決別……!
話に為らないな……。
既に、我がエネスの街は、スターリーに在って、スターリーに在らず。
我が領土で在って、スターリーを除く、七大国の、庇護下に在る。
腐敗した貴族に、入り込む余地は、一寸たりとも無いのだよ。
スターリーの街の再興に、エネスの街の助力は、必須。
速やかに、エネスの街が、スターリーの要と成る為に、発展する為、厳選された人材を、エネスの街は、受け入れるべきだと、貴族達は、発言した。
俺は、冷淡に笑い、
「無能を、受け入れる気は無い!スターリーを除く、七大国より、援助は受けている。そして、あの地は、我が領土にして、エネスの民の地だ。不要な人間を、受け入れる気は無い。我等の発展の、邪魔をしないでもらおうか?」
貴族達は、顔を真っ赤に染め、俯き震える。
俺は、遠回りに、貴族達を、無能と評価したのだ。
オブラートに言ったが、寄生虫は、必要無いと、言っているのだ。
分かって、頂いた様だな?
発言した貴族は、俺の返答を聞き、無言で座る。
俺は、貴族達を見回し、
「もう、エネスは、スターリーの地区では無い!一つの街なのだ。そこを治めるが、我が役目……!要らぬ干渉は、慎んでもらおうか?」
もう、エネス地区じゃ無いのだよ。
俺が治めるは、エネスの街だ!
不要なモノは、徹底的に、切り捨てる!
静かな声……。
しかし、怒気の孕んだ言葉に、漸く、貴族達も、取り返しのつかない事をしたと、悟った様だ。
今更、全てが遅い。
虎に翼を与え、野に放った……。
ここに居る、誰もが、漸く、悟ったのだろう。
ある者は、頭を掻きむしり。
ある者は、俯き、嘆息を漏らす。
スターリーの街の、各地区の領主は、アルブレッドを筆頭に、俺の様に、冷淡な目で、その様な貴族達を、睨み、見下す。
そんな中、ヨセフだけは、不気味に笑う。
やれやれ……。
どうやら、必要の無い人間を、見定めた様だな……。
会議も終わり、俺は、席を立つ。
この会議に、何の価値も、見出せぬな。
何人もの貴族が、頭を下げ、俺の下へとやって来たが、俺は、形式的に対応し、完全に、塩対応。
エネスの街に、堕落した貴族は、必要無い!
俺は、毅然とした態度で、愚かな貴族達を、突き放す。
貴族達は、憎々し気に、
「ジャショウ様も、お分かりだろう?若い者達にも、チャンスを与え、これからのスターリーを考え、育てていく必要があるのです。エネスの街は、そう言った者達を、受け入れるべきなのです!」
もっともらしい事を、言いやがって……。
俺は、横目で睨んで、鼻で笑う。
蔑む様に、
「チャンスを与えるのなら、お前達が引退し、役職を、与えてやれば良いだろう?散々、エネスの民を、迫害しておいて……。私は、私の価値観で、エネスの為政者を、見出している!ガキの子守をしていられる程、エネスの街に、余裕は無いよ。見苦しいな、消え失せろ」
徹底的に、無能な貴族を、排除する!
俺の冷たい視線に、貴族達は、息をのむ。
俺は、ふぅっと息を吐き、
「エネスは、スターリーで在って、スターリーでは無い!お前達が、干渉する余地は無いよ。そんなに、エネスに、構う暇があったら、スターリーの街を、どうにかするのだな」
言うだけ言って、後は、去るのみ。
何度も言うが、エネスの街に、無能な貴族は、必要無い!
俺が、領主である以上、この理が、変わる事は無い。
恨みも無く、憎しみも無いが……。
災いの火種を、受け入れる程、俺は、お人好しでは無い。
領主であるがこそ、俺は、エネスの為に、生きると決めた。
哀れみはあるが、同情はせぬ。
俺は、スターリーに背を向け、立ち去るのであった……。




