一か月目の
どの国にも属さない、完全独立都市、エネス……。
僅か一か月と言う短時間で、花開く事と成る。
まだまだ、完成には、至らないが。人々が移り住み、活気溢れる街と成った。
巨大な、五角形の城を中心に、海と大河に挟まれた、肥沃な大地。
そこに、俺の祝福が加わる。
それにより、産業と同時に、貿易、漁業、農業も、推進してゆく。
豊かに成れば、人は、外に目を向ける。
エネスは、スターリーの中でも、中央に近い位置と言う立地。
元ヨーシュアの首都、ベルバレスや。王妃ルビアの父、ルビレスの治める、バフォメットとも、交易が、盛んに行われる様に成った。
勿論、ヨルブン大公達とも、鉄の絆は、続いている。
国内でも、大量に、貿易相手が居ると言うのに、アルテイシア達、国外組も、エネス地区の独立を喜び、今まで以上に、盛んな貿易が、行われる様に成った。
これが、一か月目時点で到達した、スタートライン。
これから、どうなってゆくのだろうか……?
俺は、エローラ達と共に、方々を、駆けまわっている。
実に、目まぐるしい。
今日も、今日とて、
「お~い、強欲勇者!」
「んあ?何だ?ガッツ。また、何か、不足した物があるのか?」
「いや、大丈夫だ♪大丈夫だから、人が、どんどん集まって来やがる!嬉しい事だが、ロブスの旦那が、人手が足りぬと、自分の歳も忘れて、走り回っていたよ!心配だから、助けてやってくれねえか?」
「ああ、そうか。じゃあ、俺も、時間が出来たし、顔を出すよ。それより、漁業組合の方の立ち上げは、上手くいっているか?」
「ああ、そっちは、大丈夫だ!荒くれ者が多いが、根は良い奴等だからな。俺達の助言を、素直に聞いて、一昨日には、代表が、決まった様だ。確か、モルガン・フルートと言う、おっさんだ!エネス地区……。じゃ無かった!エネスの街の会議に、出席する様に、言っておいたぞ」
「そうか。手間を取らせたな。取らせついでに、ロブスさんの所に行った後に、是非、一度、俺が会いたいと、言っていたと、伝えて欲しい!場所は、子羊の嘶き亭だ。よろしく頼めるか?」
「ああ!あっちも、一度、強欲勇者に、挨拶をしたいと、言っていたんだ!喜ぶだろうよ」
やれやれ……。
出来る事なら、街の人全員と、話してみたいのだがな……。
人口が、五万人を超えても尚、まだ、増え続けている。
何もかもが、思い通りには、進まないな……。




