多くが交わり、大きな夢と成る
正に、大名行列……。
相変わらず、ヨルムとフィールの人気は、健在だなぁ……。
道行く人々が、ヨルム達が通ると、足を止め、声援と共に、手を振っている。
ヨルム達も、嬉しそうに、手を振り返す。
マーロウ家具屋で、家具を調達し。ヨルムは、上機嫌で、色んな店を、見て歩く。
キョウカとアヤメは、幸せそうに、月の雫で、お揃いの髪飾りを買った様だ。
まるで、本物の姉妹の様に、手を繋ぎながら、歩いている。
結局、ライム達も、出店で、クレープを買ったりと、護衛がおろそか……。
まあ、仕方が無いか……。
俺とシャルとサクヤが居れば、鉄壁の守りだ。
そんな中、リーフだけは、一生懸命、護衛をしている。
そんなリーフを、フィールが気に入り、
「リーフちゃん!貴方は、素晴らしい、冒険者ね♪私達の、護衛騎士に、したい位だわ♪」
「わ、私が、騎士ですか!?」
リーフの憧れ……。
俺は、そっと、ヨルムに、耳打ちをする。
ヨルムは、満面の笑みに変わり、
「うむ!リーフよ!お主は、立派な騎士だ!冒険者家業の傍ら、儂等の為に、名誉騎士に、成ってはみぬか?」
「ほ、本当ですか!?」
「ええ!それは、良い案ですね♪アヤメちゃんも、キョウカちゃんと、お喋りしたいでしょう。その間、私達を、守ってくれる人が、必要ですからね♪スターリー、前王妃からも、お願いします」
「うむ!前王である、儂も、お主を護衛騎士に、推薦する!やってはくれぬか?」
「こ、この身、この剣!ヨルム様とフィール様に捧げると、この場で誓います!」
リーフは、顔を高揚させ、震えながらも、全身で、その誓いを立てる。
ヨルム達は、満足顔だ。
やれやれ……。
色んな事が、色んな形で交わい、大きな夢に変わったか……。
これにより、ライム達は、ヨルム達直轄の、冒険者と成った。
特に、キョウカとリーフの笑顔が眩しい。
まあ、ライム以外は、頼りになるからなぁ。
これで、ヨルムとフィールの、ある程度の自由が、約束された訳だ……。




