に、錬気を送り。子供が、流産しない様に、その名の通り、気を配っている。
ライムの奴も、珍しく、神の仕事で、祝福を授けていた。
まあ、九割九分、元気な赤ちゃんが、生まれる事だろう。
ガルガトとマリアも駆けつけ、
「洋服は、儂等に任せろ!」
「女の子でも、男の子でも、最高の服を、作ってあげるわぁ♪」
また、ヨシカ達は、大いに喜ぶ。
そんな中、人込みをかき分け、
「ヨシカ様!ヨシカ様!ご懐妊、おめでとうございます!今の気持ちを、一言どうぞ♪」
「んあ?モヤミ!?お前が、どうしてここに!?」
見違える筈が無い!
ベルバレスの文屋、モヤミ・クレネック!
いや、情報屋だったか?
モヤミは、ムフフンと胸を張り、
「やだなぁ、ここの方が、情報屋の仕事の、需要があるようでして♪」
「ジャーナリストの、間違いじゃ無いか?」
「あたしゃ、情報屋ですよ!今は、子羊の嘶き亭専属の!」
子羊の嘶き亭の、情報屋ぁ?
俺は、キリカの方を向く。
キリカは、困った顔で、頷いている。
その間も、モヤミは、ヨルムとヨシカに、質問を、ぶつけまくっている。
ヨルムは、上機嫌で答え。ヨシカは、しどろもどろで、答えている。
まあ、モヤミの情報網は、確かなんだが……。
何か、胡散臭いんだよなぁ……。
しかし、モヤミの言葉は、人を酔わす。
ヨルムは、上機嫌で、
「ジャショウよ!この者に、事務所を作ってやれ!」
「はあ?」
「ジャショウよ!情報の強さは、何事にも勝るぞ!この者を筆頭に、エネスの街を、監視するのじゃ!エネスの街だけでは無い!他の街も!情報戦で勝てれば、この街の、助けと成ろう!そう言う処に、力を入れると良い!」
「む、むう……。モヤミ……。本気で、やる気があるか?」
目を輝かすモヤミ!
胸を張り、
「当たり前でしょう!その為に、この街に来たんだから♪」
「はぁ……。分かった……。子羊の嘶き亭の側に、事務所を、作ってやろう。モヤミよ。仲間を集め、エネスの街の、目と成ってくれ!」
「万事、モヤミ・クレネックに、お任せ♪」
ああ……。
また、面倒な事に、成りそうだ……。
とんでもない爆弾が、エネスの街に、来てしまったなぁ……。
天井知らずの、賑やかさ……。
いったい、何時に成ったら、落ち着くのだろうか……?




