惨めなものだ……。
所詮、十七の少年達には、どうする事も出来ないか……。
もっとも、俺も、彼等と近い歳から、エネス地区の、領主をしていたのだが。それがまた、比較の対象にされてしまう。
しかし、まだ、一か月も経っていないのだ。周りの者達も、長い目で、見てやれよ。
でなければ、俺の目論見も、全て、誤算と成ってしまう。
三人寄れば文殊の知恵……。
五人も居るのだ。どうにかなるだろう?
しかし、たった一か月で、やつれきった男達……。
ふらついた足取りで、王城へと向かう。
約束通り、ヨセフ達への、報告か。
しっかし、報告書は、完成したのだろうか?
やれやれ……。
また、ヨセフ達の、愚痴を聞かなくては、為らないのだろうなぁ……。
「はぁ……。最悪だ。今までで、一番、使い物にならないよ」
提出された書類を見ながら、ヨセフが、ため息をつく。
俺も、報告書を見させられたが、内容が、支離滅裂。
金勘定も、碌に出来ていない。
これでは、横領していると、勘違いもされてしまう。
男達の弁明は、報告書同様、支離滅裂で、俺とガッツ達が、裏で結託し、足を引っ張っていると、陰謀論を、真顔で、ヨセフに訴えたそうだ。
本物の、馬鹿である。
これには、ヨシカが、激怒。
この一か月、この男達を、横で、見張っていたのだから。
ヨシカは、男達の働きに、呆れ返っていたのだろう。
その失望と怒りが爆発し、ヨシカは、男達の仕事の不出来を、徹底的になじり。男達は、嗚咽を漏らし、年甲斐も無く、王の御前で、無様に泣いたそうだ。
惨めなモノだ……。
テッカ達が卒業するまで、後三年……。
奴等の、陰謀論じゃ無いが、エネス地区が、必要以上に、混乱しない様に、俺も、裏で、暗躍しなくては、為らないかもな……。




