近づく終わりに向けて……。
「ジャショウ!花火!花火!」
「ああ、年が明けたなぁ」
十二時を回り、今年が始まったか……。
アミルが、俺の腕の中、ニコニコ笑い、花火を指さす。
さて、ハラ婆さんに、挨拶に行くか。
俺は、アミルを抱きながら、リアノン達に手を引かれ、ハラ婆さんの所へ向かう。
道行く人々と、新年の挨拶を交わし、ニッサ村は、大賑わいだ。
そして、ハラ婆さんの家へ……。
「「「お婆ちゃん!あけましておめでとう♪」」」
「はい、おめでとう。今年も、皆、元気じゃのう」
ハラ婆さんは、ニコニコ笑い、子供達に、祝福を授ける。
子供達は、無邪気に笑い、俺の手を引っ張り、
「ジャショウお兄ちゃん!屋台を回ろう!」
「俺は、焼きそばが食べたい!」
「はいはい……」
やれやれ……。
今年も、賑やかに成りそうだ。
もう直ぐ、別れの時が来る。
寂しいが、今を大切にし、一日一日を、謳歌しようか……。
ふむ……。
年が明けて、ニッサの街の建築が、軌道に乗り始めたか……。
村人達は、ウーナを中心に、家々を、建築してゆく。
俺も、大忙しだ。
村人達は、汗を流し、ニコニコ笑う。
「ジャショウ坊のお陰で、どんどん、家が建ってゆくぞ!」
「本当にのう!儂等の村も、これで、立派な街に成る!」
俺もまた、笑顔で頷き、村人達の為に、ニッサの街の周りを、開墾してゆく。
さて、俺が、この世界に居る間に、ニッサの街の完成を、見届ける事が出来るだろうか……?




