消えゆく者の儚さよ……。
ふむ……。
ハキムの所在が、分かったか……。
ただの人では、仕方が無いが……。
際限なく、瘴気を取り込み、自我を失ったか……。
それに伴い、妖魔達が、統率を失い、再び、活発に動き出した。
しかし、最早、脅威では無い。
瘴気の多くは、ハキムに集まり。ハキムの自我があった頃に、多くの妖魔を、駆逐する事に成功した。
奴は、良く、道化を演じてくれたよ。
これで、この世界も、平和が訪れる。
俺の役目も、そろそろ終わりか……。
戦場に、鮮血の華が、美しく咲く。
人類、大攻勢……!
ここまで、長い道のりだった。
俺もまた、戦場に赴く。
もう、エミネもソットも、魔王を、倒せるか……。
これなら、心配無いな。
人々の中から、俺と言う存在が、消滅してゆく。
名を、忘れられし勇者……。
ただ、アルマとナタンは、俺を忘れる事は無かった。
去り行く俺に、抱き着き、
「ジャショウお兄ちゃん!!」
「やはり、アルマ達は、俺を、忘れずにいてくれたか……。アルマにナタンよ。我と共に、我が世界に来ないか?」
「お兄ちゃんの世界……?」
「ああ、俺は、異世界人だ。役目を終えて、時機に消える。共に来るか?」
「お兄ちゃん!私は、ずっと、お兄ちゃんの妹だよ!ずっと一緒!」
「アルマ様が居る世界が、儂の世界です!共に参りましょう!」
「そうか……」
俺は、アルマとナタンの、手を握る。
この最後の戦いに、クライマックスなど無い!
今更、語るほどの、相手では無いか。
愚者が、力を得ようと、所詮は愚者だ。
それでも、強大な力……!
俺が、裁かねば為らぬか……。
アルマとナタンと共に、空間転移をする。
さあ、ハキムよ。汝は、我等と共に、消えるのだ。
お前の行先は、地獄だがな。
やれやれ……。
消えゆく者の、儚さよ。
俺は、アルマ達と共に、最後の戦いに、赴くのであった……。




