大きな傷跡
最悪だ……。
真実は、奴等の、独りよがりによるもの。
あの男達、この二か月の間、自分達の、自由を得る為に、ガッツ達の様な、自分の理にそぐわない者達に、領主と言う権限を使い、嫌がらせをしていた様だ。
俺の残した、置き土産……。
エネス地区の、改革案を、全て破棄する為に。ガッツ達の方から、辞める様に、仕向けようとしていた。
当初の契約により、自分達からは、改革の中止を、訴える訳にはいかない。
しかし、民達が否定すれば、話は変わる。
浅はかな、考えだ。
結果は、全てが、裏目に出た。
男達の、妨害により、ガッツ達は、思う様に、利益を得られず。その上、あの男達からは、過度な生産を、要求されていた。
根本の、市場が無いと言うのに……。
ガッツ達の、暴走では無く。まごう事無き、あの五人の男達の、暴走であったのだ。
爆発する、五人の男達への怒り。
他地区もまた、エネス地区の商品の流出により、市場が荒らされ、困窮する事と成る。
今、二十三地区の領主と、ヨセフ達に囲まれ、あの男達は、徹底的に、追い詰められている。
因果応報……。
国内、集中消費……。
スターリー内の、市場を掌握する為に、奴等は、悪手を取った。
その上、他国との貿易を、有利に進める為に、極端な事に、一時、輸出を、全面的に、停止させたのだ。
まあ、白翼商会と、フリュクベリ商会を、退けた事で、奴等に、貿易手段が、無かったのだが……。
しかし、それが、仇と成り。商品の流出が止まった事で、他国からも、強い抗議を、スターリーは、受ける事と成っている。
現状、国際問題に、成り始めているのだ。
結局、五人の男は、更迭され。俺が再び、領主の座に……。
男達は、多額の賠償金を請求され、家を、大きく、傾ける事と成った。
ああ……。
頭が痛い……。
俺は急ぎ、白翼商会、フリュクベリ商会、メイア海兵隊を招集し、貿易を、再開させる。
各国の王に、書状を送り、事の顛末を説明し、俺自ら、謝罪をする事と成った。
やれやれ……。
結局、こうなるのか……。
テッカ達への、繋ぎどころか、半年も持たなかった。
仕方が無い。プランBだ。
テッカ達には、しばらくの間、俺の下で働いてもらい。頃合いを見て、政権を譲る。
まだまだ、俺は、楽が出来そうも無い。
おおよそ、予想は出来たが、呆気ない結末。
僅か、二か月であるが、大きな傷跡。
奴等は一体、何がしたかったのだ……?




