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天翔雲流  作者: NOISE
分かつ先に……。
1754/1796

益々の発展を願って

 子羊の嘶き亭……。

「強欲勇者♪今日も、ヒツジン、大活躍だったよ♪」

「はいはい……」

 俺は、黙って、封筒を渡す。

「あれぇ?硬貨が一枚……。なんか、寂しいなぁ」

「黙って、見てみろ……」

 チャックは、頬を膨らませ、封筒を覗く。

 しかし、次の瞬間、目を見開き、

「こ、これって!?」

「しっ!俺だって、ヨシカが、移住してくれて、嬉しいんだ!黙って受け取れ!」

 そう、俺は、舞い上がっている!

 ヨシカ達と、本当の家族に成れて、嬉しいのだ!

 故に、今回のヒツジンの報酬、白金貨一枚!

 要は、百万エルなのだ!

 とんでもない額の報酬に、チャックは、舞い上がる!

 俺に抱き着き、激しく揺らし、

「なあなあ!ヨーレスの旦那も、移住させようよ!」

「阿呆……。ヨーレスは、ユーロンの跡継ぎだよ……」

「ちぇっ!でも、ヒツジンは、辞められませんなぁ♪」

「現金な奴め……」

 お祭り騒ぎの、子羊の嘶き亭!

 ガッツが踊り、チャックも、上機嫌で踊る。

 そんな、子羊の嘶き亭に、来客が。

「やあ、皆」

「おっ!今日の主役!ヨシカの旦那じゃないか!」

「それに、アンヌ様も!」

 一同、大喜びで、ヨシカ達を、店の中央に招く。

 ガッツは、ヨシカ達に、エールを持たせ、

「さあ、ヨシカの旦那達が仲間に成って、これから、益々の、エネスの発展に、乾杯だ!」

「「「おおっ!!」」」

 本当、愛すべき、馬鹿野郎達だよ。

 ヨシカとアンヌは、幸せそうに笑う。

 ガッツ達は、益々、調子に乗って、呑めや歌えの、どんちゃん騒ぎ。

 ヨシカもまた、珍しく、ガッツ達と肩を組み、笑いながら歌う。

「ジャショウ君!このまま、エネスの街を、何処よりも大きな街に、発展させますよ!」

「おっ!ヨシカの旦那!良い事言いますねぇ!」

「ええ!これからが、本番です!ガッツ君達も、益々、精力的に、働いてもらいます!」

「うっはぁ!明日からが、おっかねえ!」

「良いねえ!燃えて来るぜ♪」

 やれやれ……。

 今頃、ヨセフは、ヤケ酒しているな。

 ヨシカの、こんな姿は、見せられない。

 こんなの見たら、本当に、ヨセフが、やさぐれてしまうだろうなぁ……。


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